- エリート大学で働くスタッフ:ネガティブ行動の経験あり(悪口を言う、クズのように扱われる)
- 社会階級や組織内の階層構造の結果とまでは言えないがその傾向はある
- 省察的主題分析
- 主題はインタビュー記録から引き出されたりうかびあがるのではない ← 普遍的事実の発見を志向
- 主題は分析者の主観性の結果だが、それ自体が独自の知識形成
- 主な主題
- 職員は教員のために働いているという感覚:労働者に緊張感をもたらす
- 教員の仕事はより優れているという感覚:仕事の多くは教員の仕事を楽にする仕事
- 職員の意見を教員が重要視しない
- 教員と職員の給与体系は同じなのに、一方のキャリアが高く評価される感覚
- これはエリート機関だからなのか
- 大学にインクルーシブな文化が必要(そのためにはどういうルーチンが導入されるべきか?)
2024/10/18
Pilgrim-Brown, J. ‘Helping academics shine’: An exploration into the relationships working-class professional services staff have with others in UK higher education. High Educ (2024).
2024/10/03
Adigun, O. T., Mpofu, N., & Maphalala, M. C. (2024). Fostering self-directed learning in blended learning environments: A constructivist perspective in Higher Education. Higher Education Quarterly, 00, e12572.
- SDLは内的なプロセスか外的な関与が可能かは両論ある
- SDLは心理プロセス=知識を積極的かつ目的をもって活用する必要がある=学習の向上のイニシアティブを単独で担う
- SDLはモチベーションと勇気が必要、SDLは選択・自己主張・目標設定を重視する構造
- ⇔ 教員の指示(=刺激)でも動機づけられる:ただし、指示にいつ・どのようにを選択する自由はある
- → BL(=対面+遠隔)は各自が自分のペースで教材にアクセス可能にする=SDLになる
- 高等教育と協同学習:近年は不可分と考えられている(ゆえに高等教育とSDLも不可分?)
- 一方、個人は自分の利益と成長のためにSDLに取り組む ⇔ 多くの学生がSDL能力を高めれば、高等教育の質は高められる
- BLは双方の弱点を補う優れた方法:概念の理解とスキル開発を可能にする、オンライン疲れも半減
- ただし、効果と課題は不明確でどちらの研究もある
- 構成主義の前提
- 知識は構築されるもの、そのプロセスから学習が生まれる
- 個人は知識構築の中心にいると仮定する、その知識はより大きなコミュニティのメンバーからの疑問が投げかけられないと見えない
- 知識はコンテンツに関連する、つまり学習は現実的な文脈の中で行わないといけない
- 学習者は、ある知識が不足している=ある学習課題を自力で達成できない
- → 授業は既知→未知、単純→複雑の構成であるべき
- できない→できるへ認識を変えるプロセスに引き入れる必要がある
- 授業を、(1)できない、(2)積極的な支援システムを利用した学習、(3)独立して知識を構築の3段階で構成すべき。その基盤として教員と学生による振り返りをすべき。
2024/10/02
Vogel, J. and Bouhnik, D. (2024) Prize- Based Learning in an Introductory Computer Course, European Journal of Education
- Prizeのタイプ:具体・仮想・称号、何でもよい
- 対象:個人でも団体でも、1人でも複数でもよい
- 明確な勝者がわかるゲームルールが必要
- ゲームはデジタル・非デジタル両方使える
- 実践事例では、3つの非デジタル、28のデジタルゲームを使用
- 実際に行ったデジタルゲーム
- マッチング:プログラムが動作するよう変数を選ぶ
- マッチング:インプットとアウトプットが整合するよう組み合わせる
- シーケンス:語句問題、問題が解けるよう手順を並べ直す
- 穴埋め:語句問題の説明を埋める
- 即答:多肢選択問題について、正答だけでなく正答の早さも評価対象
- ゲームの作成:https://nearpod.com
要するにゲーミフィケーションの活用
2024/09/29
苅谷剛彦(2003)『なぜ教育論争は不毛なのか』中央公論新社
- 学識者と専門家は役割が違う:
- 努力の階層差:アメリカは能力主義、しかし能力が生得的なら時代で分布は大きく変わらないはず、時代の変化で階層差が出るのは努力のほうでは?
- 学力格差が階層差を伴っているのに、勉強したくない子はしなくていい、それも個性だといっていいのか
- 教育は国家の機能を良心的にコントロールできる市民を公教育を通じてどう育成するか
- 機械の不平等は後からしかわからない:ならどういう不平等ならみんな納得して受け入れられるかを決めないといけない=能力開発の機会の保障と自己責任のどこに線を引くか、ルールと情報が明確でルールづくりに誰でも参加できないといけない、社会の仕組みの知識は民主主義の基本
- 教育は資源再配分の方法の一つ
- 学力論争は学力をどうとらえるか=測定可能なものに限る
- 同調主義的共同体を残したまま市場化という方向で個人化が進む。学校の同調文化は変わりにくいのに、個人が大事というと個人が肥大化する
- 数学が高校レベルなのに英語が苦手なために中学を卒業できない政策をうけいれられるか?
- 教育行政に全てお任せは、自民党VS日教組のイデオロギー対立から教育の政治的中立性を確保するためにはじまった
- なぜ教科書検定が問題となるのか?教育は神聖、無垢な子供が使う教科書という教育の有効性、神聖性を信じるから
- 小5段階で学力だけでなく総合的学習への意欲でも差がでる
- 学力低下は平均だけでなく家庭的背景の格差を伴った拡大
- 旧来の学力=知識量だけでなく、新しい学力=自ら学び自ら考える学力も階層差がある
- 自己実現は高度な自律性wp備えた職業人=芸術家や知識人に固有の特徴、なのに全ての子供に求めていいのか?
- 個人=社会の1つのユニット、1人1票、職業人の単位
- 自己=文化的・社会的・心理的なもの、自分という存在の見方
- 本当の自分を正しさに根拠を置く教育が、成人後の自立した個人の形成に結びつくとは限らない
- 自分で考える力の教育方法は不明確:価値の教育に踏み込まないと教えられないのでは?
2024/09/27
中世古貴彦・木村拓也・丸野俊一(2016)「メルボルン・モデルのインパクト」『基幹教育紀』2,11-26
- ワールドクラスの大学=学部教育より大学院教育=PhDプログラムを重視することが求められている→学部教育はどうすればよい?
- メルボルンモデル:96学位プログラム→6分野、学部中心からレイトスペシャリゼーション
- 学位の種類は大括りになったが100近いメジャーから選ぶ
- 学士は3年6セメ、1セメ最大4科目、1科目12.5単位、1セメ50単位・年間100単位・3年300単位で卒業
- 授業の種類:必修科目(学位に応じた科目)、選択科目(メジャーに関連する科目)、広域科目(メジャーを問わず自由に履修)
- 実際は積み上げ科目が75%=学部教育の中心は100近いメジャーに応じた専門教育
- 専門教育を維持するには細分化したメジャーが必要(?)
