- なぜ学校的成功を勝ちうる者が上層階級の子弟に多いのか?
- 文化的再生産と文化移動
- ブルデュー:家族,親などから遺贈されてくる文化資本
- ディマジオ:本人が自ら経験し,学習し,情報を収集し,つくり上げる知識,信条,ハビトゥス
- 日本の生徒指導哲学=努力主義=自助万能主義
- 本来人間に能力差などなく,アチーヴメントの高い生徒は努力した生徒,低い生徒は努力を怠った生徒,怠け者の生徒
- 「学校的成功」を可能にする文化資本には正統の文化がある
- 古典的・人文的な知の基盤、芸術、西欧文化中心
- ←日本ではそこまで一元化できない=日本文化と西欧文化の二元化
- 有力大学卒業・大企業ホワイトカラー・管理職・専門職な=文化エリート:なぜ日本では文化的平等神話が広がり,文化的再生産は隠蔽されるのか?
- 日本は大衆文化が強いから⇔フランス支配階級は大衆文化になじまないことで卓越かを図る
- 日本は上層階級も文化的雑食性(omunivore)(パチンコ、麻雀、プロ野球)
小澤浩明(2022)「権力と正統性に対抗する文化資本の可能性」『教育社会学研究』110, 25-46
- ハビトゥス=文化資本、経済資本、社会関係資本→なぜ研究関心はハビトゥスでなく文化資本に集中するのか?
- メリトクラシーイデオロギー:社会階層の低い者でも教育さえ受ければ出世できるという民衆の社会移動の欲求と密接に関連していた教育の機会均等や社会移動を支持するイデオロギー
- 階級関係の再生産の問題を諸個人の世代移動の問題に還元してしまう
- 生まれつきの才能のイデオロギー:学校で優秀な成績を収めることができるのは,学生自身の「生まれつきの能力」によるものだと承認させるイデオロギー
- 社会的・文化的差異や不平等を隠蔽する力として作用
荒牧草平(2022)「日本社会における学歴再生産とブルデューの社会学理論」『教育社会学研究』110, 47-67
- 学歴は制度化された文化資本:文化資本概念には含まれない
- →身体化された文化資本の指標=文化的実践に注目する=クラシック音楽、言語能力
- 客体化された文化資本の指標=書籍・文化財の所有
- 学歴再生産過程における文化資本の媒介効果の検証
- 親学歴・階級:O→親文化資本:C1→子文化資本:C2→子学歴:E これが基本の分析枠組
- 2タイプの調査
- 文化資本の相続は何らかの形で行われているが、日本では文化資本と経済資本が密接に結びついて所有される→文化資本のみの相続ではない
- 学歴達成は総資本量の影響を受けるが、本人の成績・教育的地位志向が強く影響する
- 教育地位志向=日本では明確な対象へ向かう性向=偏差値⇔芸術や音楽の趣味のような曖昧で複雑な隠された秩序や価値序列に基づくものではない
- この点でブルデューが考えたハビトゥスが家庭と学校で長い時間をかけて形成される点と違う
磯直樹(2022)「ブルデュー派階級分析の理論と方法」『教育社会学研究』110, 91-113
- 文化資本=支配と不平等に文化がどう関わるかを分析するための概念
- 社会空間が軸となる概念:階級構造に近いが、社会階級は実在せず、社会空間が実在する。差異の空間に諸階級がいる状態。
- ブルデュー自身も時期によって概念の揺れがあるので、各年代のテキストを正確に読むことが必要:完成段階は「ディスタンクシオン」
- 文化資本の三様態:身体化された様態、客体化された様態、制度化された様態
片岡栄美(2022)「文化的オムニボアとハビトゥス,文化資本」『教育社会学研究』110, 137-166
- テイスト=趣味、界=場、高尚=ハイブラウ、低俗=スノッブ、オムニボア=雑食性
- ハビトゥス+場=実践
- ディスタンクシオン:文化実践・テイストによる生活様式空間と階級構造が密接に結びついていることを示した。
- 趣味が社会的地位のマーカーになる
- 基本概念
- テイスト:ある階級が、分類されかつ分類する様々な対象物や慣習行動のある特定の集合を(物質的にかつ/または象徴的に)所有化する傾向および能力のこと、生活様式の根本にある生成方式
- 生活様式:ハビトゥスの体系的産物
- ハビトゥス:行為の生産原理
- 階級と文化の「相同性」は、音楽、美術、スポーツ、食、政治など多くの異なる「界」で現れる
- 何が高尚で何が低俗かは、階級ごとに異なるテイスト・階級のハビトゥスによって社会的位置と結びつき、形成される。
- かつてのフランス支配階級のテイストは、高尚な正統文化→今は文化のヒエラルキーと社会のヒエラルキーが複雑化したため、その関係は疑問視されている。
- →それが文化的雑食性、折衷主義
