太田肇(1993)『プロフェッショナルと組織―組織と個人の「間接的統合」』同文舘出版
- 方法論的個人主義:個人の態度や行動に焦点をあて,そこから個人を取り巻く社会や組織を説明しようとする=心理学での認知的アプローチ。
- プロフェッションとは
- Carr-Saunders=Wilson (1933):長期の教育訓練で得られる専門化された知識技術の保有,能力テストと倫理規範の維持を目的とする職業団体の組織,サービスに対する報酬が一定で,利益でなく謝礼・給料 ⇒ 法曹。
- Wilensky (1964):長期の教育訓練で獲得される体系的に知識に基づく専門的技術(≠科学的)であること,一連の道徳的規範を信奉すること。
- Greenwood (1957):体系的な理論,プロフェッショナルとしての権威,コミュニティの承認,倫理的規範,プロフェッショナルの文化
- 専門職組織=病院,大学 ⇔ 企業などの非専門職組織 → もう少しゆるやかなプロフェッション基準が必要=組織内専門職=建築士,技師,科学者,デザイナー
- 特定の組織内でのみ価値を持つ能力=スペシャリスト
- Gouldner:専門職のアイデンティティの2分類=コスモポリタン,ローカル
- 期待理論(モチベーションの過程理論の1つ):個人の努力を喚起するモチベーションは,主観的な価値(報酬・成果の個人的価値=自己実現欲求)と主観的な可能性(努力が報酬につながる期待)の積と考える。
- 組織・社会と個人の交換関係
- ノンプロフェッショナルは,個人は組織に最大限の貢献をし,組織は個人に低次・高次の欲求充足を行う=最適基準
- プロフェッショナルは,個人は組織に対して必要な範囲で貢献し,組織は個人に低次欲求の充足と,高次欲求充足の条件を提示する=満足基準。一方,個人は専門家集団に最大限の貢献を行い,高次欲求の充足を得る=最適基準。
- プロフェッショナル取り込みの抵抗モデル
- 取り込みの度合いを横軸,相手に対する依存度を縦軸にすると,個人は右上がり,組織は右下がりの関係があり,均衡点で取り込み度合いが決まる。
- プロフェッショナルが労働市場で優位であるほど=代替的選択肢の数が多いほど,組織要求に従わなくなる。(March=Simon 1958)
- Kornhauser (1962):プロフェッショナルは,官僚制組織とプロフェッショナル規範との間で葛藤を経験することを明らかにした(プロフェッショナル規範の維持には自治が不可欠)。
- 組織と個人の直接的統合:個人は組織の目的のために貢献することで自己目的を達成し,組織はそれを可能にする構造を備えた管理を行うことで組織目的を達成する。
- プロフェッショナルは,自己実現,尊厳・自尊の高次欲求の充足場所は組織内部に限定されず,組織に限定的にコミットする。
- 間接的統合:短期的・直接的には組織目的と一致しないプロフェッショナルの志向に基づく活動を,長期的・間接的な貢献も含めて組織の利益に結びつけること=組織と個人の関係をオープンシステムで捉える。→ 組織・仕事・個人 ⇔ 組織・個人(直接的統合)