- 受験する:明治40年頃に頻繁に使用され始める → 大正時代:受験競争の激化が社会問題になり受験地獄という言葉が生まれる(竹内 1991)。
- 戦後の共通試験:進学適性検査(1949-1954),能研テスト(1963-1968),共通一次試験(1979-1989),大学入試センター試験 (1990-)
- 公平性の確保・適切な能力の判定・下級学校への悪影響の排除のどれに重きを置くかという試行錯誤の繰り返し。
- 選抜手続きの公平性:合否の結果に対して納得するための根拠の1つ。
- ⇔ 選抜方法の多様化 = 公平な手続きによる選抜は不可能になった。
- 受験生の認識:多様な選抜方法の並存には不満あり。⇔ 自分が経験した選抜手続きは公正だったと認識。複雑な心境。
- 公平:ある分配状態の妥当性,ある決定の実質的適切さを表す。
- 公正:分配や決定の過程や手続きの正当さを強調する概念。(大渕 2004)→ 実際はほぼ同義語。
- 分配的公正(Distributive Justice):
- 報酬や資源の分配に対して人々が知覚する公正判断のメカニズムを扱う。
- 大きく3つ:均等原理(全員に均等分配,Equality Principle),衡平原理(能力や業績に応じて分配,Equity Principle),必要性原理(複数合格者より1校合格を優先など,Need Principle)。
- 公正さの判断には,相対的な比較可能な他社の存在が想定されている。
- Adams:投入と成果が同じになることが公正
- 満点者はボーダー合格者との間で不公正を認知,ボーダー不合格者は0点の不合格者との間で不公正を認知。→ 大学入試では手続き的公正に。
- 手続き的公正(Procedural Justice):
- 構造的要因(物事の決定あるいは報酬分配手続きの構造に注目)
- コントロール理論:面接で形式的な回答しか許さない VS 自分のアピールを自由にできる → 後者の方が公正な扱いと認識。
- 6つの基準:一貫性,偏りのなさ,正確さ,修正可能性,代表制,倫理性
- 職務関連性:選考基準が職務と関連しているか。職務が数学なら,数学的能力が評価されることが妥当と感じる。
- 社会的要因(決定手続きに影響力を持つ人物を問題にする)
- 「対的な公平性ではなく,もう少し柔軟にこれをとらえ,合理的に許容される範囲の中での公平性という考え方に転換していくことが必要(大学審議会 2000)」
2016/09/30
西郡大(2009)「大学入学者選抜における公平性・公正性の再考」『クオリティ・エデュケーション』2,119-136
2016/09/29
東俊之(2004)「制度派組織論の新展開 : 制度派組織論と組織変革の関係性を中心に」『京都マネジメント・レビュー』6,81-97
- 非連続的組織変革論:環境不確実性の高い状況下での大規模で抜本的な変革
- 制度:複数の関連しあう役割が統合されてつくられた役割の複合体。
- 制度は社会内部の個人がある行為を行うばあいに,社会的に認知され確立された標準的な行為の様式であり,個人の行為を規制する。このように公式に承認された役割期待のルールにしたがって形成された具体的な行為の様式は,それが社会の規範的秩序として確立されるとそれは制度体になる。
- → 今の企業の活動は社会によって支持されることが必要不可欠。
- 制度派組織論:制度的環境から正統性を確保することで組織は安定する。
- 環境の変化が比較的緩やかにおこり,またその環境から正統性を受けることが組織存続のための必要条件である。
- 組織が環境変化に対して能動的に行動する存在とは考えられていない。
- 組織はすべて制度的環境に埋めこまれているという基本的仮定から出発し,組織構造や組織成果は制度的環境の影響を受け,組織は制度的環境から正当性を確保し,,社会的支持を得る限りで存続可能になると考える。制度派組織論では,制度的環境は,制度に制約を与える存在でもあり,同時に組織の活動を正統化し活性化する存在でもある。
- ⇔ 不確実性の高い環境で,環境変化を先取りした組織変革がつねに求められている。
- 60年代の組織研究:オープン・システムとしての組織の研究
- コンティンジェンシー理論:技術や規模市場といった技術的要因と組織構造との関係に注目。
- 制度派組織論:社会に広く浸透している価値や規範といった文化的要因と組織との関係に注目。(Selznick=旧制度派組織論,DiMaggio & Powell=新制度派組織論)。
- 旧制度派組織論:組織と制度を区別
- ある特定の仕事をするために考案された合理的機械としての組織。
- 社会的に必要な圧力によって生まれた反応性・順応性を持った有機体としての制度。
- → 組織が制度となることによって,社会的に存在理由を認められる。このプロセスが制度化(institutionalization)。← 3段階
- 組織(=フォーマル体系=技術的・合理的・非人格的・課業志向的体型)は個人や集団の反応的相互作用によって条件付けられている。
- 時間がたつと,反応的相互作用が型にはまる(社会構造が生み出される)。この型は歴史的で,特定の組織の特殊な経験を反映。
- 組織は価値を注入されたとき(単に道具としてでなく,直接的な個人的欲求充足の源泉として,また集団的完全性の媒体として重宝視されるとき)制度となる。
- → 組織が制度へと変化する制度化のプロセスに影響を及ぼすことがリーダーシップの本質。
- 新制度派組織論:制度的環境(社会に広く認知されている価値や規範といった文化的要因)によって組織構造が規定される。
- 組織の公式構造は,組織の持つ合理性によって意図的に形成されるものではなく,社会から正統性を確保するために,「制度的ルール」への適合を目指した結果として形成される(Meyer & Rowan)。
- 制度的ルール:典型(typification)や解釈(interpretations)が交換されることによって社会につくられた類型(=神話)。
- → 官僚制を導入するのは,それが機能的だから選択されるのではなく,官僚制を導入することで機能的になるという神話があり,それに適応するために選択される。
- 組織の環境適応を,技術的環境から社会全体の価値・規範・思考基準の次元まで広げた精緻化が貢献。
- 一方で,実践的含意が薄い:制度的プレッシャーへの反応は受動的で,裁量の余地がない。(視点がマクロなのでミクロなインプリが薄い。)
- 組織変革の仮説(Greenwood & Vinings)=マクロ視点とミクロ視点の統合
- 変革の特性:
- 制度に引き出された模範によって組織は構造化される。
- ある模範から別の模範への抜本的変革は,制度的コンテクストの中にある組織の規範的埋め込みが問題となる(部分的変革はより日常的に起こる)。
- 制度的コンテクスト内の組織の規範的埋め込みが強力であればあるほど,変革は進化的よりも革命的。
- カップリングによる違い:
- タイト:抜本的変革は珍しいが,変革が起これば革命的になる。
- ルース:抜本的変革は,タイトよりも一般で,変革は進化的に起こる。
- 境界による違い(制度フィールドは他のフィールドよりも閉鎖的):
- 不浸透性の制度フィールド:抜本的変革は低い割合でしか起こらない → ペースが革命的
- 浸透的なフィールド:進化的変革
- 抜本的変革のダイナミクス(制度的圧力による同型化へのダイナミクス):
- ダイナミクスの促進段階:関心と価値コミットメントが重要。
- 価値コミットメントが競争型(現状満足と代替手段模索グループに分かれる)か改善型(全グループが代替手段を模索)なら抜本的変革。関心への不満が生じると抜本的変革。
- 改善型は革命的変革,競争型は進化的変革に関係。
- ダイナミクスの実践段階:抜本的変革はパワー依存と行動のための能力によって起こる。
- 抜本的変革は,価値コミットメントが改善型か競争型で,パワー依存との結合がなければ起こらない。
- 抜本的変革は,価値コミットメントが改善型か競争型で,行動のための能力の十分な授与との結合がなければ起こらない。
- 行動のための能力の高さが革命的変革に関係する。
- 個人が持つ価値の重要性:
- 威圧的なプレッシャーは変革の開始時に重要な役割を果たす。しばらくすると組織メンバーが共有する価値と一致するようになる。この一致がなければ,儀式的一致を見るにすぎず,すぐに元来保持している価値によって元の組織デザインやオペレーションへと逆戻りする。
- 制度環境や市場環境からのプレッシャーのみならず,自らが環境を創造することによって組織変革がもたらされるという側面(イナクトされた環境)を統合する必要がある。
2016/09/28
Spender, J. and Grinyer, P. (1995) "Organizational Renewal: Top Management's Role in a Loosely Coupled System," Human Relations, 48(8) 909-926.
