2025/07/24

矢野眞和(2023)『今に生きる学生時代の学びとは』玉川大学出版部

  • 教育効果を論じる4つの窓

  • 大卒ホワイトカラーが一人前になるのは、どの国でも30歳ぐらいの年数が必要だと考えられている
    • 大学卒業から30歳までの期間が長い日本では、短い国と比較して、卒業直後には大学知識の有用性が低いけれども、その後の経験を通して有用性が高まる
  • 大学の選抜度を問わず、個別の大学を取り上げれば、その範囲で学び習慣仮説が成り立っている
  • 政策科学では、内部システム(教育システム)の最終結果(出力)がアウトプットであり、そのアウトプットが外部システム(教育の外にある社会経済システム)に与える影響の総体をアウトカムという
    • 個人レベルでは、教育システム内で身についた学力や規範がアウトプット、そのアウトプットが外部システムである卒業後の人生(働き方、所得、仕事の満足度、健康など)に与える影響がアウトカム(ラーニングアウトカム批判)
  • Gritで使われたやり抜く力の測定法:情熱の5因子と粘り強さの5因子
    • 私は挫折してもめげない。簡単にはあきらめない
    • わたしは努力家だ
    • いちど始めたことは、かならずやり遂げる
    • わたしは勤勉だ。絶対にあきらめない
    • 重要な課題を克服するために、挫折を乗り越えた経験がある
    • 5件法で回答、あまり考え込まずに、同僚や友や家族とくらべてどうか、または、たいていの人とくらべてどうか、と考えて回答
  • KJ法での分類:既成概念にとらわれずに現場の声を吸い上げてグルーピングする方法
    • 既成概念で分類するなら、何のために言葉を収集したのかわからない
  • 経済学と社会政策の対立思考
    • 経済学=価格を媒介にして、お金を支払ってでも手にいれたい欲望(=需要)に資源を配分する市場メカニズムを理論化
    • 社会政策=価格ではなく選挙による立法府を媒介にして、好ましい社会の必要(social needs)に資源を割り当てる官僚的ルールを設計するプロセスを理論化
    • 市場と政府の二つの社会装置に私的ニーズを充たす社会的ネットワーク(家族・コミュニティ・非営利組織)を加えれば、社会問題の所在を理解しやすくなる