- 広域科目は教養・一般は求めていない:「幅広さ」の意味
- 大学院の2学位:コースワーク学位(医学、法学、教員、建築、工学、セラピスト等)と研究学位
- 学部の減少分は、コースワーク学位拡大で相殺
- つまり、メルボルンモデルは学部のレイトスペシャリゼーションではなく、研究学位を守りながら大学全体を大学院中心へ移行する構造変革
- 積み上げ専門教育の維持+多くの機能を引き受けるコースワーク学位+不変の研究学位
- モデル導入で学部教育が教養・一般教育にシフトしていない
2024/09/26
Yamamoto, R. (2024) The enigma of collegiality: collegiality frames and institutional logics in US higher education. High Educ
- フレズノ州立大のコミュニティの原則:敬意を払う、親切、協調
- →検閲と順応を正当化するという批判(米国の大学では、教員間のいじめや職務怠慢が深刻な問題になっている)
- 制度論の考え方:個人や組織は、支配的な制度の文脈で意思決定・好み、理解・アイデンティティを形成する(=埋め込まれたエージェンシー)
- 個人や組織の行動・相互作用・解釈の指針となる価値観が制度論、しかも、その価値観は社会的に正当化されたもの
- 制度→行為者の解釈→実行→組織の慣行という変換プロセスを取る
- relational legitimacy:関係的正当性(Tost 2011)
- logic casting:論理の転換:アクターが組織論理を展開し、他者の動機を推論し、組織の政策や慣行の潜在的な結果を評価するプロセス
- なぜこれに注目するのか?
- 同僚性規範=一般には自治の強化と理解される
- → 協調の必要性が、適合への圧力となるなら、自治への侵害と理解されるかも
- 学術ロジック=同僚性の実用的な運用は、実は国によって異なる
- オックスブリッジ:自治権を持つカレッジの連合体、民主的統治
- フランス・ドイツ:学術団体と国家が現実的な交渉をして学術事項への権力を確保(近代大学の設立と国家の利益が密接だった国)
- アメリカ:共同統治としての協議制=教員・行政・理事会の共同責任
- 同僚性は、動機付けられたメンバーによる継続的な積極的な関与が必要
- 当然視された善意の仮定に基づくため、フリーライダー問題への対処能力が低い(Lazega 2005)
- 協調主義文化=個人の自主性を尊重、意見の相違は相互理解と成長機会 ⇔ 集団主義文化
- 同僚性の危機
- 3つのM:Massification、Marketization、Managerialism
- Faculty incivility:教員間のいじめ・非礼行為の増加(特に対女性・非白人)
- だからといって、協調性を強制していいのか?
- 問い:大学人が同僚性を重要と考えるなら、なぜその強要に強い反対がでるのか?
- →クロニクルの記事を質的内容分析 ⇔ 内容分析は量的・質的だが、質的内容分析はテーマ・スキーマ・概念抽出・カテゴリー化を重視する
- 2013〜2022年、10年の記事をcollegiality、collegialで検索、workplace、leadership and governance で絞り込み、114記事抽出
- 結果:6つの同僚性の枠組みを明示
2024/09/17
『教育社会学研究』110, 2022, 特集
宮島喬(2022)「「再生産」50年と日本に於ける受容」『教育社会学研究』110, 5-24
- なぜ学校的成功を勝ちうる者が上層階級の子弟に多いのか?
- 文化的再生産と文化移動
- ブルデュー:家族,親などから遺贈されてくる文化資本
- ディマジオ:本人が自ら経験し,学習し,情報を収集し,つくり上げる知識,信条,ハビトゥス
- 日本の生徒指導哲学=努力主義=自助万能主義
- 本来人間に能力差などなく,アチーヴメントの高い生徒は努力した生徒,低い生徒は努力を怠った生徒,怠け者の生徒
- 「学校的成功」を可能にする文化資本には正統の文化がある
- 古典的・人文的な知の基盤、芸術、西欧文化中心
- ←日本ではそこまで一元化できない=日本文化と西欧文化の二元化
- 有力大学卒業・大企業ホワイトカラー・管理職・専門職な=文化エリート:なぜ日本では文化的平等神話が広がり,文化的再生産は隠蔽されるのか?
- 日本は大衆文化が強いから⇔フランス支配階級は大衆文化になじまないことで卓越かを図る
- 日本は上層階級も文化的雑食性(omunivore)(パチンコ、麻雀、プロ野球)
小澤浩明(2022)「権力と正統性に対抗する文化資本の可能性」『教育社会学研究』110, 25-46
- ハビトゥス=文化資本、経済資本、社会関係資本→なぜ研究関心はハビトゥスでなく文化資本に集中するのか?
- メリトクラシーイデオロギー:社会階層の低い者でも教育さえ受ければ出世できるという民衆の社会移動の欲求と密接に関連していた教育の機会均等や社会移動を支持するイデオロギー
- 階級関係の再生産の問題を諸個人の世代移動の問題に還元してしまう
- 生まれつきの才能のイデオロギー:学校で優秀な成績を収めることができるのは,学生自身の「生まれつきの能力」によるものだと承認させるイデオロギー
- 社会的・文化的差異や不平等を隠蔽する力として作用
荒牧草平(2022)「日本社会における学歴再生産とブルデューの社会学理論」『教育社会学研究』110, 47-67
- 学歴は制度化された文化資本:文化資本概念には含まれない
- →身体化された文化資本の指標=文化的実践に注目する=クラシック音楽、言語能力
- 客体化された文化資本の指標=書籍・文化財の所有
- 学歴再生産過程における文化資本の媒介効果の検証
- 親学歴・階級:O→親文化資本:C1→子文化資本:C2→子学歴:E これが基本の分析枠組
- 2タイプの調査
- 文化資本の相続は何らかの形で行われているが、日本では文化資本と経済資本が密接に結びついて所有される→文化資本のみの相続ではない
- 学歴達成は総資本量の影響を受けるが、本人の成績・教育的地位志向が強く影響する
- 教育地位志向=日本では明確な対象へ向かう性向=偏差値⇔芸術や音楽の趣味のような曖昧で複雑な隠された秩序や価値序列に基づくものではない
- この点でブルデューが考えたハビトゥスが家庭と学校で長い時間をかけて形成される点と違う
磯直樹(2022)「ブルデュー派階級分析の理論と方法」『教育社会学研究』110, 91-113
- 文化資本=支配と不平等に文化がどう関わるかを分析するための概念
- 社会空間が軸となる概念:階級構造に近いが、社会階級は実在せず、社会空間が実在する。差異の空間に諸階級がいる状態。
- ブルデュー自身も時期によって概念の揺れがあるので、各年代のテキストを正確に読むことが必要:完成段階は「ディスタンクシオン」
- 文化資本の三様態:身体化された様態、客体化された様態、制度化された様態
片岡栄美(2022)「文化的オムニボアとハビトゥス,文化資本」『教育社会学研究』110, 137-166
- テイスト=趣味、界=場、高尚=ハイブラウ、低俗=スノッブ、オムニボア=雑食性
- ハビトゥス+場=実践
- ディスタンクシオン:文化実践・テイストによる生活様式空間と階級構造が密接に結びついていることを示した。
- 趣味が社会的地位のマーカーになる
- 基本概念
- テイスト:ある階級が、分類されかつ分類する様々な対象物や慣習行動のある特定の集合を(物質的にかつ/または象徴的に)所有化する傾向および能力のこと、生活様式の根本にある生成方式
- 生活様式:ハビトゥスの体系的産物
- ハビトゥス:行為の生産原理
- 階級と文化の「相同性」は、音楽、美術、スポーツ、食、政治など多くの異なる「界」で現れる
- 何が高尚で何が低俗かは、階級ごとに異なるテイスト・階級のハビトゥスによって社会的位置と結びつき、形成される。
- かつてのフランス支配階級のテイストは、高尚な正統文化→今は文化のヒエラルキーと社会のヒエラルキーが複雑化したため、その関係は疑問視されている。
- →それが文化的雑食性、折衷主義
2024/09/16
Slotnick, R. C., & Boeing, J. Z. (2024). Enhancing qualitative research in higher education assessment through generative AI integration: A path toward meaningful insights and a cautionary tale. New Directions for Teaching and Learning, 1–17.