- ここではカップリングの程度に注目する。→ 組織内の組織化力がある組織。
- 停滞的な変化を伴うトップの入れ替えはLC組織ではあまり起こらない。
- トップ万能モデル:漸進的変化 = Tactical,非連続的変化 = Strategic
- 戦略の変更はトップの変更によって行われる。
- しかし,トップダウン改革は不十分,かつ漸進的変化を考慮しない。
- よって,トップの役割は,スムーズな変化を促進する自問を継続的に行うことで,組織横断的な学習を起こすこと。
- Orton and Weick (1990)の指摘:LCを保持する連結力は,単純ではない。
- しかし,なぜ,どのようにその連結力を保持するか(特にトップマネジャーの実践として)については,曖昧にしか述べていない。
- 認知,価値,行為の相互交換に注目することが,この問題へのアプローチの鍵。
- Brown and Duguidのポイントは,非公式で非主流の実践に注目したこと。
- しかも,それは個人の認知だけによるのではなく,集団内の非公式な認知によって促進され,結果として組織全体での学習になったこと。
- つまり,ここでのCoPは,まさにLCシステムを説明するもの。
- → LCは構造とマインドフルアクションの二重システムである。
- CoPはデザインできない,発生するもの。トップの役割は発生を検知してサポートすること。
- LCシステムをつくるトップの役割は,ゴールの共有。
- もう1つの役割は,誠実であり続けること,目的にあわせながらも連結力を保持するオープンな反応を維持すること。(組織をオープンすぎず,クローズすぎずにする。)
- 大きな変革にトップの変更は必要か:常に必要ではないが,それに近い促進要因が必要:オーナーシップの変更,新しいCEO,トップの問題認識,トップの機会の発見など。
- 組織変革モデルは,レシピの採用から始まる。
- このレシピは組織そのものではなく,組織の外部からマネジャーが独立して創造したものでなければならない。
- その源泉は,専門職コミュニティなど。
- トップが組織変革のコントローラであるなら,トップを変えればよいだけだが,実際はそうしたことは行われていない。
- LCシステムは理論で述べられているよりもずっと知的な姿勢を持っている。
- Orton and Weickでは認知的問題を軽視しているが,LCシステムをCoPの異なる一面ととらえることで,境界のマネジメントをより理解できるようになる。
2016/09/27
Orion, D. and Weick, K. (1990) "Loosely Coupled Systems: A Reconceptualization," Academy of Management Review, 15(2), 203-223.
- LCに言及した研究は多いものの,背後にある構造や原理を踏まえたものが少ない。
- Glassman(1973)のLCは,システム間に共通要因が少ない,または共通要因が弱い関係を指した。Weick(1976)では,各要素が反応しながらも独自性と分離が保たれていることをLCとした。その背後は,突発的(非連続的),散発的(非定常的),無視可能(深刻でない),間接的(非直接的),漸進的(即座でない)。
- LCは組織の単純すぎる問題に使われすぎなので,あらためて複雑な問題を解明するものとしてのLCを示す。
- 先行研究は,大きく分けると因果関係,類型化,効果,問題状態,組織の成果の5つに言及するものが多いが,これに注目するうちはLCの背後にある原理を理解できない。
- LCの背後にある考えは,Thompsonの組織形態は内在的な矛盾を調整するよう設計される,を理解しないとむずかしい。
- 合理性と矛盾を扱うには,両者を切り離す必要がある。
- そこでThompsonは,テクニカルコアはクローズド,組織はオープンにして,マネジャーをその仲介にした。
- LCは,2つの矛盾を個別の論理で説明することなく,同時に説明できるものである。
- 結果として,LCはオープンとクローズ,不確定と合理性,自然と意図を同時に持つ組織となる。
- よって,組織内の不確定性だけに注目した研究は,全体を説明できない。
- LCは,どんな組織を対象にしても,テクニカルコアレベルと組織レベルを同時に考察できる。
- 独自性を無視して反応性を扱えば,組織はタイトカップリングになる。反応性を無視して独自性を扱えば,組織はデカップリングになる。
- 両方見るからLCになるという基本を押さえることから始める。
- なぜある組織はLCになるかという研究:3つの理由がある:(手段と目的間の)不確定性による,外部環境の断片化による,内部環境の断片化による。→ LCをデカップリングとしている。
- LCを類型化する研究:個人間,部署間,組織間,階層間,組織と環境の間,アイディア,活動,意図と行為の間の8つに分けられる:これらも,進行中の行為をとらえて弁証法的に解釈したにすぎない。← 静的な主体の行為をとらえることと変わらない(スポーツチーム間のLC,高齢者福祉施設間のLC)。
- LCを管理戦略としての望ましい有効性があるとみる研究:モジュール性,不可欠な要素,裁量度の3つに注目する。
- LCは組織運営上問題であり直す必要があるとみる研究:教育管理の研究に多い:リーダーシップの促進(管理職はオフィスを出て構成員と対面で話す機会を持つべき),特定の問題箇所に注目して解決する,価値観の共有(目的と手段の不一致を価値の共有によって解決する=Cultural Coupling)の3つの研究がある。
- LCは成果につながるという研究:組織の安定性を確保する,問題部分を切り離せる(Buffering),変化に適応できる(Adaptability),仕事の満足度を高める(自己決定度が高い,コンフリクトを避けられる,小グループを維持できるため),効果的である(多様化したグループだと成果が高いなど)の5つの視点がある。
- これらのモデルをまとめると,
- LCの原因 → LCの類型化 → LCの直接効果 → 問題としてのLC ⇒ LCの組織成果
- 5つの立場は潜在変数で,はじめの4つは連続性がある。
- どのように一面性を避けるか。
- LCは自律性(有機的組織)とコネクション(機械的組織)という矛盾するコンセプトを統合する長年の努力の成果。
- Thompsonは2つを統合した。Lawrencen and Lorschはリエゾン・部署横断委員会で部署化を統合した。LCもこの延長線上にある。
- LCは組織の定義を見直す。単一のアクターと見ると指揮系統を強調して要素を過小評価する。要素の集合と定義すると,指揮系統を過小評価する。組織の二重性をそのまま取り入れる。
- LCは組織の流動性,複雑性,社会構築の側面を扱える。
- 要素に分解しない,単純化しない,静的に扱わない。
2016/09/26
Weick, K. (1976) "Educational Organizations as Loosely Coupled Systems," Administrative Science Quarterly, 21(1), 1-19.
