2018/11/19

佐藤郁哉(2018)「大学教育の「PDCA 化」をめぐる創造的誤解と破滅的誤解(第2部)」『同志社商学』70(2),31-88


  • PDCAが2000年前後から行政関連文書に登場した背景:行政部門の効率化・活性化をはかる上できわめて有効な民間企業における経営理念・手法であると見なされていたから。
  • 「十分な PDCA サイクルの不足」=PDCAサイクルが,その相対的な多寡を何らかの方法によって測定できるものと想定。
  • 2008学士課程答申:内部質保証が初めて登場,しかし解説・定義がされない。→大学評価ハンドブックで「内部質保証とは,PDCA サイクル等の方法を適切に機能させることによって,質の向上を図り,教育・学習その他のサービスが一定水準にあることを大学自らの責任で説明・証明していく学内の恒常的・継続的プロセスのことをいう。→ その中でのPDCAの解説:「経営学で言われてきたPDCAサイクル」← しかし,経営学でPDCAサイクルは重要な用語として定着していない(経営用語ではある)。
  • 制度的要請(圧力)への対応は2つ:脱連結(やり過ごし・面従腹背)と被植民地化(黙従・過剰同調)。
  • 教育・研究に関してPDCA管理は無意味 → PdCa(実行と改善は伴わないが,計画と評価の作文だけは素晴らしい)
  • 創造的誤解:理想的な状況を描いたものを手本に日本に根付かせる。
  • 破滅的誤解:統計的品質管理(デミング)→PDCAサイクル
  • NPMに含まれる矛盾:現場に大幅な裁量権を認める⇔現場を中央集権的に統制する → 混乱を生んでいる&マイクロマネジメントになりやすい。
  • PDCAはポンチ絵映えするため魅力的⇔現場は経営ごっこの小道具でしかないと見抜いている。
  • PDCAの禁止語化とポンチ絵禁止をすべき。