斎藤有吾(2019)『大学教育における高次の統合的な能力の評価』東信堂
- 客観的評価か主観的評価かどうかは、評価の際に、評価者の主観が混入し、それによって結果が左右さるかどうかであり、評価データが量的か質的かということではない。
- エビデンスをもとに評価していれば、学生の自己評価・ピア評価も直接評価になる
- 新しい能力概念(松下 2010)のカテゴリー
- (1)基本的な認知能力
- (2)高次の認知能力(批判的思考・問題解決・創造性・意思決定・分析的思考・表現力)
- (3)対人関係能力
- (4)人格特性・態度
- 1+3+4=統合的な能力=自ら課題を設定し、自己の既有知識や周囲のリソースを選択して活用し、課題の解決を図る
- 本書では、2と統合的な能力を「高次の統合的な能力」と呼ぶ
- パフォーマンス評価の特徴(松下 2010)
- (1)パフォーマンスを実際に行わせてそれを直接評価するは評価の直接性
- (2)パフォーマンスが具体的な状況の中で可視化され、解釈されるパフォーマンスの文脈性
- (3)それ以上分割すると本来の質を失う、ひとまとまりのパフォーマンスを行わせるパフォーマンスの複合性
- (4)そうした質の評価のために評価基準と複数の専門家の鑑識眼を必要とする、評価の分析性と間主観性
- 2つのルーブリック
- 全体的ルーブリック:パフォーマンス全体をひとまとまりのものとして捉える=総括的評価に有効
- 分析的ルーブリック:1つのパフォーマンスを複数の観点で捉える=形成的評価に有効
- 真正な評価:信頼性を多少不問にしても妥当性を確保することが重要という考えに基づいている
- 学生調査や標準テストのみで、大学の文脈に沿った高次の統合的な能力を捉えることは困難
- ⇔ コースレベルでは、質的評価は形成的評価の側面が強い