- 教育活動は,工業品生産よりも農産物生産のモデルでとらえられる。
- 校長とカウンセラーはある程度結びついているが,お互い独立している。
- カップリングを考える上で,重要な要素は中核的技術と権威の2つ。
- 意図と行為は緩やかに結びついているのに(March & Olsen),プランニングに時間をかけすぎ,プラン通りに行動したかを評価して,何も達成されていないと怒るマネジャーは滑稽。(目的と手段も緩やかに結びついている。)
- 選挙システムは,選ばれたマネジャーが,任期中の個々の問題では反対にあったとしても任期を全うできるというシステム。
- LCシステムは,環境変化をよりよく捉えるセンサーとなる。一部の要素が,システム全体に影響を与えることなく局所的な調整や修正を行える。これは,優れた問題解決方法を多く開発することにつながる。一部の機能不全も,全体に影響しない。
- 行為の結果が曖昧であるなら,その行為の意図が,結果の代理となる。教育にはこうした要素がある。(子供がいい絵本を読む結果はわからないが,大人がいいと思う絵本を与えることは,子供にいい影響を与えると正当化される。)
- LCは従来の研究ではとらえられず,文脈の厚い記述か比較研究で理解される。計画・行動,目的・手段の関係では理解できない。
- 学校組織がLCになるのは,中核的技術によるもの。
2016/09/23
Hatch, M. (2013) "Technology," Organization Theory, Ch.5
- Techneはギリシャ語でスキルやアーティストという意味。この章のテクノロジーは専門知識と理解すべき。
- Modernistは技術が何を生むかを見るが,シンボリック研究は,技術そのものが社会的構築とイナクトメントによってどのように算出されるかに注目する。
- 技術は,監視とコントロールの手段を提供する。
- あらゆる組織は固有の専門知を有する:大学の場合は市民になるための教育する技術。(インプットをアウトプットに変換する技術)。
- 具体的には,苦情の処理,予算策定,レポートの発表なども技術。
- 大学の場合,教育研究の技術(教室・研究室・事務室)にある技術。
- これらはさらに,タスクレベルの技術に分けられる(学生参加の技術や試験作成の技術,研究設計やデータ分析の技術,学生募集や入学手続きの技術)。
- サービスとは,(1)生産と消費が同時に行われる,(2)目に見えない,(3)貯蔵できない特徴がある。
- 技術の3分類
- Woodward:技術の複雑性分類
- 少数一括生産(複雑性小):小SoC,小管理階層,分権的意思決定,有機的組織。大学の教室もここに入る。
- 大量生産(複雑性中):大SoC,集権的意思決定,機械的組織。製造業など。
- 連続生産(複雑性大):少数一括生産と同じ。石油精製プラントなど。
- Thompson:投入・算出の標準化度 × 変換技術の標準化度で分類
- IO標準化度高・変換技術標準化度高 = Long-linked:Woodwardの連続生産にあたる。
- IO標準化度低・変換技術標準化度高 = Mediating:銀行が行う貸し手と借り手の間に入る技術にあたる。
- IO標準化度低・変換技術標準化度低 = Intensive:救急病院や実験研究室の技術にあたる。専門的な技術のコーディネートがもとめら
- IO標準化度高・変換技術標準化度低 = ?
- Perrow:仕事の分析容易度(例外が発生したときにどれだけ所与の対処法があるか) × 仕事の変動性(所与の技術でどれだけ例外が発生するか)で分類
- 分析容易高・変動性低 = Routine技術:事務員の仕事。
- 分析容易低・変動性低 = Craft技術:美容師の仕事。例外が発生したら対応方法を考案する必要がある。
- 分析容易高・変動性高 = Engineering技術:会計士の仕事。例外は多いが専門的知識で対応できる。
- 分析容易低・変動性高 = Non-routine技術:研究者,宇宙飛行士の仕事。
- ルーチン度と技術の複雑性の関係(Wooedward)
- 縦軸:ルーチン低→高,横軸:技術複雑性低→高
- 逆U字のカーブを描く。(アーティスト→職人→製造員→技術者→デザイナー・科学者)。
- 技術の相互依存性による組織設計(Thompson)
- pooled task interdependence:アウトプットが各部門の努力の和になっている技術(大学における各学部など)。→ ルールと手続きの標準化によるコーディネーションが必要。
- sequential task interdependence:Long-linkedと同じ,各部門の連続的な努力がアウトプットになる技術。→ 上に加えて,プランニングとスケジューリングによるコーディネーションが必要。
- reciprocal task interdependence:アウトプットが相互の情報交換に依存する技術(外科手術など)。→ 上に加えて,相互調整によるコーディネーションが必要。
2016/09/22
Hatch, M. (2013) "Organizational Social Structure," Organization Theory, Ch.4
- 組織理論が注目する2つの組織構造:
- 物理的構造:建物,場所,記念物の持つ象徴的な意味
- 社会的構造:人間関係と,その役割や責任
- 社会的構造の起源は,官僚制
- ウェーバーは官僚制を理念上のモデルとして用いた(具体的な組織の望ましい状態を指すために用いたものではない)。
- 官僚制の重要な3要素:分業,権威の階層性,ルールと手続きの標準化
- 分業は効率的・効果的な目標達成のために行われる。分業は部署化につながり,マネジャーは部署を通して管理するので,権威の階層性とも密接な関係がある。
- 権威とは法的な権威であり,通常トップが持つもので,意思決定をする権限を指す。階層は,公式な報告関係を定義するもの。昔は1人に報告する形だったが,現在はデュアルレポーティングが普通になっている。
- 標準化は,書面で示された方針,ハンドブック,職務内容指示書,マニュアル,組織図などを指す。
- 提案された時代は,縁故採用や不当圧力に対する合理的モデルだったが,今では手続き主義,無思考などの弊害がある。
- 組織の社会的構造を測定する指標
- サイズ:従業員数
- 管理職割合
- 部署数:階層の数と部門の数
- 統合:部署横断チーム,連絡窓口などの調整活動の数
- 集権化度:意思決定をトップレベルで行っている度合い
- 標準化度:仕事のルーチンかや標準化の度合い
- 公式化度:ルール,ルーチン,コミュニケーションが文書化されている度合い
- 専門化度:部署の仕事が狭く限定されている度合い
- Positivistの組織構造理論:機械的組織と有機的組織
- どの組織もこの2つの中間にある。
- 階層的管理を強化したり,官僚制が強化されるとイノベーション(柔軟性や創造性)が損なわれる。
- 環境への適応:部署化と統合化の度合いを変えることで行う
- 安定環境:公式化・階層化が進む。
- 環境の不安定化:より関係性を志向するようになる。
- 製造や販売のような部署は,短期の頻繁なフィードバックを要するが,研究開発のような部署は長期のフィードバックを要する。
- 階層や部署が増えると統合の要求が高まる
- 組織的統合の最も共通するメカニズムは階層:公式のレポーティング関係をつくればいい。
- ただし,これだけではいつか破綻が来るので,いずれは有機的組織へ移行しなければならない。
- 2つのインプリケーション:
- 環境が不安定化すると,より部署化や階層化が進む。
- これはどちらも統合化の圧力を高めるが,環境条件で対応が違う。安定環境では,階層と集権化による統合が好まれる。不安定環境では分権化とその共有による統合が好まれる。
- 官僚制は分権化された組織
- 機械的組織は,集権化された組織。官僚制は,高度に公式化されているが,分権化された組織(ルールによって上階層が行う意思決定と同じ意思決定を行うことが下階層で行うよう委譲されているから)。
- ミンツバーグは,組織内外の要請に応じて5つの組織構造を示した。
- 単純組織(初期組織),機械的官僚制(大量生産:ファーストフードなど),プロフェッショナル官僚制(複雑で安定環境:コンサルなど),部門制(複雑で不安定環境:スピンオフなど),アドホクラシー(不安定環境:シンクタンクなど)。
- グレイナーの組織ライフサイクル
- 創業段階→(リーダーシップ危機)→指揮命令段階→(自律性危機)→権限委譲段階→(コントロールの危機)→調整段階→(形式主義の危機)→協働段階→(刷新の危機)→消滅
- 協働段階では,組織構造の質的な変化が求められる。求められるリーダーシップも統合力になる。
- 刷新の危機段階では,任期付きの仕事,二重権威,度重なる実験的試みで心理的な負担が大きくなり,燃え尽き症候群などにマネジャーも従業員も悩むことになる。グレイナーはこの帰結として,組織はなくなるしかないと指摘している。
- オープンシステムモデル:サポート活動(Katz and Kahn)
- コアとなる活動が確立されると,環境とのやりとり(インプット・アウトプット)のために必要なサポート活動が組織される。サポート活動を円滑にするために維持活動(財務,人事,施設)が必要になる。それらを環境に適応させるために適応活動(チップの意思決定,戦略,広報)が組織される。
- シンボリックアプローチ:ルーチンと即興
- ルーチン:構成員が特定の状況下で何をすべきか理解するための手続きや行動
- 即興:ルーチンを変えるためのアイディア
- CoP:部署や権限構造を超えた集まり。これを組織化する方が効率的かについては意見が分かれる。
- フェミニスト組織:現状のルールや手続きは男性に合理的な制度を前提にしている。→フェミニスト官僚制:より公平なルールと分業による組織化ができる。
2016/09/21
大場淳(2011)「大学のガバナンス改革」『名古屋高等教育研究』11,253-272
- ガバナンスの改革は,単純に諸制度を変える話ですまない。
- 多様な関係者間の黙示の合意に基礎を置く非公式な行動規範を含むため(=法令や明文化された規則、正式な議決やその他の決定に基づく権限配分や権利・義務の設定等だけではない。)
- → ガバナンスの非公式な側面,すなわち組織文化の理解が図られた上で、,当該組織文化と組織運営の一連の手順の間に調和が図られていなければならない。
- ガバナンス:意思決定に係る諸々の組織構造やその過程全般。
- 大学の同僚性 → 組織の規模拡大により,構成員全員が 共有できる目的設定や,意思決定過程を明確に系統立てて構築することを困難にした → 変革が不可避に → トロウの運営形態変遷。
- → 非合理性が指摘される:マルチバーシティ,組織化された無秩序,ゴミ箱状態,愚者の技術
- → 組織論者がルースカップリングととらえる。→ 急速な環境変化に組織全体は対応できない。→ 企業的大学へ(Clark 1998)。
- 高等教育の市場化で,大学のガバナンスも市場に対応した企業的なものになった。(マクネイ:同僚性から企業性へ)。
- Sporn(1999):環境変化に適応する大学の特徴:専門的経営,経営的精神,同僚的組織運営,支持的リーダーシップ,多様化された組織,(阻害要因:資源の依存,法的規制,保守的文化,弱い統合,目標と戦略の欠如)。
- 組織文化:組織の構成員間で共有された価値観や信念・行動様式等の総体。
- どの組織にも象徴的側面としての文化がある。
- 構成要素:観念文化,制度文化,行動文化,視聴覚文化
- クラークの分類:学問領域文化,企業文化(この2つが学内文化の根源),専門職文化,制度文化。
- 組織文化を無視した運営体制強化 = 上意下達や過度の経営主義 = 強い抵抗。
- → リーダーシップ,関係構築,信頼が重要。
- リーダーシップは組織文化と表裏一体(相互に影響を与える)。
- 大学ではカリスマリーダーシップは非生産的。
- トップに卓越した人材を置かず,各階層に置くべき(Fullan and Scott 2009)。
- 政策や法人化は,学長の権限拡大や執行部への権限集中の文脈でリーダーシップを議論してきた。
- 学長・学部長調査による権限主体の認識の齟齬
- マクネイの示唆:同僚性→企業性(分権的)
- 国立大学法人化:同僚性→法人性(指示的)
- 自律性が拡大した大学の組織文化変革では,学習を促す教職員開発が重要。
2016/09/20
DiMaggio, P. and Powell, W. (1983) "The iron cage revisited: Institutional isomorphism and collective rationality in organizational fields," American Sociological Review, 48 (2), 147-160.