- AIによる質的データのコーディング:研究者の持つ知識や経験を通じた解釈に限界がある
- 特に、パターン特定の際に有効な微妙なニュアンスを理解する能力に欠ける
- AIを補助に使う分にはよい
- AIの頻度カウントに依存すると、データに埋め込まれた重要なエッジケース、突出事例を見落とす
2024/09/15
DiSabito, D., Hansen, L., Mennella, T., & Rodriguez, J. (2024). Exploring the frontiers of generative AI in assessment: Is there potential for a human-AI partnership? New Directions for Teaching and Learning, 1–16.
- 機関レベルで行う学習評価=サンプリングで授業の目標と学生の成果物を大学が点検
- ウェスタンニューイングランド大学
- 各教員は科目の目標に沿った課題を作成する
- 教員が無作為抽出で成果物を大学へ提出
- 教員チームが成果物を採点
- 結果を学長、評議会、科目担当教員へ報告
- これらの評価を生成AIで自動化できるか?
- LMS上のドキュメントやプレゼン等からテキストを抽出して、匿名化、主観的基準を排したルーブリックを用意してAIで評価
- 機関レベル:学生論文の評価
- 文章の書き方と論文構成の2観点で4段階評価
- 文章の書き方は、人間よりAIの方が高評価
- 論文構成は人間とAIでほぼ同評価
- コースレベル:生物学の実験レポート
- 恒常性と動物行動の2観点評価
- どちらも人間の評価の方が高い
- AIがパフォーマンス課題の評価を行うことは難しい
2024/09/14
Soeun Yang, Ji Soo Choi, Jae Woo Lee, Eun-mee Kim, (2024) Designing an effective fact-checking education program: The complementary relationship between games and lectures in teaching media literacy, Computers & Education, Volume 221, 105136,
- ファクトチェックゲームを組み込んだオンラインメディアリテラシープログラム
- ゲームと講義を組み合わせて対照実験
- DGBL=Digital Game-based Learning
- SPML=self-perceived media literacy:自分はメディア・リテラシーがあり、メディア・コンテンツにアクセスし、分析し、評価することができるという個人の信念
- 誤報を見分ける+メディアの影響力を理解する+メディアの偏見を認識+メディアの経済性を理解する
- SPMLが高い人は低い人に比べて誤情報を内面化しにくい、異質な政治的議論に参加しやすい
- 探偵ゲーム:手がかりを集め、発見された証拠から結論を導く
- 進捗は真偽のメーターの振れ方でわかる
- プロのファクトチェッカーのプロセスを模倣して作られている(初期評価→出典の確認→証拠収集→文書化→相互参照チェック→証拠に基づく判断(所見の報告)→フィードバックを受けて修正)
- 成果の評価の4課題
- 「フェイスブックのニュース」:ソーシャルメディアをナビゲートする際に、より信頼できる情報源を特定できるかどうかを評価
- 「ソーシャルメディアの議論」;相反する主張を提示する投稿の証拠の質を適切に評価できるかどうかを評価
- 「証拠の評価」:疑わしい写真の証拠を批評できるかどうかを評価
- 「記事の分析」:記事の著者の分析を通じて、スポンサー投稿の商業的意図を認識できるかどうかを判断
- 情報検索に5分間使える
2024/09/13
Komljenovic, J., Sellar, S. & Birch, K. (2024) Turning universities into data-driven organisations: seven dimensions of change, High Educ,
- 大学のデータ化は大学組織をどう変えるのか?
- →7つの側面がありそう
- (1)アスピレーション
- データ分析の結果から学ぶことに前向きで、実際に新たな発見もある
- ただし、その持続にはお金がかかる
- 一方で、分析に関わる概念(学生体験、学生成功など)が曖昧で、組織内の共通理解が不足している
- データ化は本当のコスト削減にならない=コミュニケーションは自動化されてコストは下がっても、学生の意欲を高めるのはそれに教員が関与する時、学生の問題が可視化されるほど、対応すべき案件が増える
- 技術統合
- クラウド化が流れ
- ただし、つぎはぎのレガシーシステムが多すぎて統合が課題
- システムを抜け出すのにもお金がかかりすぎる(ただしこれは他分野も同様、銀行など)
- 法的側面
- 報告義務のためのデータ収集は時間がかかる割に価値がない←それこそ自動化では?
- 一方、教職員は義務を厳格に解釈しすぎて、データ利用やアクセス権を限定しすぎる。
- 商業化
- 外部に匿名化データを提供する代わりに利用料を徴収する(そんなことある?)
- 組織変容
- メンバー間でデータに対する目的・価値観は違う、データの生成のあり方、利用のされ方への考え方も多様
- データを収集・分析することと、データに基づいて行動することの間には断絶がある
- イデオロギー
- データを収集・分析すれば問題が解決できると信じられている(データ解決主義)
- 実存性
- 学生や職員が取り組みから排除されている、収集したデータがどう扱われているかを知るすべがない
- データ化は学内に序列化論理を持ち込みやすい
- リソースを教育・研究からITベンダーへ向けやすい
- データを活用するだけでなく、それが実際に価値を持つには(メンバーが有用と思うには)別のリソースが必要(伝道師や議論の促進)
2024/09/12
石橋希・正司豪・尾澤重知(2024)「大学における探究学習を通じた自己探索に関する考察」『日本教育工学会研究報告集』2024(2), 19-26
- 探究学習の共通点:「問いや問題によって刺激されること」「知識を構築することと新たな理解のプロセスに基づくこと」
- 他者との協働における認知的葛藤により自己省察が生じる(Shirouzu et al. 2002)
- 複線径路等至性モデリング:対象者があるひとつの結果(等至点)に至るまでの複数の径路を「必須通過点」や「分岐点」等の概念を用いて、非可逆的な時間の中で表し、対象者の行動や意思決定の過程を記述する方法
- ←課題に取り組む過程で生じた心的事象について詳細を捉えることができる
- 非可逆的時間:心理的・経験的な時間の流れ≠物理的な時間
- 等至点:探究学習を通して、将来につながる自己を確認する
- 分岐点:複数の径路が発生する結節点
- 社会的助勢:等至点へ向かうように働きかける
- 社会的方向づけ:等至点から 遠ざけようとする
- 必須通過点:制度的・慣習的・結果的 に多くの人々が共通して経験する出来事や行動
- 探究キャリア教育に参加した学生を対象に分析
- →等至点=探究学習を通して、将来につながる自己を確認する
- 必須通過点:OPP1:科目履修する、OPP2:プロジェクトに取り組み始める、OPP3:関心を実践できて評価可能な計画に 落とし込む、OPP4:実践を通してデータ収集する、OPP:5取り組みを発表する
- インタビューデータをTEM図にプロット
2024/09/11
三宅祥隆(2023)「改正大学設置基準の概要と問題」『日本の科学者』58(7), 56-59
- 旧基準12条:教員は一の大学に限り専任教員となるものとする、専任教員は専ら前項の大学における教育研究に従事するものとする
- →基幹教員:一年につき8単位以上の当該学部の教育課程に係る授業科目を担当する者
- 設置基準が定める必要最低教員数の1/4までは,他大学や民間企業と兼務する者でよい =必要最低教員の1/4まで非常勤化が可能
- ← 教員が十分に養成されていない成長分野等において,民間企業からの実務家教員の登用や,複数大学等でのクロスアポイントメント等による人材確保を特に期する
- ↑専ら当該大学の教育研究に従事せず、年8単位の授業科目担当で、教育課程の編成や学生の入学・卒業に係る責任を担わせてよいのか?
