中原淳・中村和彦(2018)『組織開発の探究』ダイヤモンド社
- 組織開発の定義:定まっていない
- 計画的で、組織全体を対象にした、トップによって管理された、組織の効率性と健全さの向上のための努力であり、行動科学の知識を用いて組織プロセスに計画的に介入することで実現される(Beckhard 1969)。
- 組織の問題解決過程や、再生過程を改善するための継続的な努力である。その特徴は、とりわけ行動科学のセオリーやテクノロジーの助けを借りて、組織文化を効率的かつ協働的なものにしていくことを通して、目的を達成することである(French & Bell 1973)。
- → 計画的な変更、行動科学の知識を用いる、組織の中で起こるプロセスを対象にする、組織が適応し革新する力を高める。
- → 風呂敷:輪郭や境界が曖昧で、多様なものを包摂する。
- → (1)組織をworkさせる(成果を出せる)意図的な働きかけ、(2)多様化時代に求心力を働かせる、(3)組織問題の見える化・真剣な対話・今後を一同で決める3ステップで理解する。
- ガチ対話=一同に集まる(one time)、1つの話題(one topic)、全員テーブルにつく(one table)。
- → 組織開発には多様な立場があり、あらかじめ固定された考えに縛られること自体が非組織開発的。
- 組織開発の5段階実践モデル
- エントリーと心理的契約:キーマンと出会い、問題をヒアリング。目的・役割・スケジュールを合意。
- プロジェクトデザインと準備
- フィードバックによる対話:データをフィードバックして、メンバー間の対話を促す。
- アクション計画・実施:問題の真因を特定し、解決プランを実行する。
- 評価
- 組織開発の3層モデル
- 哲学的基盤:
- 経験と学習の理論(デューイ)
- 現象学(今ここの価値観)(フッサール):科学的事実より主観性
- 精神分析学(フロイト):無意識の中の抑圧(=氷山)を対話で顕在化させる
- 集団精神療法:
- モレノの心理劇:抑圧は語るのではなく、グループの前で演じる。演じた後にグループで振り返る。監督(セラピスト)が演技と振り返りをコントロールする。(役割交換、代弁などを使う)。
- パールズのゲシュタルト療法:ゲシュタルト=形、全体性、簡潔性、統合性。エンプティチェア(ホットシート)を使い、空席に向かって語りかける。
- 独自手法の発展
- 経営学的基盤:テイラーの科学的管理法、メイヨーの人間関係論(ホーソン実験)、バーナードの組織論(組織システム論=内部要素の公式・非公式の相互作用)
- 独自手法:
- Tグループ(レヴィン):ラボラトリー方式の体験学習。話題・課題が決まっていないグループセッションをして、状況をコンテント(何を話しているか)とプロセス(どのように話しているか)で捉える。
- → アクションリサーチ、組織変革の3段階モデル(解凍・変化・再凍結)(=不安がある限り変化できない)、グループと組織のダイナミクス研究の基盤(リッカートのシステム4理論)の3つの発明につながる。
- エンカウンターグループ(ロジャーズ):Tグループ=対人関係の改善、エンカウンター=個人の改善を目指す
- 組織開発の誕生と発展:
- ブランドチェンジ、プロセスコンサルテーション:コンサルがクライアントに介入するタイプの開発
- 診断型組織開発などのコンサル改良型、チェンジマネジメントなどの非コンサル型(コッターの8段階モデル)へ。
- ジョハリの窓は、解放領域が広がり、盲点と隠された領域が狭まるときに気づきが得られる。