- 組織はなぜ同型化していくのか。→ 3つの経路がある。(ただし3つは独立とは限らず現実は相互依存。)
- 強制的:組織外からの要請(含命令),文化的期待(プレッシャー)にる同型化。
- 模倣的:環境の不確実性からの同質化(=目的を認識できない or 技術を理解できない → 成功事例を模倣する。)
- 規範的:専門職化による同質化。職能団体が正統性を得ると仕事の仕方の規範的なルールができる。2つの源泉があり,専門職教育機関での規範的教育の影響と,職能団体による行動規範。同じバックグラウンドを持つ人は,同じように情報をフィルターするので,仕事が似てくる。特に経営職が専門職になってからはより進む。
- 組織フィールド=組織の環境を概念化したもの:同類組織の集合+取引相手・統制集団・専門職団体+他の規範的・認知的影響の源泉
- 専門職がいると組織フィールドでの競争は,地位の競争になる。
- 病院は患者に選ばれるためには,患者のニーズに応えるのではなく,他の病院ができることは全てできる病院でなければならない。(病院産業は,組織の数が保たれ,参入・退出が困難なフィールド。)
- 同型化への移行過程(組織レベル)
- 仮説1:他の組織にへの依存度が高いほど,組織構造,風土,行動は似てくる。
- 仮説2:資源提供の集中度が高いほど,その組織への類似度が高くなる。
- 仮説3:手段と目的の関係性が不明確であるほど,組織は他の成功組織をまねる。
- 仮説4:組織の目的が不明確であるほど,組織は他の成功組織をまねる。
- 仮説5:構成員が依拠する学術的知見への信頼が高いほど,同業の他組織に似てくる。
- 仮説6:マネジャーが他組織と交流したり専門職集団に所属するほど,同業の他組織に似てくる。
- 同型化への移行過程(フィールドレベル)
- 仮説1:業界が単一の重要資源に依存するほど,その業界は同型組織になる。
- 仮説2:業界が政府や公的機関とのやりとりが高まると,その業界全体が同型組織になる。
- 仮説3:業界に観察可能な代替組織が少ないほど,業界の同型組織化は進む。
- 仮説4:業界で用いられる技術や目的が不明確であるほど,業界の同型組織化は進む。
- 仮説5:専門職の業界では,業界は同型組織になる。
- 仮説6:業界の構造化が進むほど(リーダーとフォロワーの関係が安定=組織間の情報交換が活発),業界の組織は同型になる。
2016/09/19
Chaffee, E. (1985) "Three Models of Strategy," Academy of Management Review, 10(1), 98-98.
- 戦略という言葉は,同じメンタルモデルを前提に使われているが,実際にはその定義に合意はない。戦略は多面的で,状況依存であるため。
- 戦略は,フォーカスに応じて3つに分かれる。
- 線形戦略:プランニングにフォーカス,方法論,逐次的な行動計画を含意した戦略。
- トップに組織を変革する能力がある,タイトカップリングを前提とする。
- 適応戦略:SWOTのマッチを探る戦略
- リニアとの違いは,(1)常に内外の状況を評価と戦略変更が同時に行われる,(2)ゴールを強調せず手段に焦点化,(3)外部環境は複雑で理解が困難と考える。
- 組織と環境はオープンと考え,環境と共に組織は変化する必要がある。
- 解釈戦略:戦略を組織が利害関係者に認識されるためのシンボルとして位置づける
- リニアと同様に環境を扱う,ただしリニアは環境を組織行動の手段として扱う,解釈は環境をコミュニケーションを通じて扱う。
- 適応と同様,組織と環境はオープンだが,解釈は構成員の態度変化が成果達成に重要と考える。
- 線形=目標達成のためにいかに競合と競争するかの戦略,適応=組織は環境の変化に応じて事後的に変化する,解釈=利害関係者が組織を支持するシンボルを与える戦略。
- 戦略の階層性:機械,生物,文化で階層化(線形,適応,解釈に対応)
- 上から下へ統合していくことが重要だが,どう統合したらよいのか。(また,統合したとしてそれは本当に機能するのか。)現実には3つの面を別々に取り入れている。
2016/09/16
Kezar, A. and Dee, J. (2011) "Conducting Multi-paradigm Inquiry in the Study of Higher Education Organization and Governance: Transforming Research Perspectives on Colleges and Universities," in Smart, J. and Paulsen, M. (eds.), Higher Education: Handbook of Theory and Research, 26, Ch.7, 265-315.