2024/09/10
Kate O’Connor (2022) Constructivism, curriculum and the knowledge question: tensions and challenges for higher education, Studies in Higher Education, 47:2, 412-422
- 今の大学教育の問題:内容に焦点化しすぎ。学生自身が知識を構築する構成主義アプローチが取られなければならない(アクティブラーニングの誤解)
- 構成主義理論の前提:知識の理解とは、知識が特定の文脈の中で、特定の時間に、人々によって生産され、関与され、構築される方法の理解から切り離すことができない。
- 広く支持されているのに、具体例が乏しすぎる。
- とはいえ、モデルとなる事例は、非同期掲示板議論。
- どういう議論をしているかを知りたいのに。
2024/09/09
上林陽治(2016)「公務労働の公共性,専門性・専門職性に関する試論」『社会政策』8(3), 79-88
- 正規雇用=常勤+無期+直接+職務無限定
- どれかが欠けると非正規雇用になる
- →専門職・資格職は正規雇用されない(正確には余裕がない)→労働市場からスポット調達
2024/09/08
Mandai, K.; Tan, M.J.H.; Padhi, S.; Pang, K.T. (2024) A Cross-Era Discourse on ChatGPT’s Influence in Higher Education through the Lens of John Dewey and Benjamin Bloom. Educ.Sci,14,614.
- 生成AIをどう学習に活用するか
- 長所:学習の個別化、理論学習から実践学習へのシフト、詰め込み型学習評価の脱却(具体例不明)
- 短所:正答への依存、真正性の欠如(具体例不明)
- デューイの省察的実践モデル:情報の健全性を評価することが相対的に難しいという欠点がある
- 困難や予期せぬ問題に直面する
- 問題を分析し定義する
- 状況を見極めて作業仮説を決める
- 仮説を合理化して結果を予想する
- 仮説を検証する
- ブルームタキソノミーで考えると低次の目標ほど生成AIが依存や障害をもたらしやすい
- 生成AIの問題を回避しやすい指導方法:リフレクティブジャーナル、インタビュー(コスト大きくない?)
2024/09/07
Meyer, K. (2003). Face-to-face versus threaded discussions: The role of time and higher-order thinking. Journal of Asynchronous Learning Networks, 7, 55-65.
- 大学院生を対象に、対面での議論とスレッドでの議論の経験を振り返ってまとめた研究。
- スレッドでの議論は、高次の思考を促す可能性がある。
- スレッド議論は、時間を要する=内容を振り返る時間が増える
- 対面議論は、即時性にメリットがある
- →よってどちらの形式にも良さがある=教員は両者をうまく組み合わせて使える
2024/09/06
Five Ways to Engage Students outside of the Online Classroom
- 「もし憲法の権利をひとつ変えられるとしたら、それは何ですか?権利を追加しますか?権利をなくしますか?権利を改正しますか?どのように変え、その結果どうなりますか?」
- 学生は対話をして説明する。掲示板議論も可能。
- 授業内容に関連したゲストに対して学生がインタビューする
- オンラインでサービスラーニング:友人、隣人、同級生に行動を呼びかける内容を作り、3週間で行動させるところまで実行する。
https://www.facultyfocus.com/articles/effective-teaching-strategies/five-ways-to-engage-students-outside-of-the-online-classroom/
2024/09/05
Onozuka, Ryo, Mika Igarashi, and Yoshihiro Hara. (2024) "Concept Collapse of “Active Learning” in Japan: Mixed Analysis of Newspaper Articles." The International Journal of Interdisciplinary Educational Studies 19 (2): 81-102.
- アクティブラーニングを巡る誤用問題
- 溝上:講義を聞く学習を超えるあらゆる活動を伴う学習=書く、話す、発表する+そこで起こる認知過程の外化
- Bonwell and Eison (1991):
- 学習者は聞く以上のことに関与する。
- 情報を伝達することに重点を置かず、学習者の能力を伸ばすことに重点を置く。
- 学習者は高次の思考(分析、総合、評価)に取り組む。
- 学習者は活動(例:読む、議論する、書く)に取り組む。
- 学習者の態度や価値観の探求に重点を置く。
- アクティブ・ラーニングの解釈は拡大するどころか、普及の初期段階から縮小していた。
- 研究者がわかりやすい定義を作ってこなかったため。
- 下位概念化が現場での混乱を招いた。
2024/09/04
de Jong, S., Kantimm, W. (2024) Do professional staff in universities really challenge academic norms? A perspective from the Netherlands. High Educ.
- 専門職員は市場規範が強いのか?特に民間を経験した人ほど強いのか?
- アンケートデータで実証分析、確かに民間経験は多少市場規範を強めるが、一般に専門職員もアカデミック規範が強い
- Professional Staffとは?:学位保持者、学内基盤の維持・更新を専門的に担う者
- 実際、NPM改革は、民間出身者が大学に入れるドライブになっている
- →PSは大学と外部環境をつなぐ仲介者・ゲートキーパーと捉えると、より深い組織変革につながる
- RQ
- (1)専門職員の市場論理は、民間企業での過去の職務経験によってどの程度形成されているのか?
- (2) 専門職員の市場論理は、現在の職務における民間企業との関係によってどの程度形成されているのか?
- (3) 専門職員の (a) 民間企業での過去の職務経験と (b) 民間企業との関係および市場論理は、学術関係者および学術指導者との関係によってどの程度影響を受けているのか?
- 研究の理論的背景は、制度ロジックモデル
- ビジネス開発、研究政策アドバイザー、助成金アドバイザーの3職種を対象に調査
- いずれも民間経験がある、民間経験の強さ、民間とのつながりに差がある(=変数がばらつく)、N=124
- 変数:
2024/09/03
Kallo, J., Välimaa, J. (2024) Anticipatory governance in government: the case of Finnish higher education. High Educ.
- 予期的ガバナンス・予見的ガバナンス;予期は事前に能力を行使するという意味
- 重要な出来事に先駆けて変化を察知して実行する
- もともと技術開発に伴うリスクをシナリオプランニングで管理するためのガバナンス
- 予見的な実践が予見的なガバナンスを支える=偶発的な将来の状態にコンテンツを提供できる←未来を創造するための現在の政策行動
2024/09/02
Elken, M., Borlaug, S.B. (2024) Implementation of ambiguous governance instruments in higher education. High Educ 88, 1111–1126.
- 問い:組織は曖昧な運営手段にどのように対応するのか?
