2018/11/09

保田直美(2014)「学校への新しい専門職の配置と教師役割」『教育学研究』81(1),1-13


  • 専門職システム論(Abbott 1988):近接する複数の専門職を、ここの職務に対する管轄権を巡って相互作用する1つのシステムとして捉える。
    • 専門職が公的なメディア、法的な議論、職場の折衝の中で、競争的な主張を行うことで確立される。
    • 確立されても、永続的・完全でないため、近接する専門職は相互作用のシステムを作る。
    • システム内のある専門職の職務管轄権が変化すると、他のそれにも影響する。
  • 専門職は仕事環境を完全にコントロールできない=専門的に不純な仕事が含まれる → 仕事をルーチンとそれ以外に分ける → ルーチンを専門職の中の下位部門・他専門職へ委譲する動きが起きる。
  • 管轄権を確保する中で、一部がゲートキーパーの役割を果たすことで、排除と周辺化のプロセスを作る。
  • 小学校の事例:
    • SSWが「教員も知識を持てはできる」として専門性を強調しない(難易度の高いケースには介入)。→ ケース会議・カンファレンスシート作成を教員がやることとされる。SSWは教員のアセスメントに大きな問題はないと主張する。職務を独占し、聖域化しないことで、職務を委譲している。
    • 日常性を重視することで、委譲された職務を遂行できる(シートに書き込む内容は専門的でなくてよい・カンファレンスは聞いたことなど日常的なことが中心。
    • 教員がピックアップ・振り分けの双方で、ゲートキーパーとして他の専門職よりも強い権限を持っている。他の専門職に任せることは期待されず、日常的に関わることが期待される。
    • 委譲するのはルーチンではなく、高度な専門的判断が要求される部分。残りは日常的な関わりとして、自ら関わる。
  • なぜ教員は教科指導以外を委譲しないのか?
    • 望ましいゲートキーピングを行う上で、日常に関わる情報が重要であるため。