- マルチパラダイム研究への導入を行う。
- パラダイム:研究コミュニティで共有されている仮定,実践,合意。
- パラダイムが違う:3つの仮定が異なる。
- 存在論:客観的存在か主観的構築か。
- 認識論:知識に歪みがないか社会的に構築されるか。
- 方法論:演繹的か帰納的か。
- 3つのパラダイム
- Functionalist:客観的対象を実証的に分析。演繹的研究設計。
- Interpretive:多様な解釈から最も現実をとらえられる共通部分を取り出す。(質的研究と混同されるが,Functionalistも質的研究を行う。)
- Critical:より平等な社会と労働のために問題を暴くことが目的。
- パラダイムシフト:研究者グループ内で前提の変化が起こること。
- Bolman & Dealの貢献は,複数の見方を持ち込んだこと。(ただし,フレーム分析は1パラダイムに依拠した見方。)
- シェアドガバナンス,リーダーシップ,ダイバシティ,組織変革は,マルチパラダイムな研究分野。
- 高等教育では,Functionalistが支配的。信頼や組織学習が見過ごされてきた。
- Functionalistの高等教育研究:
- (1)組織構造はそのプロセスの理解が明確,(2)権威,集権・分権,階層,役割が明確,(3)合理性,効率性,効果性が重要。
- それは一面的という批判:マルチバーシティ,プロフェッショナル官僚制,全学戦略チームなど。
- Interpretiveの高等教育研究:
- 個別化された文化や文脈が重要,分析対象は組織内の言葉,議論,情報交換のパターン。
- 組織構造よりも関係性,信頼関係がより重要と考える:ゴミ箱モデル,特別チーム,コンフリクトなど。
- 優れたガバナンスは大学によって違う。扱いが難しいが,信頼が中心。
- Criticalの高等教育研究:
- 教職員の努力にもかかわらず,結局とトップだけで意思決定される現実:実は,シェアドガバナンスは表面的。トップはシェアされている演出をしている。
- 予算削減による専任教員減と非専任教員増 → トップダウンガバナンスを促進。(アカデミックキャピタリズムの本質は,教員のパワーのそぎ落とし。)オンライン教育も増える。
- Postmodernの高等教育研究:
- 丁寧な説明と議論による全員一致を目指す意思決定は,反対意見者がもう意見を言いたくないという状況まで追い込んで意思決定をすること。→ 丁寧な議論が大事なのではなく,反対意見を積極的にとりあげるリーダーシップが重要。
- マルチパラダイム研究への進み方
- 大きく,Review,Research,Theory Buildingの3つのアプローチがある。
- Reviewのための技法:
- Bracketing(別のパラダイムを添え木にする):リニア戦略による分析を中心にして,戦略を理解する文化や価値観の重要性を分析に入れる。
- Bridging:リニア戦略とカオス理論の併置,リニア戦略を戦略の進行中も戦略策定時と同じ条件を想定していいのかという長期における戦略の妥当性を考察。
- Researchのための技法:
- Sequential:異なるパラダイムによる分析を順次行う:データによる実証研究 → 予想と反する結論 → 分厚い記述で実証結果がもたらされる個別文脈を記述。(笑顔と売り上げの反比例研究など)。
- Parallel:異なるパラダイムによる研究を同時に行う:組織文化研究はこの方法でないと難しい。
- Theory Buildingの技法:
- Interplay:異なるパラダイムを並置して,矛盾を導く。
- 基本的には,研究テーマを決めたら2つのReviewを行い,SequentialかParallelのどちらかにいくかを決める。それぞれの研究をしたら,Interplayへ進むのが基本手順。
- マルチパラダイム研究の課題
- そもそも研究者が学んでいない。大学院生にも教えられない。(しかし,大学院生が行うには時間がなさ過ぎる研究。)
- 基本的には,異なるパラダイムの研究を常に読んでスキルを磨く+異なるパラダイムの研究者と共同研究を行う。これは中堅教員以上が取り組む課題。
2016/09/15
水田健輔(2010)「国立大学法人化の評価と環境変化に対する対応」『国立大学法人化後の経営・財務の実態に関する研究』国立大学財務・経営センター研究報告第12号,第2部第5章,43-55
- 組織・環境相互作用を説明するパラダイム
- 実証主義:環境が組織に影響を及ぼす普遍原理があると仮定
- 個体群生態学理論(適者生存)
- コンティンジェンシー理論(環境変化の度合いに応じて組織は最適な特徴を持つ)
- 資源依存理論(組織は特定の外部主体への資源依存を避けて自己決定能力を守る)
- 不規則変換モデル(random transformation)(合理的な説明ができない変化が起きる)
- 社会構築主義
- 制度理論(社会的文化的枠組みに順応して自身の正当性を構成員や外部に主張する)
- 新制度理論(制度は与件でなく,組織と構成員の行動が制度の源泉になっている)
- 環境の影響が大・組織の決定力小 → 外部環境を無抵抗に受け入れるしかない(個体群生態学理論)
- コンティンジェンシー理論を経て,環境の影響小・組織の決定力大の資源依存理論へ変化する。
- → 国立大学法人化がこのルートで説明できる。
- 制度の3つの柱:
- 規制的:国立大学に無条件に適用される制度
- 規範的:高等教育アクセス保障(低学費),先端的研究(社会的期待)→ 中期目標で恥をかかないような行動を選択
- 文化認知的:競争的資金獲得のインセンティブシステム,任期付き教員拡大
- 調査データによる分析:
- 国立大学は自己決定力に自信をつけつつある(自校有利度がプラス変化)。
- ただし,総合大学がリーダー,単科大学がフォロワー。
2016/09/14
井上祐輔・高瀬曜・太田雅晴・川村尚也(2006)「民間非営利組織の制度的環境への適応戦略」『日本社会情報学会第20回全国大会』29-32
- 非営利組織:制度的環境の影響 > 技術的環境の影響(技術以前にまず制度的環境に適応しなければ存続できない)。
- 組織・環境関係の理論
- コンティンジェンシー理論:技術的環境への適合に注目
- 資源依存理論:他組織依存を減らすために自律性を高めようとする(統合や多角化による自律,依存を認めた上での協調,ロビイングなど依存を上位機関で解決の3戦略)。
- 新制度派組織論:組織が存続するには,制度的ルールの組み込みが必要(制度的圧力 → 通説として機能)。
- 制度的ルールは互いに矛盾したり,組み込みが非効率なことがあるので,組織はコアの活動とそれを切り離して保護する。
- 非営利組織:制度的ルールの対立を利用して,自律性を獲得・維持する。
- 2つの対立するルールを同時に取り込む → 圧力を相殺できる → ルールを組み込んだ組織構造を内部活動から切り離す(De-coupling)。結果として,ルールを取り込みながら自律性を獲得できる。
2016/09/13
Hatch, M. (2013) "Organization-Environment Relations," Organization Theory, Ch.3
- 組織環境で注目する理論は3+1:contingency theory,resource dependence theory,population ecology,and institutional theory
- organizational boundaryの定義は単一ではない。分析目的によって異なる。
- 学費値上げを検討するとき:学生は消費者(外)
- 学部資金獲得を検討するとき:学生は構成員(内)
- 新しい教育プログラムを検討するとき:学生は成果物(内)
- 組織間ネットワーク分析:組織の中心性がわかる。(サプライチェーンと類似)。
- 組織環境の領域:法的,物的,経済的,技術的,社会的,政治的,文化的セクターがある。
- 環境状況理論:環境が安定的=組織は機械的が合理的,環境が不安定=組織は有機的が合理的
- 不確実性は,複雑さ(環境要素の数・多様性)と変化の早さ(要素の変化速度)の2つで定義する。
- この不確実性の認知能力には限界がある。→「information theory of uncertainty」:情報が不足する時に不確実性を経験する。
- 資源依存理論:組織間ネットワークで他のアクターとの支配・依存関係を理解する。
- 当然,資本(投資家),設備(技術),生産物(消費者),人材(労働者),原料(供給者)が含まれる。
- 資源調達の多様化,マーケティング,イメージキャンペーンなどが改善に貢献する。
- 資源依存理論 = 組織の分析レベルが重要,Population Ecology = 環境そのものが重要。
- 資源依存理論 = 希少な資源の獲得競争に生き残る,Population Ecology = 所与の資源の中で生き残ったペストプラクティスを見る(Ecological Niche)。
- 進化論と同様,変換,選択,生き残りのプロセスを経る。
- とはいえ,勝者最適の論理はトートロジー,競争の激しい分野しか適応できないという2つの弱点がある。
- 制度理論:組織のあり方は,社会制度や文化に大きく影響される(経済的合理性だけで決まらない)。= 横並びには理由がある。
- 暗黙の社会的ルールは,組織や企業が正当であると社会で認められ,人が採用できたり銀行と取り引きできたりという資源を獲得し,安定して生き残るために取り入れなくてはならない「通説」(myth)になっている。
- 同質化のメカニズム
- 強制的:法令・規制
- 規範的:暗黙のルール(大学教員はこうあるべき,大学とはこうあるべき,研究者の処遇はこうあるべきなど)
- 模倣的:よくわからないので他をまねる(不確実性が高いときに取られる)→ ベストプラクティスとして規範的になる。
- 同質である ≠ 競争力がある:社会的に認められている(=正当性を持つ)ことが組織の生存に欠かせない(資源の獲得)ため。
- ノーベル賞学者の招聘は,大学の生産性向上には貢献しないが,評判を高める(規範的同質化を進める)。
- イナクトメント:組織メンバーが環境を創造する上で果たしている積極的な役割。← この過程に環境との関わりを含む
- ステークホルダー理論:株主だけでなく,組織に関わる人全ての満足を高めるよう組織は行動すべき(一般には,株主重視→従業員重視)。倫理を指摘したもの。
2016/09/12
Ott, M. and Mathews, K. (2015) "Effective academic governance: Five ingredients for CAOs and faculty," The Collaborative on Academic Careers in Higher Education
- シェアドガバナンスが重要なのはわかるが,うまくいっているという根拠はどこにあるか?