- 政策実施の分析=
- トップダウン:政策目標と実施プロセスの一貫性を重視
- ボトムアップ:実施プロセスにおけるミクロレベルの文脈上の柔軟性の重要性を重視
- 政策プロセスには本質的な曖昧さが含まれており、実施された政策は採択された政策とは異なる
- →曖昧さの度合いが重要な決定要因
- or→曖昧さをどのように管理しているか?を問う
- 欧州の大学組織改革:規制緩和・新たな運営形態・自律性の強化
- →規制緩和と市場依存は成果につながらない
- →現在は2面性=制度の自主性と規制緩和を強調する改革+国家が積極的なプレーヤーとして参入
- 規制緩和=個性の開発を期待→実際は類型化→政府が個性を演出
- 高等教育機関=高度に制度化された組織=根本的変化や急激な変化は困難
- 政策は大学内にどう変化をもたらすのか?
- (1)政策と実践のデカップリング:つまり粉飾決算 ←State?
- (2)翻訳(編集):外部刺激を翻案して内部の実践に接合する ←Dynamics?
- 文書分析とインタビューで、質と差別化、プロフィール、分業、リーダーシップという4つの曖昧な政策への対応を分析。
- 主題分析でコード化:包括的コーディングカテゴリ=省庁との対話および連絡、高等教育機関内での協定の導入、協定と戦略およびその他の運営手段との関係、内部の反応および協定のフォローアップ方法、目標・パラメータ・指標・新しいタイプのデータ/情報の開発ニーズ、多様化および差別化に対する認識効果、ガバナンス・運営に対する認識効果、プロファイリングに対する認識効果
- 目標が総括的だと指標も明確、目標がプロセス志向だと翻訳作業が多くなる
- 政策は、既存の業績ベースの運営システムを保管するに過ぎない=組織自体は変化しない⇔政策が新しさをもたらし、機関がそれを利用して戦略的に行動する
- →実際はこの2つの共存→だから期間ごとに対応がばらつく
2024/09/01
堀口悟郎(2024)「研究室設置義務と学問の自由」『岡山大学法学会雑誌』74(1), 87-106
- 憲法学にお いて,学問の自由は,大学設置者が使用者として有する諸権能からの自由を 含むと解されている。
- 憲法が市民的自由に加えて学問の自由という特別な自由を保障した理由:他人からサラリーをもらって,使用人,公務員として,教育研究に従事せざるをえない立場にある研究者の研究教育を大学設置者の雇主としての諸権能による干渉,統制から守る,というところに主眼がある。
- 一般権力主体としての国家権力からの自由だけでなく大学設置者の諸権能からの自由をも含む。
2024/08/02
Fredrik Hillberg Jarl (2024) The impact of leadership on the workplace learning of individuals and teams: a literature review and synthesis, Learning Organization
- リーダーはどのように職場の学習を促進できるのか?に関するレビュー
- 個人の学習の促進
- ロールモデル行動:模範を示せ
- 関係構築支援:メンバーの学習や行動に信頼を示す・励ます⇔信頼しない・職場にいない
- 意味の交渉:学習とは個人の意味と感覚の統合→リーダーが学習内容に意味づけを与える
- チームの学習の促進
- ロールモデル行動:個人への影響と同じ
- TLC(チームリーダーコーチング):個人とチームの学習に効果的、リーダーが学習を重視すると個人もチームも学習に取り組む(ただし、チームの場合メンバーの構成に影響される)
2024/08/01
Bruce Macfarlane, Richard Bolden, Richard Watermeyer (2024) Three perspectives on leadership in higher education: traditionalist, reformist, pragmatist, Higher Education
- 高等教育におけるリーダーシップをどう捉えればよいか?
- 伝統主義:新自由主義的なビジネス慣行が大学のリーダーシップや経営に持ち込まれたことで、学問の自治が損なわれた
- 大学には固有の文化があるため、他セクターからの経営慣行の導入は問題という立場
- NPMは同僚性や学問の自治を損ねている
- 改革主義:社会正義の観点から歴史的に発言力の弱かったグループの参加を含め、より民主的で包括的なリーダーシップのスタイルを主張
- 特に上位職者のスタイルに焦点化→その後、創造的・協働的アプローチへ移行する=集団的・分散型・共有型・システム型リーダーシップ
- 特にサーバントリーダーシップは注目される:自主性、自己決定、学習者中心教授法と密接に関連
- 平等や多様性と並列して論じられる傾向
- パイプライン理論=男性優位の職業における女性の増加が、女性が上級職に昇進することでより平等につながるという理論
- →現実は違う:漏れパイプライン=女性がサービスに不釣り合いなほど従事している、女性が上位職に就けていない
- 障害者のリーダーシップを論じた研究は皆無
- 実利主義:あらゆるレベルの大学における効果的なリーダーシップに必要な能力・スキル・適性を特定
- 管理統制と学問の自由のバランスをとるアプローチをすべきと提案
- 以前はマネジャーだったのになぜリーダーなのか?
2024/07/31
Asal Aghaz, Alireza Sheikh, Soroush Dehghan Salmasi, Asra Tarighian (2023) How faculty members' organizational citizenship behaviours can be predicted by their personality traits: The moderating role of perceived university brand, Higher Education Quarterly
- OCB:裁量性があり、公式な報酬システムによって直接または明示的に認められていないが、全体として組織の有効な機能性を促進する個人の行動(Organ 1988)
- メンバーの役割外行動と組織パフォーマンスの関係のこと
- 外部のインセンティブなしに、組織文化・協力的雰囲気を向上させる
- OCBの5つの要素への発展(Organ 2014)
- 利他主義:特定のタスクを遂行したり、特定の問題を解決したりするために、個人が他者に対して行う支援行動
- 勤勉性:出勤や規則の順守など、通常の業務遂行の範囲を超える裁量的行動
- スポーツマンシップ:従業員が不満を漏らさずに好ましくない状況に耐える意欲
- 礼儀正しさ:他者との仕事上の問題を回避するための裁量的行動
- 市民的美徳:従業員が組織の生活に参加し、妥当な関心を持つこと
- OCBの2分類
- OCBI=他者に対する行動と、OCBO=組織に対する行動
- 非営利組織はOCBOの多面的枠組みが必要
- OCBの先行要因
- 個人差:性格、情動
- 職務差:仕事満足、組織アイデンティティ、公正さの認識
- 態度差:献身、誠実さ、前向き感情
- 12項目のOCBスケールで調査して、多変量回帰
2024/07/06
阿部公彦(2023)『事務に踊る人々』講談社
- グレーバーのブルシットジョブ:なぜなくならないのか?=BJに従事していることが権力を維持する装置として機能しているから
- 実際にはクソどうでもいいどころか、ないと困る
- 夏目漱石の見た近代化:実質的には西洋化、このなる文化のものを持ち込むことで近代化は不自然に進められた。
- 梅禎忠夫の事務:事務とは現場におけるモノ・コトの流れを管理するために、それに対応するところのシンボルの流れを作り出し、それを操作すること
- 流れは事務のダイナミックな側面を捉えたもの
- シンボルの流れを統制・管理することで、人は現実を管理する
- 統制・管理のためには形が守られないといけない
- アスペルガーはなぜ認知されたのか?:社会の中でそうした認知を可能にする文脈が醸成されたため
- 発達障害は注意のコントロールをめぐる障害
- 注意力の大小よりも、社会の多数派が要請するような規範に則った注意の向け方ができないだけ
- 人は日常生活の中で「共同注意」を使っている
2024/07/05
藪下遊(2024)『「叱らない」が子どもを苦しめる』
- 不登校児に登校刺激を与えず、ゆっくり休ませるはなぜ効果的か?:学校に行くべきという価値観を強く内在化しているため
- ネガティブな自分を認められないために、状況を回避している場合は、ゆっくり休ませる方針の選択は再考が必要
- サリバン(1953):自動機の子どもが身につけるべきは、協力、競争、妥協
- 学校で一斉教育を行う、他者と同じことをすることは、個性を損なうことではない
- 個性はそんなに簡単に損なわれない、個性は他の人と同じことをしていてもにじみ出てしまうもの
- バランスが重要:個性を尊重するあまり集団への調和を軽視してもいけない
- 問題が改善した姿=弱くてダメなところのある自分と、弱点のないきれいな自分を示された時に、弱くてダメな自分を選択できる状態
2024/07/04
山内祐平・池尻良平・澄川靖信(2024)『EdTechで創る未来の探究学習』明治図書
- 探究とは、学習者が物事を発見すること。
- 本書の探究学習:物事の本質を発見しようとする一連の学習活動
- 探究学習のフレームワーク(Pedasteほか 2015)
- 本書の探究学習モデル

- 正解のついてるデータを教師データと呼ぶ
- 問いづくりの授業案
- 探究における問いづくりの解説(スライド15分)
- 自分の興味のある問い・キーワード書き出し(ワークシート15分)
- ウェブ検索ですぐ答えが見つからない問い・オープンエンドな問いに修正(ブラウザ20分)
- 自分の問いと関連する学術用語を調べる(AI 35分)
- 学術用語の視点をふまえた高度な問いに推敲(AI 15分)
- 歴史を探究する際はWhy・How型の問いがよい
- (すぐ答えが見つからない=あいまい語で作ってる?:なぜアメリカは「強大な」国になったのか?←強大があいまいですぐ答えが出ないワード)
- なぜ=原因を分析する視点を作る:経済力の視点→なぜアメリカに多くのお金が集中したのか?
