河村茂雄(2025)『ピアフィードバックのゼロ段階』図書文化社
- ピアフィードバックには対話が必要
- 会話=価値観を共有する仲間との交流(不安の強い現代は会話の形成も困難)
- 対話=他者との相互理解を目指して行う交流
- なぜ表面的なピアフィードバックになるのか?
- 評価する力量の形成不足
- 学習者に事前に評価の方法を学ばせ、練習が必要
- 指導者がまずやって見せ、学習者に練習課題を評価してもらい、それにフィードバックする
- 人間関係の問題
- グループの人間関係状態
- 1:対立や軋礫が頻発し‘協働どころか一緒にいること自体が不快な状態
- 2:他者と関わりたいと思えず,相互に無関心でかかわりもない状態
- 3:グループという意識がもてず,気の合う人とだけ個で関わっている状態
- 4:事務的に所属しており,やらされる形で一緒に活動している状態
- 5:同じ価値観を有し気心が知れた「仲間」が形成され,この良好さを維持するために,互いに相手を肯定的に評価し合う「会話」で交流している状態
- 6:互いに高め合うために,「仲間」以外の相手とも,批判的な思考に基づく「対話」ができる状態
- 7:価値観も宗教も多様な人たちと,共通の目的を達成するために‘みんなと批判的な思考に基づく「対話」ができる状態
- 1・2=ピアフィードバック以前、協働活動もできない
- 3・4=形だけの協働活動
- 5=人間関係がよい状態
- 6・7=対話にはこの段階が必要
- 学習には、受容・発見と有意味・機械的の2次元がある(Ausubel)
- 受容・発見軸:学習内容がどう学習者に伝達されるか
- 発見=学習者が自らの仮説を立てて検証することを通して学習が進む
- 受容=学習内容が完成された形で指導者から示され、それを受容するよう学習が進む
- 有意味・機械的軸:学習内容が学習者にどう受け入れられるか
- 有意味=新しい知識が学習者の既有知識構造と関連付けられるよう学習を進める
- 機械的=新しい知識を構造化できない
- 教えて考えさせる授業が有意味発見学習
- SBIフィードバック:振り返りを結果に対する反省ではなく、プロセスに対する認め合いにする
- ○○さんは、今日の司会で
- 状況:みんなをリードしていた
- 行動:積極的に流れを創る発言をしていたから
- 影響:みんなの話す量が増えました
- 同一化傾向の集団:安定度高×活性度高
- 何をするか:率直に自己開示する機会を増やす
- どうするか:正解のないテーマの学習に取り組む
- ピアフィードバック:KPT型(Keep=継続すべきこと、Problem=課題、Try=改善点)で考える
- 形骸化傾向の集団:安定度高×活性度中
- 何をするか:受容的なフィードバック機会を増やす(認め合い、励ましを多くもらう)
- どうするか:プロセスに対する認め合いを促す(SBIフィードバック)
- ピアフィードバック:リーダーだけでなく、全メンバーにSBIFB
- 空洞化傾向の集団:安定度中×活性度中
- 何をするか:適応行動に価値があることを知る(安易な同調や安全行動ではなく)、適応行動を伴う課題を指導者が与え、係や班の目的を説明し、行動のひな形をつくり、役割交流を中心に活動する
- どうするか:ピアフィードバックのひな形を用意し、細かく構成して取り組む
- ピアフィードバック:活動の進み具合・様子、活動でよくなったこと、頑張ったメンバーの様子の3点を発表
- 無気力化傾向の集団:安定度中×活性度低
- 何をするか:自己中心的な安全行動の定着を壊し、適応行動の価値や達成感を少しずつ味わう
- どうするか:まず個人行動→ソーシャルスキル+小グループ活動、緩やかに・短く・低いハードルの関わり方を積み重ねる
- ピアフィードバック:できた適応行動に、教師が意味づけをする
- 防衛的風土の集団:安定度低×活性度低
- 何をするか:集団活動への抵抗感を減らす、頑張る人を否定する行動に対応する
- どうするか:あえて個人活動に取り組む、その際に枠を用い、枠の中で活動させる
- フィードバック:教員が、進み具合、よくなったこと、求める支援について話す