- 外国人教員の統合
- 同化主義(assimilationism):移民が受け入れ国に適応すること←一方的な適応を強調、双方向の相互交流を強調する一般的な議論と矛盾
- 多文化主義(multiculturism):移民の存在を重視することが望ましい←文化的・民族的な側面を強調しすぎ、移民自身の順化と同化の構築過程が不明
- 構造主義(structuralism):雇用や住居といった社会構造の客観的側面を強調←外国人教員の形骸化を説明できない
- Theories of Action(Argyris and Schön 1978)
- 信奉理論(espoused theory):実 践に耐えうると行為者が信じ,実践の場で実行している理論:個人の規範や前提によって構成される
- 使用理論(theory-in-use):人が実践において心から信じ,実際に使う理論
- 日本では「格差」(国際的な内容や視点を統合することによる多様性と、新自由主義的な枠にはめられた学問市場による卓越性)が実践の中で別々に扱われる
- 主に教育活動に携わる教員(ネイティブ教員):より多様性に貢献することが期待される
- 研究教員:卓越性と日本の大学の世界的地位を促進する主体であることが期待される
- ⇔中国や韓国はより単純、日本は複雑、統合の実践が多様になる傾向
- 概念変化研究の始まり:「教えたはずの基本的な内容が正しく理解されていない」
- その原因は、教える前から持っていた知識(=学習者が教育内容を誤解しているのではなく,教える前から持っていた知識が教育によっても変わらない)
- →素朴概念、誤概念、前概念、自然派生的理論、代替的枠組み
- 素朴概念の克服が困難であるなら、どのような条件で概念変化は生じるのか?
- 前概念C1、後概念C2の時、(1)拒否される、(2)丸暗記される、(3)C1がC2に置き換わる、(4)C1にC2が取り込まれる
- 概念変化の4条件:(1)C1に対する不満がある、(2)C2が理解可能(intelligible)である、(3)C2が妥当(plausible)である、(4)C2が生産的(fruitful)である
- ↑への批判:概念が明確に文節化でき、記号で定式化可能、合理性を過大視している、
- 素朴概念には変化しやすいものとしにくいものがある
- 信念(belief)=一文で表せる単一の考え
- 血液に酸素を送るのは心臓である(誤信念)→肺という信念を与えれば概念変化が生じる
- メンタルモデル=個別の信念が組織化されたもの
- メンタルモデルの修正を転換(transformation)と呼ぶ
- テキスト=一文一文は信念レベル→学習者が統合してモデルと理解する必要がある→信念修正の積み重ねで転換が生じる(メンタルモデルを構成する重要な誤信念が修正されるかに依存)
- カテゴリー:実態、プロセス、心的状態の3つ
- 別の枝のカテゴリーは排他的な関係(人工物と生物の場合、動かすことができる、動くことができるは全く別)
- 垂直方向の分類は上位カテゴリーに分類する限り誤りが生じない
- 水平方向に異なるカテゴリーへ入れることがある→本来対象が持たない属性を付与してしまう→分類し直す(カテゴリーシフト)はかなり困難な学習を伴う
- 断片的知識(knowledge in pieces):人間の知識は断片的だ、個々の知識はかなり単純な内容しか表していない→複雑な認知や行動が可能なのは,断片的な知識が組み合わされて用いられるため
- 「知識の組み合わせ方」が重要
- 公式を知識として教えることは難しくない→具体的な状況で正しく適用させたり、現象に対して大まかな解釈や説明をさせるのは困難→直観的理解はどのようなメカニズムで行われるのか?
