2016/09/15

水田健輔(2010)「国立大学法人化の評価と環境変化に対する対応」『国立大学法人化後の経営・財務の実態に関する研究』国立大学財務・経営センター研究報告第12号,第2部第5章,43-55


  • 組織・環境相互作用を説明するパラダイム
    • 実証主義:環境が組織に影響を及ぼす普遍原理があると仮定
      • 個体群生態学理論(適者生存)
      • コンティンジェンシー理論(環境変化の度合いに応じて組織は最適な特徴を持つ)
      • 資源依存理論(組織は特定の外部主体への資源依存を避けて自己決定能力を守る)
      • 不規則変換モデル(random transformation)(合理的な説明ができない変化が起きる)
    • 社会構築主義
      • 制度理論(社会的文化的枠組みに順応して自身の正当性を構成員や外部に主張する)
      • 新制度理論(制度は与件でなく,組織と構成員の行動が制度の源泉になっている)
  • 環境の影響が大・組織の決定力小 → 外部環境を無抵抗に受け入れるしかない(個体群生態学理論)
  • コンティンジェンシー理論を経て,環境の影響小・組織の決定力大の資源依存理論へ変化する。
  • → 国立大学法人化がこのルートで説明できる。
  • 制度の3つの柱:
    • 規制的:国立大学に無条件に適用される制度
    • 規範的:高等教育アクセス保障(低学費),先端的研究(社会的期待)→ 中期目標で恥をかかないような行動を選択
    • 文化認知的:競争的資金獲得のインセンティブシステム,任期付き教員拡大
  • 調査データによる分析:
    • 国立大学は自己決定力に自信をつけつつある(自校有利度がプラス変化)。
    • ただし,総合大学がリーダー,単科大学がフォロワー。