矢野眞和(2023)『今に生きる学生時代の学びとは』玉川大学出版部
- 大学教育は役に立っていない:2つの説
- 隠蔽説:機能的に役に立っているのに効果が隠蔽されている(役に立たない思い込み文化)
- 陰謀説:役に立っていないのに、役立つよう喧伝する
- 大卒ホワイトカラーが一人前になるのは、どの国でも30歳から(30歳社会的成人説)(吉本 2004)
- 大学卒業から30歳までの期間が日本は長い。短い国と比較して、卒業直後の有用性は低いがその後の経験を通して有用性が高まる
- 個別の大学を採り上げれば、その範囲で学び習慣仮説は成り立っている
- 政策科学のアウトプット・アウトカム
- アウトプット=内部システムの最終結果
- アウトカム=アウトプットが外部システムに与える影響の総体
- 個人レベル
- アウトプット=教育システム内で身についた学力・規範
- アウトカム=卒業後の人生に与える影響(働き方・所得・仕事満足度・健康)
- なのに、今は学習成果をラーニングアウトカムという
- ラーニングアウトカムは固定的でなく、社会に開かれているべき(学習者に期待される内容を誰が決めるかという問いをオープンにする)
- 成功に大切なのは採用や知能よりグリット
- やり抜く力の測定法(ダックワース 2016):情熱と粘り強さの5因子
- 粘り強さ
- 私は挫折してもめげない、簡単にあきらめない
- 私は努力家だ
- いとど始めたことは必ずやり遂げる
- 私は勤勉だ、絶対にあきらめない
- 重要な課題を克服するために、挫折を乗り越えた経験がある
- KJ法:既成概念にとらわれずに現場の声を吸い上げて組み立てる(既成概念で分類するなら何のために言葉を収集したのか分からない)
- 経済学と社会政策の対立思考
- 経済学=価格を媒介にして、お金を払ってでも手に入れたい欲望に資源を配分する市場メカニズムを理論化する
- 社会政策=価格ではなく選挙による立法府を媒介にして、好ましい社会の必要に資源を割り当てる官僚的ルールを設計するプロセスを理論化する
- 市場と政府の2つの社会装置に、私的ニーズを満たす社会的ネットワークを加えれば、社会問題の所在を理解しやすくなる