- どのように=出来事を分析する視点:どのように日本は近代化したのか?→東洋と西洋の視点→日本と西洋で近代化はどのように違ったのか?
- AIプロンプト:歴史上の格差が発生する原因について調べたいと思っています。格差と関連する歴史の学術用語を教えてください。
- 問いがなぜ大事なのかを丁寧に説明する
- 生徒の多くは、テストの影響で問いは与えられるものと思っている。そこでは常に推敲された問いが用意されている。自分で問いを推敲する機会がない。
- 探究学習で文献調査をする場合は、他の人が同じように文献を収集できるよう収集方法を公開する。
- 従来:読み・書き・そろばん→デジタル時代:数理・データサイエンス・AI
- 探究成果の発表は、外部・下の学年に行う(同学年だけ・形式的は、次の問いにつながらない)
- なぜ問いづくりは難しいか?:学習者の興味関心・生活経験に根ざしている→問うてみたいという個人的な文脈と、探究によって新しい知見を他者にもたらすという社会的な文脈を同時に満たす必要があるから
2024/07/03
河本薫(2013)『会社を変える分析の力』講談社現代新書2218
- データ分析の目的:意思決定に役立つ
- データ分析とは、データから問題を解明するプロセスを表す言葉
- データ分析がされれば意思決定に反映されるか?2つの壁がある
- 費用対効果の壁:分析結果をビジネスに導入する場合に必要な費用
- 心理的な壁:熟練者の判断を置き換える際の担当者の抵抗
- 分析者は2つの壁を先読みして乗り越える必要がある
- 分析モデルを作るとは、分析モデルで何を捨てているかを念頭に置いて結果を解釈する必要がある
- ビッグデータの本質:部分計測から全数計測(サンプリングから母集団)
- これは、因果関係の探究から相関関係への探究に分析の方向を変える
- 全数がそろっているなら、挙動のパターンを直接理解すればよい
- とはいえ、ビッグデータは必要なデータがそろっていることがない、因果関係は分からないという特徴に留意
- データ分析でビジネスを変える3ステップ
- 課題を見つける
- 課題を解く
- 解を使わせる
- バックオフィス型分析者は解くだけ、フォワード型分析者は全部やる
- 分析者は完璧主義者が多い=細かく解きすぎる、小さく解きすぎるに注意
- 入手できるデータが限られていると、小さく解く傾向にある
- 分析では絶対にミスをしない覚悟が必要
- 外れを甘く見るのは、外れを想像する力が欠けているから
- 分析結果をなぜ使えないか?結果を頭で理解しても半信半疑だから+変化の着手が面倒だから
- 分析者の責任は正しい数字を作ること:数字は一人歩きするから
- ←その数字にどこまで責任をとれるかを自問せよ
- データからパターンを発見したら、それが真実か錯覚かを問え(数字遊びをするな)
- KKDの良さは、明確な根拠がなくても判断を下せること
- ←データ分析とKKDは相補的なもの、KKDに敬意を払え
- 意思決定者は問題をあいまいにしか把握でいないままデータ分析を依頼してくる
- →意思決定者と一緒に問題を具体化することに努める
- 分析報告で専門用語を使わずに説明すること(理解度が引く人ほど専門用語でごまかす)
2024/07/02
矢野眞和(2023)『今に生きる学生時代の学びとは』玉川大学出版部
- 大学教育は役に立っていない:2つの説
- 隠蔽説:機能的に役に立っているのに効果が隠蔽されている(役に立たない思い込み文化)
- 陰謀説:役に立っていないのに、役立つよう喧伝する
- 大卒ホワイトカラーが一人前になるのは、どの国でも30歳から(30歳社会的成人説)(吉本 2004)
- 大学卒業から30歳までの期間が日本は長い。短い国と比較して、卒業直後の有用性は低いがその後の経験を通して有用性が高まる
- 個別の大学を採り上げれば、その範囲で学び習慣仮説は成り立っている
- 政策科学のアウトプット・アウトカム
- アウトプット=内部システムの最終結果
- アウトカム=アウトプットが外部システムに与える影響の総体
- 個人レベル
- アウトプット=教育システム内で身についた学力・規範
- アウトカム=卒業後の人生に与える影響(働き方・所得・仕事満足度・健康)
- なのに、今は学習成果をラーニングアウトカムという
- ラーニングアウトカムは固定的でなく、社会に開かれているべき(学習者に期待される内容を誰が決めるかという問いをオープンにする)
- 成功に大切なのは採用や知能よりグリット
- やり抜く力の測定法(ダックワース 2016):情熱と粘り強さの5因子
- 粘り強さ
- 私は挫折してもめげない、簡単にあきらめない
- 私は努力家だ
- いとど始めたことは必ずやり遂げる
- 私は勤勉だ、絶対にあきらめない
- 重要な課題を克服するために、挫折を乗り越えた経験がある
- KJ法:既成概念にとらわれずに現場の声を吸い上げて組み立てる(既成概念で分類するなら何のために言葉を収集したのか分からない)
- 経済学と社会政策の対立思考
- 経済学=価格を媒介にして、お金を払ってでも手に入れたい欲望に資源を配分する市場メカニズムを理論化する
- 社会政策=価格ではなく選挙による立法府を媒介にして、好ましい社会の必要に資源を割り当てる官僚的ルールを設計するプロセスを理論化する
- 市場と政府の2つの社会装置に、私的ニーズを満たす社会的ネットワークを加えれば、社会問題の所在を理解しやすくなる
2024/06/21
水本徳明(2016)「教職大学院での学習を通じた現職院生の組織認識の変容」『大学研究』3, 42-50
- 組織の変容に着目するのは、組織の動態においてパラダイムが重要であるため
- リーダー育成≠マネジメントスキル:組織成員や組織に関する認識を問うべき
- 人は自分が信じていることを押しつけた世界を作り、その世界を見ることで物事の意味を作り出す(ワイク)
- つまり、リーダーには自分が信じていることの柔軟性、自分が信じることからの解放が必要
- 授業の受講前後での認識を調査
- 調査項目:教職員、学校組織、リーダーシップの3つの捉え方
- 結果
- 教職員:外面的→内面への着目と多様性の承認
- 組織:静態的→多様な個人の相互行為という動態
- リーダーシップ:校長は牽引リーダー→多様な主体の多様なリーダーシップ
2024/04/06
Mazzone, A., Karakolidis, A., Pitsia, V., Freeney, Y., & O’Higgins Norman, J. (2023). Witnessing bullying at work: Employee silence in higher education institutions. Higher Education Quarterly, 00, 1–16.