- この調査で明らかにしたのは,5つの要素がバランスよく保たれている時に,シェアドガバナンスが機能していると言える。
- 執行部へのインタビュー調査で得られた知見。
- 信頼:シェアドガバナンスの核心,3つの要素が信頼を高める。
- ガバナンスへの期待を明確にする(文書で決まっていることは確認する,決まっていないことは急がない)。
- 構成員の期待に常に沿った取組をする(決まっているやり方は変えない)。
- 透明性を常に確保する(意見や情報を隠さない)。
- 目的の共有感:シェアドガバナンスに衝突は不可欠だが,最終的にどこへ向かうかという共通の理解を作り出すことで克服できる,2つの要素がそれを可能にする。
- 機関の将来像の共有(共通の優先課題の設定で個別の問題を乗り越える)。
- 部署間の関係づくりを進める(異なる部署から来る人が一緒に座る機会を頻繁に設ける,これは時間がかかるので急がない)。
- 問題を扱える形で理解する:問題をどう理解するかが重要で,そのためには多様な見方をテーブルにのせることが重要,2つの要素がそれを促進する。
- 多様な見方を尊重する(学内にある知恵を活用しない手はない,反対意見を積極的に議論にのせる = Everyone has voice, Every voice is heard)。
- 多様な人を会議に招く(そのための共通会議時間を設定しておく,会議の中で時間の一部を共通問題のためにとっておく)。
- 適応力を高める:単一の有効なガバナンス解はない,形を決めずに少しずつやり方を変えて試せることが重要,2つの要素がそれを高める。
- 開発型のリーダーシップとガバナンスの実践(ガバナンスのあり方自体も常に議論のテーブルにのせる)。
- ここぞで柔軟さを発揮できるようにする(どうしても急いで決めたりトップダウンで決めないといけない場面のための信頼貯金をつくる)。
- 生産性を高める:ガバナンスが有効かどうかは最終的に変化したかどうか,シェアドガバナンスは実質的な変化をもたらすことができる,そのための2つの要素がある。
- 成果にフォーカスしたガバナンスを行う(意思決定は取り組むことを決めるために行う,成果が出たときは褒賞する)。
- 公平性と褒賞を活用する(ガバナンスに伴う負担は広く共有してもらう,それに応える褒賞を出す)。
- 結局重要なことは,ソフトガバナンスを重視すること。(ソフトもハードもどちらも大事)。
- それでもリーダーはハードガバナンスに目がいきがち。
- 今からできることはいくつかある。
- 今一度学内にある多様な人材を知ること(多くのリーダーはほとんど知らない)。
- 現状に関する率直な話を始める(立場や形式に沿った話は既にしている)。
- 常に何が目的なのかを語る。意思決定で目的を常にリファーする。
2016/09/09
堀哲夫(2009)「認知過程の外化と内化を生かしたメタ認知の育成に関する研究(1)」『山梨大学教育人間科学部紀要』11,12-22
- 外化:内部で生じる認知過程を観察可能な形で外界に表すこと。
- ノート,ワークシート,レポートなど。
- 発問と応答のような一瞬のやり取りで固定化されず,見えなくなる外化は,学習者にとってその相互作用を記憶に留めていくことが難しく,学習における操作の対照となる内容も明確でないので情報処理の負荷も大きい。
- 内化:前提として内省が含まれている。
- 内省:自分自身の考え方ややり方について意図的に吟味するプロセス + 獲得した認知的技能や知識をデータとして新たな技能・知識を作り出す批判的思考力。
- 認知プロセスが外化されていると,内省の対象として比較対照・編集などの操作がしやすくなり内省が促進される。
- 学習者が一人で内化の機能を働かせることは無理,教師が適切な内化を促す働きかけを行う。それは次の外化につながる。
- 板書授業:
- 教師の認知過程の外化であり,ノートテイクは学習者の外化ではない。
- 教師の学習への働きかけが明確でない。
- 内化が適切に行われない。
- 学習目標(資質・能力の形成)が達成できない。(教師と学習者の働きがかみ合わないので。)
- 通常,同一の学習内容に対して外化と内化が繰り返されることはない。
- → 次の学習内容に対する外化を行う。
- 従来の研究は,個別の教材や特定の機器における効果などに止まっていて,具体的教育実践のシステムとして提案されていない。
- → (1)教師の働きかけによる認知過程の外化と内化により,学習者の不適切な点を明確にする,(2)そこに教師が働きかけることにより外化と内化を繰り返すことの2点が重要。
- これには教師の3つの役割が重要:
- 外化への働きかけをする:優れた外化をしても働きかけがなければ高まらない。
- 高次の資質・能力は,教師からの絶え間ない働きかけがなければ獲得されない。
- 働きかけは,学習内容を習得させるためものと,資質・能力を育てるもの(習得した内容の重要事項をまとめる問いかけ)が区別して行われる必要がある。
- One Page Portfolio Assessmentを実施:
- 単元タイトル,受講前後の本質的な問い,学習履歴,自己評価の4つで構成。
- 単元タイトル:単元終了後に学習者に外化させる。
- 学習前の本質的な問い:「植物に取り入れられた水はどうなりますか?絵や図で説明してもかまいません。」
- 学習履歴1〜4:「今日の授業で一番大切だと思うことを書いてみましょう。」
- 学習後の本質的な問い:「植物に取り入れられた水はどうなりますか?絵や図で説明してもかまいません。」(比較できるよう前後で同じにする。)
- 学習後の自己評価:学習を振り返って何がどう変わったか,それに対する自分の学習の意味づけなど,自分の考えたことを記述。
- このシートの長所:(1)認知過程を外化する(本当?教師の想定の内容を外化させていない?),(2)外化に対する教師の働きかけを明確にできる,(3)学習履歴になる(ワークシートでも可能では?),(4)頭で考えたことを書く(所定の場所に書くのは同じでは?)
