2008/09/21

Hutchings, P. (2002) "The Scholarship of Teaching and Learning in Higher Education," An Annotated Bibliography, Revised and Updated, Fall 2002.

本稿では次のようなことを紹介する。(1)SOTLを定義するにあたり学生の効率的な学びや学びの特徴に注目する。(2)Scholarshipというと伝統的には研究論文や文献の執筆・出版だが、教授法の研究コミュニティでは現在はより広い手法(事例研究、聞き取り調査など)が用いられている。SOTLのモデルは、特定の教員だけが行える狭い手法に絞るべきではない。(3)SOTLの歴史自体が複線型で現在も進化している。
まずSOTLの歴史は、Boyerの90年の著作に始まる。伝統的な研究vs教育の論争を超えてscholoarshipという概念を打ち出し、優れた教育も研究と同様の意識・手法で行うことを提唱した。
その後94-98年にShulmanらを中心にして、教育のピアレビューという概念をSOTLに持ち込んだ。教育は単なる技術ではなく専門領域や関連領域の内容とその意味の深い理解を示す行為である。学者のコミュニティでは文書化し、公開し、総合に評価するのが基本であり、教育においても同様の活動が行われるべきと提唱した。彼らは教育の成果を他の教員が利用できるための9つの方針を開発して示した。
さらに97年にGlassick, Huber, MaeroffによってScholarshipを評価する6つの基準(明確な目標、十分な準備、適切な手法、有為な結果、効果的な提示、回顧的な批判)が示される。
こうした流れを経る中で、現在のSOTLの中心的な概念である、教育を研究的に振り返り、論文化などを通じてピアレビューを行い、質を高めていく活動へとつながっていく。