西郡大(2009)「大学入学者選抜における公平性・公正性の再考」『クオリティ・エデュケーション』2,119-136
- 受験する:明治40年頃に頻繁に使用され始める → 大正時代:受験競争の激化が社会問題になり受験地獄という言葉が生まれる(竹内 1991)。
- 戦後の共通試験:進学適性検査(1949-1954),能研テスト(1963-1968),共通一次試験(1979-1989),大学入試センター試験 (1990-)
- 公平性の確保・適切な能力の判定・下級学校への悪影響の排除のどれに重きを置くかという試行錯誤の繰り返し。
- 選抜手続きの公平性:合否の結果に対して納得するための根拠の1つ。
- ⇔ 選抜方法の多様化 = 公平な手続きによる選抜は不可能になった。
- 受験生の認識:多様な選抜方法の並存には不満あり。⇔ 自分が経験した選抜手続きは公正だったと認識。複雑な心境。
- 公平:ある分配状態の妥当性,ある決定の実質的適切さを表す。
- 公正:分配や決定の過程や手続きの正当さを強調する概念。(大渕 2004)→ 実際はほぼ同義語。
- 分配的公正(Distributive Justice):
- 報酬や資源の分配に対して人々が知覚する公正判断のメカニズムを扱う。
- 大きく3つ:均等原理(全員に均等分配,Equality Principle),衡平原理(能力や業績に応じて分配,Equity Principle),必要性原理(複数合格者より1校合格を優先など,Need Principle)。
- 公正さの判断には,相対的な比較可能な他社の存在が想定されている。
- Adams:投入と成果が同じになることが公正
- 満点者はボーダー合格者との間で不公正を認知,ボーダー不合格者は0点の不合格者との間で不公正を認知。→ 大学入試では手続き的公正に。
- 手続き的公正(Procedural Justice):
- 構造的要因(物事の決定あるいは報酬分配手続きの構造に注目)
- コントロール理論:面接で形式的な回答しか許さない VS 自分のアピールを自由にできる → 後者の方が公正な扱いと認識。
- 6つの基準:一貫性,偏りのなさ,正確さ,修正可能性,代表制,倫理性
- 職務関連性:選考基準が職務と関連しているか。職務が数学なら,数学的能力が評価されることが妥当と感じる。
- 社会的要因(決定手続きに影響力を持つ人物を問題にする)
- 「対的な公平性ではなく,もう少し柔軟にこれをとらえ,合理的に許容される範囲の中での公平性という考え方に転換していくことが必要(大学審議会 2000)」