2016/09/08
藤村正司(2015)「高等教育組織存立の分析視角―新制度主義から見た国立大学の現状と行方―」『大学論集』48,49-64
- ねらい:柔結合のHE組織が,PA論の中でどのように存立するかのルールを説明する。HE研究を新制度主義の潮流に近づける。
- 低成長・財政逼迫・経済のグローバル化 → 新自由主義改革 = PA論・NPM
- →(1)経営権の学長委譲とヒエラルキー構築,(2)間接統治としての中計中目,(3)公募型予算
- PA論が前提とするのは,行為の合理的選択を前提にした現実主義の視点(剛結合を要求)。
- しかし,大学は柔結合なので規範と行為は一致しない。→ 対外的に結合した見せかけ・儀式化が行われる(脱連結)。
- オープンシステム戦略(トンプソン)
- 複雑な組織体を不確実性に直面するものと捉えると同時に,他方で合理性の規準に従い,確定性を必要としているもの(coupling)と理解した。
- 柔結合・無秩序:学問の自由を支える組織原理 ⇔ 大学自治能力の欠如
- 自治能力 = 専門的権威による調和と統一を確保する能力 ← 他の意思決定主体の参加で葛藤と対立が生まれる。
- 46答申:平時に学長を大臣と大学の間に置く発想を反映。→ 04年法人化で具体化。
- 04-14年の変化:本部職員の増加,垂直的官僚組織としての転換をはかる。
- ← 個別大学で対処療法的に進められた ← 新たな教育研究組織の下で協力体制は生まれなかった。
- 新制度派組織論:組織の公式構造に付与された意味や規範に焦点を当てるトップダウン型の社会認識。
- 制度 = 公式構造と日々の実践的活動との間に現象学的な切断を行うことで,過剰な選択圧力と不確実性から人間を保護するもの。→ 組織は資源を恒常的に確保し,組織の安定化に寄与する。
- 技術的環境やタスク環境よりも広い意味世界(法的システム,政府のエージェント,信念体系,プロフェッション,神話,進歩,科学,世界文化)を想定し,国家や組織,個人はこうした「聖なる天蓋」に埋め込まれることで正当化される「疑似宗教論」。
- Ex:新制時にアメリカから移植された一般教育が,大綱化で自由化され,教養部が改組されても,いまだ高等普通教育(スキル・リメディアル),教養教育,前専門教育として名称を変えながら存続しているのは,教養教育が効果的であるとか組織化されているかに関わらず,「制度としての教養教育(一般教育)」という理念的実在が存在し,大学教育に自明な知識として人々が(すべての人ではないが)共有しているからである。(理念的実在の総体が制度。)
- マイヤー・ロワンの命題:組織の公式構造の中に社会的に正当化された合法的要素を取り込んだ組織は,その正当性を最大化し,その資源と生存能力を増大させる。
- 柔結合・無秩序・暗黙知(弱い合理性)を隔離するため,外部で正当化され権威付けされた資格・専門職・サガ(=物語)を取り込むことで組織の安定を確保する。
- Ex:答申に出たFDer,IR,URAは正当化の事例。それらが実際に有効かどうかは重要でなく,対外的に正しい人材を配置しているという「適切さのロジック」を提供するもの。→ 本部職員が増える。
- Ex:学部名称の個性化 ≠ 学問体系の揺らぎ,= 希少性・斬新性・社会とのレリバンスという規範をシンボリックに符号化したもの。
- 3つの矛盾:
- 有効性・効率性との齟齬(SGU採択で外国籍教員2倍 = 外部評価を高める儀礼的便益 VS 人件費純増
- 制度化されたルールと現実の教育研究活動との矛盾(= 標準化・抽象的 VS 複雑・ユニーク)
- 制度化されたルール自体の過剰性(実績報告書のボリューム逓増)
- 新制度主義(?):組織の安定にとって制度化されたルールへの非選択的なコンプライアンスを是とする。
- 脱連結:組織の内実と制度化されたルールの両者を一致させることから生まれるジレンマや制度化されたルールの実質化を回避するマネジメント。
- 複雑な組織の存立 ≠ 公式構造による行為統制,= 規範と行動,政策と実践,計画と実行,意図と結果の間に戦略的な分離やダブルスタンダードが存在する。
- → 怠慢・病理でない。制度化されたルールに適応したパフォーマンスと,パフォーマンスと直接結びつかない儀礼的プロセス(緩衝化)が併存。
- 官僚制対プロフェッションという二項モデルから我々を解放する。
- 脱連結による組織防衛戦略:業務の専門家への委託,目的の曖昧化,都合の悪いデータの選択的回避
- 脱連結を支える信頼の論理と監査と評価の儀式化:評価者は大学の提出する根拠資料やデータを額面通りに受け取り深く詮索しない。
- 脱連結の4つの課題:
- 脱連結が作動する条件の検討:正当性への受動的なコンプライアンスだけでなく,資金の獲得可能性も含めた戦略的応答がある。(やり過ごし戦略 = 年俸制導入で人事給与システム改革の約束を果たす。)
- 脱連結の受け入れはPrincipal側の混乱と不信を招く。
- 脱連結が非公式集団によるボトムアップ連携を生むか疑問。
- 植民地化の影響:脱連結と逆に,内部統制が組織のテクニカルコアに浸透する可能性がある。
- ダブルスタンダードによって組織のアイデンティティが維持できるかは,,今日の高等教育に対する厳しい環境と過剰な期待から断言できない。
- 大学を「組織的感応性」と機動性・透明性の高い組織に体質改善を図ることは,世界的な大学の潮流である。
- 脱構築による日々の教育研究活動の防御は,社会からの大学に対する信頼,監視,サンクションに依存する。
- 「制度化されたルール」が競争優位になる,効率性が測定可能である,監視とサンクションが強化される → 脱連結抑制 → テクニカルコア浸潤 → タイトカップリングへ。
- Ex:大学ランキング:大学をバーチャルな競争に駆り立てる表層的市場を創出 → 日々の教育研究活動とリンクしない競争なのに現実活動を侵食する。
- PA論(効率化・ヒエラルキー構築),新制度主義(脱連結),いずれも標準化がもたらす多様性の喪失については何も語らない。
2016/09/07
Hatch, M. (2013) "A brief history of organization theory," Organization Theory, Ch.2
- 組織理論の変遷:大きく4時代
- 初期理論(Normative)(00-50):スミス,マルクス,テイラー,ウェーバー,フォレット,バーナード
- Modern(60-70):General systems theory,Socio-technical systems theory,Contingency theory
- Symbolic(80):Social construction theory,Enactment theory,Institutions and institutionalization,Culture,Narrative and reflexivity
- Postmodern(90):Crisis of Representation,Language Games,Discourse,Deconstruction,Simulacra
- 初期理論
- デュルケーム:非公式組織の重要性(労働者の社会的ニーズを重視する)
- ウェーバー:実質合理性なしに形式合理性を適用する=鉄の檻
- 形式合理性:制定された一般的規則が個々のケースに適用され,すべての意思決定と行動が制定された規則に従うこと
- 実質合理性:制定された規則の枠を超え,特定の価値や目的を意識的に実現する度合い(個別ケース)
- 資本主義の成立には,一般ルール(法律)が習俗のルール(掟,宗教,慣習)の上位にあることが必要。
- フォレット:支配でも妥協でもない統合
- バーナード:目標合意とメンバーの意欲の統合
- Modern
- General systems theory:分析対象を定めると,その下部組織とその上位組織ができる。ある組織を分析しても全体は理解できない。← 人間の理解能力を超える分析を要求。
- Socio-technical systems theory:部分最適が最適になる場合がある(自己管理が重要で,階層構造は必要と限らない)。
- Contingency theory:上の2つを拡張したもの。各状況で鍵となるコンティンジェンシーを特定することが重要。
- Symbolic
- Social construction theory:記号を通して理解される:3つのプロセスを経る
- 外在化:記号を通して意味がやりとりされる
- 客体化:(Nonobjectiveな)外在化されたものが客観的なものとして扱われる
- 内在化:客体化されたものが疑いなく受け入れられ,集団の中で意味が理解される
- 研究者が見た現実は,そこにいる人たちで記号化された,部分に過ぎない。
- イナクトメント:組織活動の本質は組織化
- イナクトメントは突然変異に相当。淘汰をへてセンスメーキングされると保持される。
- Institutionalization:ある組織が効率的である = みんながそう思い込み,神話を共有しているため。 → 組織は流行に従う。(マイヤー&ローワン)。
- Culture:分厚い記述 → ナラティブ,
- ナラティブは,写実的(現象の再現)・告白的(著者の権威を強調)・印象的(著者の行為そのものを提示)の3つの記述方法がある。
- Postmodern
- Language Games:知の体系はその参加者による言語ゲームである ← ゲームのルールを正当化できないと,ゲームが維持されない。
- ゲーム維持のために次々とナラティブが投入される → グランドナラティブ(=共有された価値観)
- Discourse:ある言葉を使うことは,特定の意味をつくり出す。同時に,ある言葉を使うことは可能性を限定する(言葉は,知識やパワー=集団内の一般的理解や規範に影響されているため)(フーコー)。
- Deconstruction:確立された概念を記述したものに含まれる矛盾を明らかにすることで,共有された価値や概念を揺さぶる。
- 現在も規範的初期理論は,現実への適用性においては未だ強力な存在:3つのパラダイムは,それぞれの立場で初期理論を支持・批判している。
2016/09/06
Hatch, M. (2013) "Why study organization theory?" Organization Theory, Ch.1
- 基本的な考え方:
- 理論:コンセプトの集合体
- コンセプト:抽象化によって得られるカテゴリー
- 理論を適用する際には,抽象化のプロセスを逆にたどることが必要。
- 理論化のための質問:
- これまで理解してきたことで,見落としたりわからなかったことは何か?
- 自分の考え・態度・行動を変える発見や理解は何か?
- 今の時点で組織をどのように定義するか?