- 職場のいじめ問題
- Conservation of Resources Theory
- ストレスフルな出来事に直面する→認知的・情緒的リソースを保存しようとする→仕事でリソースを失う→メンタルヘルス問題を起こす(うつ・燃え尽き)→リソース浪費を避け、ウェルビーイングの保持に努める行動をとる→メンバーは沈黙することで認知的・情緒的・金銭的資源の保全戦略をとる
- Learned Helplessness Theory
- 人はネガティブな出来事を前にしてコントロールできない感覚を持つと、その出来事自体が永続的なものと捉える傾向がある→それがどうにもできない感をもたらす→このどうにもできない感はやる気を削ぎ、ネガティブな出来事を変えたり避けたりする行動を継続不能にする→これは認知的な劣勢となり、個人は将来の出来事をコントロール不能なものと考えるようになる→ネガティブな出来事に対してやりすごす新たな戦略学ぼうとする機会を逃してしまう
2024/04/04
Fleming, P. & Harley. B. (2023) Collegiality as Control? How Uncounted Work Gets Done in the Neoliberal Business School, Academy of Management Learning & Education, 23(1),
- Barker(1993) :concertive control=いったん組織レベルで漠然とした価値観が確立されると、協和的統制は水平的に(メンバー間に)、マネジャーが規定しない非公式労働を含む生産的行動を引き出す。(ただし、垂直的な管理は消えない。)
- →縦=数値的規律化、横=協調的統制 → 鉄の檻
- 鉄の檻の時に、水平的なネガティブ面が現れる:ケア活動
- 組織の縦と横は別のロジックで動いている。
- 問題解決を、数値化の拒否や同僚性の拒否にしてはいけない。
- より多く数えることで問題解決する。
- 日常的なものであっても、意思決定のための意見を述べる機会を活用すべき(面倒でも議論しようということでよいのか?)
- 統制としての同僚性:なぜ教員はカウントされない(昇進にもつながらない)仕事をするのか?
- 同僚性とは?
- 特定の学問分野を発展させるという使命を共有する専門家の独立した共同体(教員は従業員ではなく、自己統治する仲間の集団)
- 個人の職業的自律性(アカデミックフリーダム)=個人の目標や活動の多様性を同期させるメカニズムとして機能
- 学部や全学レベルの参加型かつ集団的な意思決定を伴う(意味ある議論とコンセンサスが前提)=意思決定が各部門に委譲されている
- 組織市民性=礼節、相互尊重、機関内外の研究者間の支援といった規範が優位を占めていること
- これらは、監査文化(数値化文化)と敵対する。
2024/01/25
金口恭久(2006)「ドイツにおける私立大学設置の動向」『大学評価・学位研究』4, 17-35
- 類型分類
- 大学大綱法(基本法):伝統型大学、教育大学、芸術大学、専門大学、その他
- 連邦学術研究省:伝統型大学、教育大学、神学大学、芸術大学、専門大学、行政専門大学
- 学長会議:伝統型大学、専門大学、芸術大学
- 設置者
- 州立大学、教会立大学、私立大学
- 進学率約30%(進学者平均年齢22.1歳)
- 定員=施設面積に対する標準定員
- 希望者は受け入れる原則から、実際は定員以上が在籍
- → 「中央学籍配分」(全公立大学定員を一括管理):伝統大学(経営、生物、医、薬、心理、獣、歯)、NRW伝統大学(+地理、教育等)・専門大学の3つで実施
- 私立設置の地理的な偏りがある
- 旧東ドイツ5州にはほとんどない
- 設置は州の権限、大都市でもない地域あり(ミュンヘン等)
- 言語文化、法・経済・社会科学、自然科学が多い、工学・医学は少数
- 伝統型の私立
- 経営学多い(分野限定)、経営大学院あり、学位はディプロム・マギスターでなくバチェラー
- 専門の私立
- 経営学多い、次にコンピュータ・工学、バチェラー多い、遠隔多い
- なぜ私立が増えたか?
- 既存の大学では時代の変化・社会要請に対応できない
- 新設でも学習内容で評価される(MBAをとれば待遇上がる)=州立に入れなかったではなく、積極的に私立を選べる
- 財政的な不安定性が弱点、州立は無料・私立は授業料高額
- 教員は教育を丁寧にするため研究が弱くなる
- 外国人学生への依存が高い
- ボローニャプロセスの脅威
- 州立大学の改革が進むと私立の長所がなくなる
2024/01/22
French, S, Dickerson, A. & Mulder, R. (2023) A review of the benefits and drawbacks of high‐stakes final examinations in higher education, Higher Education,
- 大学教育での試験の問題は十分検討されていない
- 期末試験は広く使われているのに、エビデンスや教育の視点が弱い。
- 主な2つの問題
- 評価方法の多様性が損なわれる:学生の知識・能力を多免停に理解する必要がある
- 総括的評価に偏りすぎ:フィードバックを犠牲にしてカリキュラムを支配する
- 既存文献のスコープレビューを実施→コーディング→7テーマを抽出
- (1)記憶再生・保持
- 試験は記憶保持が向上する ← 期末より直後の小テストの方が定着が高い
- 定着が早く終わることも問題
- (2)モチベーションと学習
- 表面的な学習戦略をとらせる
- (3)真正性・社会的レリバンス
- 社会では事実の再生よりも、コミュニケーション、批判的思考などが重要
- フィードバックが受動的、失敗から学べるものが少ない
- (4)妥当性・信頼性
- 妥当性の検討は義務ではない、実際にされることもない
- (5)不正行為
- エッセイ形式は、剽窃問題が深刻
- (6)ストレスや不安
- ストレスを高めるという指摘もあるが、それが学習成果を下げないという議論もあり、未確定
- (7)公平性・公正性
- 試験は公平というが裏付けがない。性別でのパフォーマンスの差がある。
- 試験重視の風潮は、エビデンスに乏しい。
2024/01/15
Dehon, C. & Lebouteiller, L. (2024) A comparison between two systems of university education: years of study versus credit accumulation, Education Economics
- ベルギーの年次制から単位累積制への移行のインパクト検証
- 学士課程3年生:1年=60ECTS
- 年次制=単位を全て習得できない→その年次全体を再履修
- 単位累積制=履修科目に年次がつかない、15/60単位不合格→次の学期の合格科目で15単位を埋め合わせられる(?)
