2016/09/02

ウィルソン,J.・ジャン,L.(吉田新一郎訳)(2004)『「考える力」はこうしてつける』新評論


  • 振り返りは,改善するための方法を考えること。
  • 振り返りやメタ認知能力の向上を図る重要性を認識するのであれば,教師と生徒たちの間における人間関係と力関係は変わる必要が出てくる。
  • 効果的に考える人ができること:
    • 判断,状況に合った適切な方法を述べる,自己評価,自分の目標設定,目標に向かう行動。
  • 振り返りができる人ができること:
    • 過去・現在の考えと,予想される将来のことを結びつけて考える,
    • 質問や自問ができる,
    • 自分自身や状況を評価できる。
  • テーマや発表時の方法など,可能なかぎり生徒たちが選択できるようにする。人には多様な得意・不得意があり,ある程度の選択を与えることが重要。
  • 単元を計画する際に,鍵となる質問を用意する。これは,養いたい鍵となる概念と関係する。
  • 振り返りとメタ認知能力を伸ばすための方法:学習日誌,概念図,質問,自問,交渉,自己評価
  • 交渉:自分たちの学びの決定に生徒自身が関わること,その学びはなぜ重要かという決定をする。交渉は,自分たちの学びに責任をもつ自立的な学習者を育てるのに役立つ。
    • 交渉に必要な能力:アクティブリスニング,質問,話し合い,思考力。
    • 交渉する内容:教室内の座席・教具・所持品の配置,グループメンバー・時間の使い方・手順などの作業条件,個人やペアの組み方・評価方法・契約方法・記録や評価の方法・テーマ選択などの学びに関すること。
    • 交渉に使われるスキル:アクティブリスニング,質問,話し合い,思考,意思決定,選択,アサーティブな話し方,推論,計画,記録,問題発掘。
    • 年度の始めは,個々のスキルに焦点を当てられるように,与える課題は単純でなければならない。
  • 質問:生徒と教師の両者がすでに知っていることを明らかにし,それを基礎にして新しい考えを築くことを可能にする。
    • 質問の種類:閉じた質問,開かれた質問,飾り的な質問(答えを期待しない質問:考えることはどんなことですか?)。
    • 質問の宛先:個人,全体,生徒によって考え出された質問。
    • 質問をつくり出す活動:
      • 立ち止まって尋ねる:何でもいいから思いつくままに質問を考える。
      • 読んでから尋ねる:読んだ内容についてお互いに質問しあう。
      • 秤にかける:クラスを3グループに分け,異なる視点を持って読んだり観察させる。ある立場,反対の立場,2グループへの質問の3つにわける。
      • 他人の立場になる:扱うテーマを異なる視点から見ることを奨励する(イギリス人が来たときのオーストラリア先住民だったらあなたはどんな気持ちがしますか?)。
      • プラス・マイナス・面白い事実:考えるべき質問に3つをリストアップする(学校教育が義務教育でなかったらどうか?)。
      • 質問をつくる:答えが与えられて質問をつくる(答えは,2 3/4です,答えは虫歯を防ぐです)。
      • 難しい質問をしてください:答えや質問を調べる方法を話し合う,興味や関心を持っていることについて発見する(人はどうやってつくられたのか?異なる言語はどうやってつくられたのか?)
      • 創造的な質問=量・変化・予測・視点・個人的な関わり・比較・価値観に関する質問。
  • 学習日誌:生徒が自分の学びの過程や内容について,個人的な反応,疑問,気持ち,考え,知識などを記録する日誌。
    • 日々の活動を記録する日記や,情報や勉強したことを記録するノートではない。
    • 学びの経験や活動を単に詳しく物語ったり説明するのではなく,生徒たちに自分の学びを確認,分析,振り返ることが含まれる。
    • 日誌を書くための問いかけ:自分たちが理解していることは何か?,課題のねらいは何か?,学びの効果はどうか?,使った方法は効果的か?
    • 日誌を使う理由:自分が知っていることを書く,予想を書く,学んだことについて考える,質問をする,情報を組み立てる。
    • 日誌作成のサポート:鍵となる質問か焦点を提供する。
  • 概念図の教え方
    • それは何ですか?それはどういう意味ですか?:概念図をつくるきっかけを提供する。
    • どの言葉が最も重要だと思いますか?これらの言葉を分類するとどうなりますか?:実際につくる。
    • 少ない言葉で,一人でつくる → クラス全体でつくる。
  • なぜあえて自己評価やグループ評価をするのか?:
    • 自己評価は振り返りを促進し,生徒たちに自分の学びに関するより大きな責任と動機づけを提供するため。
  • 思考力は,自然に身につくものではない。教えられて初めて身につく。
    • 振り返りとメタ認知能力を養うための単一解はない。
    • 生徒や教師たちが自分たちの学びや思考を理解したり,モニターしたり,責任をもって行動できるようになるための方法はたくさんある。
  • 重要なチャレンジ:生徒たちが学びたくなるような状況をつくり出すこと。
    • 自立的な学習者を育てるための重要な要因のチェックリスト