- 理論は特定の問題解決はできない,理論を適用することでできる。
- 理論を学ぶ以上に理論化を学ぶことが重要,ただし,それには理論を学ぶことが不可欠。
- パースペクティブについて:同様の手法や定義でまとめられた理論の集合
- Normative:ベストプラクティスとベンチマークが重要
- Modern:実証が重要(量的研究),関係ないものの因果関係を捉える危険あ
- → Objective Ontology+Positivist Epistemology
- Symbolic:理解が重要(質的研究),過度な一般化の危険あり
- → Subjective Ontology+Ipterpritive Epistemology
- Postmodern:批判が重要,完全な理解を重視
- パースペクティブの背後にある哲学:存在論と認識論
- 客観的な存在論と主観的な存在論の立場
- 実証的な認識論(ハードデータ志向)と解釈的な認識論(ソフトデータ志向)
- ポストモダン:言語論的転回(Linguistic turn=言語が現実を構成する)が重要。
- コンセプトフレームワーク:理論がカバーする領域のこと(理論ではない)
- 環境,文化,物理的構造,社会的構造,技術,パワー
- Modernの存在論・認識論・組織・組織理論の関心
- 客観的・実証的・適切に設計されれば合理的効率的に運営される・普遍的な原理や法則の発見と優れた成果の説明
- Symbolicの存在論・認識論・組織・組織理論の関心
- 主観的・解釈的・メンバーが変わると再解釈される・何が起こっているかを理解する
- Postmodernの存在論・認識論・組織・組織理論の関心
- ポストモダン・ポストモダン・権力闘争や圧政や欺瞞が起こる場所・Modernistの再帰的解釈
2016/09/02
ウィルソン,J.・ジャン,L.(吉田新一郎訳)(2004)『「考える力」はこうしてつける』新評論
- 振り返りは,改善するための方法を考えること。
- 振り返りやメタ認知能力の向上を図る重要性を認識するのであれば,教師と生徒たちの間における人間関係と力関係は変わる必要が出てくる。
- 効果的に考える人ができること:
- 判断,状況に合った適切な方法を述べる,自己評価,自分の目標設定,目標に向かう行動。
- 振り返りができる人ができること:
- 過去・現在の考えと,予想される将来のことを結びつけて考える,
- 質問や自問ができる,
- 自分自身や状況を評価できる。
- テーマや発表時の方法など,可能なかぎり生徒たちが選択できるようにする。人には多様な得意・不得意があり,ある程度の選択を与えることが重要。
- 単元を計画する際に,鍵となる質問を用意する。これは,養いたい鍵となる概念と関係する。
- 振り返りとメタ認知能力を伸ばすための方法:学習日誌,概念図,質問,自問,交渉,自己評価
- 交渉:自分たちの学びの決定に生徒自身が関わること,その学びはなぜ重要かという決定をする。交渉は,自分たちの学びに責任をもつ自立的な学習者を育てるのに役立つ。
- 交渉に必要な能力:アクティブリスニング,質問,話し合い,思考力。
- 交渉する内容:教室内の座席・教具・所持品の配置,グループメンバー・時間の使い方・手順などの作業条件,個人やペアの組み方・評価方法・契約方法・記録や評価の方法・テーマ選択などの学びに関すること。
- 交渉に使われるスキル:アクティブリスニング,質問,話し合い,思考,意思決定,選択,アサーティブな話し方,推論,計画,記録,問題発掘。
- 年度の始めは,個々のスキルに焦点を当てられるように,与える課題は単純でなければならない。
- 質問:生徒と教師の両者がすでに知っていることを明らかにし,それを基礎にして新しい考えを築くことを可能にする。
- 質問の種類:閉じた質問,開かれた質問,飾り的な質問(答えを期待しない質問:考えることはどんなことですか?)。
- 質問の宛先:個人,全体,生徒によって考え出された質問。
- 質問をつくり出す活動:
- 立ち止まって尋ねる:何でもいいから思いつくままに質問を考える。
- 読んでから尋ねる:読んだ内容についてお互いに質問しあう。
- 秤にかける:クラスを3グループに分け,異なる視点を持って読んだり観察させる。ある立場,反対の立場,2グループへの質問の3つにわける。
- 他人の立場になる:扱うテーマを異なる視点から見ることを奨励する(イギリス人が来たときのオーストラリア先住民だったらあなたはどんな気持ちがしますか?)。
- プラス・マイナス・面白い事実:考えるべき質問に3つをリストアップする(学校教育が義務教育でなかったらどうか?)。
- 質問をつくる:答えが与えられて質問をつくる(答えは,2 3/4です,答えは虫歯を防ぐです)。
- 難しい質問をしてください:答えや質問を調べる方法を話し合う,興味や関心を持っていることについて発見する(人はどうやってつくられたのか?異なる言語はどうやってつくられたのか?)
- 創造的な質問=量・変化・予測・視点・個人的な関わり・比較・価値観に関する質問。
- 学習日誌:生徒が自分の学びの過程や内容について,個人的な反応,疑問,気持ち,考え,知識などを記録する日誌。
- 日々の活動を記録する日記や,情報や勉強したことを記録するノートではない。
- 学びの経験や活動を単に詳しく物語ったり説明するのではなく,生徒たちに自分の学びを確認,分析,振り返ることが含まれる。
- 日誌を書くための問いかけ:自分たちが理解していることは何か?,課題のねらいは何か?,学びの効果はどうか?,使った方法は効果的か?
- 日誌を使う理由:自分が知っていることを書く,予想を書く,学んだことについて考える,質問をする,情報を組み立てる。
- 日誌作成のサポート:鍵となる質問か焦点を提供する。
- 概念図の教え方
- それは何ですか?それはどういう意味ですか?:概念図をつくるきっかけを提供する。
- どの言葉が最も重要だと思いますか?これらの言葉を分類するとどうなりますか?:実際につくる。
- 少ない言葉で,一人でつくる → クラス全体でつくる。
- なぜあえて自己評価やグループ評価をするのか?:
- 自己評価は振り返りを促進し,生徒たちに自分の学びに関するより大きな責任と動機づけを提供するため。
- 思考力は,自然に身につくものではない。教えられて初めて身につく。
- 振り返りとメタ認知能力を養うための単一解はない。
- 生徒や教師たちが自分たちの学びや思考を理解したり,モニターしたり,責任をもって行動できるようになるための方法はたくさんある。
- 重要なチャレンジ:生徒たちが学びたくなるような状況をつくり出すこと。
- 自立的な学習者を育てるための重要な要因のチェックリスト
2016/09/01
遠田雄志(1994)「窯変・K. ワイク「組織化の社会心理学」第 2 版 : 1」『経営志林』31(2),53-69
組織化の要素:
- 多義的な情報は組織化の引き金となる。
- 多義的なディスプレイに対する意味づけを安定させようとする試みは,通常2人以上の人々の努力からなる。
- 意味づけのほとんどの努力は,,これまでの出来事の解釈と,これまでの出来事と現在の結果とをつなげるもっともらしい歴史記述の解釈からなる。
- 人々の問の相互依存は組織の実質であるが,それは流動的で常に変化している。
- 組織は自らが順応しなければならない事実とみなしている現実を創造するのにかなり関与している。
- 「経験の教訓」に対するアンビバレントなスタンスは,組織が変転する状況に対処するための適応性を保持するのに有効な方法である。
- 組織における事象は,メンバに認知されている濃密で循環的で長い因果の連鎖によってまとめられ制御される。
- 自己規制的な因果の連鎖のネットワークは,2人以上の人々の調整された行動という形で現われる。
- 組織は通常各メンバの(全身全霊でなく)一部のみを利用し,その互換性は部分によって異なる。
- 組織の多くの政策は,意図すると否とにかかわらず,内的効果と外的効果をもっており,それらが正反対に作用することもある。
- 組織にはその傾向においてオープンとクロズおよび懐疑と信頼といったアンビバレンスがある。
- たいていの組織論者は,組織化は目標の達成を促進するためであると仮定している。
- → 行為が目標に先行するのが実際。
- 組織論に出てくる合理性(目的に向かって意図され,計画されること):組織の起源そのものが合理的とは別。
- → 限定合理性(サイモン):人の能力の限界:問題が生じたら簡単で労力を要しないルールを用いて解を求め,可能な限りは近道を行く。
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