- より楽になる、不合格科目があっても継続しやすい、不合格が累積すると意欲が下がる
- 累積制の導入で、学移植特確率は下がった(なぜ?)、不合格単位が累積すると、学習の年次が広がるため意欲が低下しやすい(年次制だと他の専攻へ移動するので卒業しやすくなる?)
2024/01/08
Wilkesmann, U. & Wagner, O. (2024) Theoretical and empirical approach to how a professorship is organized in the German higher education system and how the organizational process works, Higher Education
- 組織と教員=マクロとミクロ→研究ユニット=中間組織
- →中間組織は重要な調整レベルなのか?
- 組織の5基準:メンバーシップ、ヒエラルキー、ルール、モニタリング、サンクション(Ahrne & Brunsson 2011)
- 講座=大学の組織単位(ドイツ・オーストリア・スイス)=教授職はチームマネジャー
- 1976年に法的には廃止されている
- 教授は終身雇用の公務員、教授以外は原則任期付き
- 英米型の博士課程はまれ、博士学生は研究助手として雇用され、研究・教育を徒弟で学ぶ
- 質的調査
- (1)20名の教授(女性10名)、(2)上の教授のチームスタッフ→内容分析
- 大学が特殊な組織である理由=(1)ユニットが疎結合、(2)教育・研究の技術が不明確(Musselin 2007)
- 「組織的行為性」=説明責任、目標の定義、形式的構造の精緻化、管理職の台頭の4つが特徴的
- →「組織のアクター化」(Hasse & Krucken 2013)=大学の階層化、自治弱体化、管理職の意思決定者化 ← NPMで教化された
- ↑ 目標を内部で実行する内部構造が必要なはず=それこそが講座
- 組織の5基準で教授職の思考を考察する
- メンバーシップ
- 公式の契約は大学と行われるが、雇用・解雇・更新の決定は教授が行う
- メンバーシップを決める公式ルールは明確だが、意思決定プロセスは非公式である
- ヒエラルキー
- 階層の程度は講座の規模次第
- リーダーシップ行動トランスフォーメーショナルよりトランザクショナル(=業績で契約を更新するか否か)
- ルール
- 著者の順序など、内面化された社会規範はモチベーションを維持するために必要
- モニタリング
- 社会的モニタリング(相互監視)が組織の重要な機能←教授は講座内の問題(違反など)に気づかない
- しかし、仕事量は厳密に測定できないので、監視能力は高くない
- サンクション
- 制裁を決定するのは教授のみ
- 全ての重要なプロセスは下位組織内で行われる、それらを管理・調整するのが教授職
- ドイツの大学が全体的にフラットである=実際の仕事がかなり階層的である
2024/01/06
松下佳代・前田秀樹・田中孝平(2022)『対話型論証ですすめる探究ワーク』勁草書房
- 論題には3つのタイプがある
- 事実論題=事実の有無・真偽を議論の対象とする(日本で原発が最も多いのは福井県である)
- 価値論題=価値判断を議論の対象とする(地球温暖化対策には原発の活用が大切である)
- 政策論題=行動や政策の是非を議論する(原発を廃止すべきである)
- 政策論題は、事実論題と価値論題の双方が多層的に含まれる構造がある
- コロナ禍の教育格差拡大を食い止めるには、オンライン授業を徹底させるべきだ
- →事実:高校生の間に教育格差がある、教育格差拡大にはオンライン授業が有効
- →価値:高校生の教育格差は重大な問題だ、オンライン授業は対面授業よりも優れている
- 問題・課題・問いの関係
- 問題=ある対象や状況についての問題意識やその背景のこと。そこから設定した課 題や問いを包含する。
- 課題=疑問だ、解決すべきだ、知りたいと思う問題の領域や具体的な事柄。
- 問い=課題の粒度を小さくした問い。そのなかで探究上の問いをリサーチクエスチョンという。
- →問題=貧困をなくそう→課題=貧困層への社会保障制度の拡充、貧困国への交際支援の拡充、貧困層の医療の不平等、→問い=住む地域の経済的な豊かさによって受けられる医療に差が生まれている現状をどのように解決すればよいだろうか?
- 課題は、踏み込んで探究したいと思う領域や具体的な事柄を指す。課題は、現状と理想のギャップから見つけるとよい
- 問いは、視点を変える(5W1H)・規模を変えるの2つで作る
- リサーチクエスチョンは、なぜ→どうなっているのか→なぜ、でつくる。
- 仮説を立てる
- 仮説を思いつくように文献を読む(メウロコ、ハゲドウ、ナツイカ、ハゲパツ)
- 仮説のうち、根拠や対立する主張への反駁を通じて正当化されたものが主張(仮説が主張になるのは、論拠で正当化された後)
- 論拠・理由づけのタイプ
- 因果関係:事実=原発付近で奇形の花が生じた、論拠=放射線を受けると動植物に奇形が生じることがある、主張=この花は原発事故によるものだ
- アナロジー:事実=Aは性質Pをもつ、論拠=AとBは類似している、主張=Bも性質Pをもつだろう
- 規範:事実=死刑を執行することは罪を償う機会を奪う、論拠=何人といえども、罪を償う機会を奪ってはならない、主張=刑制度は廃止すべきだ
- 権威:事実=XはPと主張している、論拠=XはPに関して信頼できる専門家である、主張= Pは正しい
- 結論の形
- 事実論題=XはAである
- 価値論題=Aはよい
- 政策論題=Aを行うべきだ
2024/01/02
斎藤有吾(2019)『大学教育における高次の統合的な能力の評価』東信堂
- 客観的評価か主観的評価かどうかは、評価の際に、評価者の主観が混入し、それによって結果が左右さるかどうかであり、評価データが量的か質的かということではない。
- エビデンスをもとに評価していれば、学生の自己評価・ピア評価も直接評価になる
- 新しい能力概念(松下 2010)のカテゴリー
- (1)基本的な認知能力
- (2)高次の認知能力(批判的思考・問題解決・創造性・意思決定・分析的思考・表現力)
- (3)対人関係能力
- (4)人格特性・態度
- 1+3+4=統合的な能力=自ら課題を設定し、自己の既有知識や周囲のリソースを選択して活用し、課題の解決を図る
- 本書では、2と統合的な能力を「高次の統合的な能力」と呼ぶ
- パフォーマンス評価の特徴(松下 2010)
- (1)パフォーマンスを実際に行わせてそれを直接評価するは評価の直接性
- (2)パフォーマンスが具体的な状況の中で可視化され、解釈されるパフォーマンスの文脈性
- (3)それ以上分割すると本来の質を失う、ひとまとまりのパフォーマンスを行わせるパフォーマンスの複合性
- (4)そうした質の評価のために評価基準と複数の専門家の鑑識眼を必要とする、評価の分析性と間主観性
- 2つのルーブリック
- 全体的ルーブリック:パフォーマンス全体をひとまとまりのものとして捉える=総括的評価に有効
- 分析的ルーブリック:1つのパフォーマンスを複数の観点で捉える=形成的評価に有効
- 真正な評価:信頼性を多少不問にしても妥当性を確保することが重要という考えに基づいている
- 学生調査や標準テストのみで、大学の文脈に沿った高次の統合的な能力を捉えることは困難
- ⇔ コースレベルでは、質的評価は形成的評価の側面が強い
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