Betina Szkudlarek and Mats Alvesson, (2024) Doing Silence: How Silence Is Produced in Meetings. Academy of Management Learning & Education, 23(2), 304–324
- 組織における沈黙はどのように生み出されるのか?
- 本来自由な発言が奨励され、能力も高いはずの大学教員集団なのに
- 従来の説明
- 恐怖と無意味さ
- ↑ 専門職集団はこれだけで説明できない
- 非公式な場では機能不全を口にするのに、公式会議では黙る
- なぜ沈黙が選択されるのか?
- 18名のテニュア教員インタビュー、ビジネススクール教員
- 複雑な個人レベルの動機がある
- 日和見主義(Opportunism):組織の利益より、個人の昇任・論文出版を優先するため
- 便宜主義(Convenience):議論の参加は時間と労力がかかる無駄なこと、波風たたない楽な方を好むため
- 無能力感(Ineptitude):発言することは特別な能力を持つリーダーの役割であり、自分にはその能力・資質がないと思い込むため
- 分離感(Detachment):組織の問題は自分事でないとして、関与を避ける態度。自分の期待値を下げることで、不満に対処する。
- 沈黙を生み出す多次元プロセスがある
- 沈黙は、積極的に選択して実行される、社会的プロセスである
- 背景要因:組織の構造(官僚制)、文化(コミュニティ欠如)、個人動機(上の4動機)が相互に作用する
- 沈黙への傾倒:相互作用の結果、沈黙は仕方ないと正当化する内的思考、陰口という外的行動につながる
- 状況的実践と定着:会議の場でみんな黙っていることを経験・観察し、沈黙が当たり前という規範が学習され、組織内に定着する
- 再生産サイクル:沈黙が定着し、再度、組織の構造・文化、個人動機に影響し、サイクルを再生産する
- どう対応するか?
- 個人の意識改革:自分が再生産に関わっていることを自覚し、発言すること、発言者を支持することを実践する
- 会議の再設計:会議を情報伝達でなく、参加者の声を引き出す場として再設計する
- 専門職教育:大学院段階から、組織の一員としての責任・倫理を学ぶ