- 物理学習の単純な知識=p-prim(phenomenological-primitives)、現象の観察に基づく
- 人は現象を見ると関連するp-primを呼び出す
- 呼び出しの優先度(呼び出されないものも、置き換わるのではなく残っている)
- 信頼性の優先度:呼び出されたp-primを使うかどうかを決める
- これら2つの優先度で推論がコントロールされる、優先度は文脈に依存する
- 重要な示唆:(1)個々のp-primについて正しい・誤りは意味がない、(2)素朴概念も科学的概念も、同じようなp-primを含んでいる、(3)科学的概念の獲得は学習の終了を意味しない(概念を正しく獲得しても現象に適用されるには、呼び出しや優先度の変更が不可欠)
- 概念変化研究で学習者特性を考慮していない⇔やる気があっても変化しないのはなぜかが出発点、やる気がないから概念変化しないという説明は概念変化自体を明らかにしない

- 従来のFD=非文脈的で汎用的な教育学的知識やスキルに重点を置きすぎている(=大学教員を単なる学習促進者に位置づけすぎている)
- 大学教員としての成長を学問としての成長と区別して考えてしまう問題
- 大学教員は、一般的な教育学原理を特定の学問的文脈にとって価値があるものとは認識しない可能性
- 教育学やファシリテーション・テクニックへの道具的な焦点は、カリキュラムを構成する知識への注意を犠牲にしてしまう可能性(←大学教員としての役割を担う学識経験者は、個人としてもチームとしても、何を教えるか、どのように教えるかを決定する極めて重要な役割を担っているため)
- →学問的知識が大学教員としてのアカデミックの発展にどのように結びつくのかについて、より深く理解する必要がある
- →学問の専門知識と学力発達の関連性を促進する、より総合的なアプローチを可能にする理論的基盤を提供したい
- 専門家は評判や資格によって識別されるべきではなく、専門家としてのパフォーマンス、すなわちある領域の本質を捉えた代表的なタスクにおける再現可能な優れたパフォーマンスを確立することによって識別されるべきである(Ericsson & Smith, 1991; Ericsson et al., 2018)
- スクリプト:専門家が戦略、意思決定、手順をルーチンの形で自動化すること
- 熟練した大学教員は、講義を開始する際に、何をどのような順序で行うかをガイドするスクリプトを持っているのではないか?⇔ルーチンは年数を経ると更新が難しくなる=ルーチン重視はイノベーションを阻害するリスクになる
- 意図的実践:パフォーマンスの自己改善を目的とした活動を繰り返し実践し、何をどのように改善すればよいかを即座にフィードバックすること
- expert performance perspective:大学教員の能力開発を支援するためには、大学教員が何を開発しなければならないかを理解することが重要
- 46のフレームワークを分析・統合→大学教員には6つの相互に関連する課題がある:「教授と学習支援」「教育デザイン」「評価とフィードバック」「教育指導と管理」「教育学と研究」「専門性開発」
- ↑ただし焦点の狭さが批判されている:(1)複雑な専門領域を代表せず、客観的なパフォーマンス基準を持つ安定したタスクに焦点を当てる傾向がある、(2)個人とタスクのパフォーマンスに分析の単位を絞ることで、エキスパート・パフォーマンス研究は、専門性の獲得に及ぼす社会的・文化的文脈の影響や、何をもって専門性とみなすかを見落としている、(3)知識が何かについて考えていない
- →Adaptive expertise研究へ
- 教師の知識研究
- Pedagogical content knowledge:特定のトピックをどのように教えるか、
- ただし、シュルマンは、カリキュラムで何を扱うか、いつ扱うか、カリキュラムの中で他の教師が教えていることとどのように関連するかに関する知識を重視していない
- Powerful knowledge:「生徒にとって価値ある知識とは何か」に焦点化
- 社会的実在論:あるテーマや学問分野の概念的・理論的知識は、非理論的知識や日常的な経験とは区別される(このような概念的・理論的知識が「強力な知識」)←自然界や社会界、そしてそれがどうあるべきかという社会的な対話へのアクセスを提供するからパワフル
- 学習者が何を知るべきかではなく、学習者が何ができるようになるかという観点からカリキュラムを規定する戦略はダメ、「学習者が何かを専門的にできるようになったとき、学習者が知らなければならないことは何か?」を問うべき
- 生徒に教える知識は教師にとって「与えられたもの」と考えるべきではなく、むしろ教師によって積極的に選択され、提示され、配列されるもの→カリキュラムに含めるべき価値ある分野知識とは何か、なぜそうするのか、という点の重要性を強調する(なのに、学問的知識がカリキュラムに変換されるプロセスは注目されない)
- 適応的知識(Adaptive expertise, Hatano & Inagaki 1984)
- 適応的専門知識⇔日常的専門知識
- 適応的な専門家=不慣れな状況でも比較的高いレベルで遂行できる
- 日常的な専門家=慣れ親しんだタスクを高い有効性と効率性で遂行できる
- 教職は揮発性の高い専門領域
- 何を教えるべきか、なぜ教えるべきか、特定のトピックをどのように教えるべきかに関する知識は、教師の適応的専門知識にとって重要な抽象的知識の一種
- 実践的知識:行動指向で、人や状況に縛られた暗黙知と定義(実践における教師の行動を導く知識を記述するために開発された)
- 知識がどのように解釈され、統合されるかについては、生徒、教科、指導に関する信念が重要な役割を果たす
- ある学問分野において何が価値ある知識とみなされるのか、またそれはなぜなのかについての教師の知識は、教育実践における教師の行動を導く知識基盤の一部と考えることができ、特に生徒に何を教えるかについての決定に関連する
- FD実践の3側面
- FD目的に、教員の専門的知識への接続という目的を明示的に含めることが重要(「教育学的内容知識」「強力な知識」「適応的専門知識」「実践的知識」の概念が目的の明確化に有用)
- 教員の学習と開発に焦点を当てたFDデザインが必要
- FDの組織化を検討すべき