Pope, M. (2004) "A Conceptual Framework of Faculty Trust and Participation in Governance," New Directions for Higher Education, 127, 75-84.
- 組織的信頼の3要素
- 信頼の定義:リスクや利益を共有し,互恵的に行動できる共感性の関係。
- 脆弱性:不確実性が信頼の重要な要素。相手の行動をコントロールできるなら信頼は不要。脆弱性を受け入れ,不確実な結果を受け入れられるなら,信頼ができる。
- 信頼の特徴・構成要素:強み,開示性,慈悲,信憑性,正直さ。これらの和で組織の信頼が決まる。
- 組織文化が低信頼をもたらすことがある。
- 組織文化 = 共有された価値観と信念のパターン。個人の組織機能の理解を促進して,規範的な行動を引き出す。
- 階層関係の距離とアカデミックリーダーシップへの信頼は逆相関する(Dufty 1980)。教員は組織内で起こることに関心がなく,物理的な階層距離が遠くなると起こっていることを十分評価できなくなる。
- 組織文化を理解できれば,文化的な葛藤を小さくできる(Tierney 1988)。
- 全構成員の参加は無理でも,トップは学内の文化を理解する努力が必要。
- 不活発な政治活動:構成員の協力を引き出すリーダーシップが必要 → 信頼関係があればより構成員の潜在能力を引き出した意思決定ができる。
- 意思決定に参画できないことは,信頼を損なうわけではないが,政治的連携を促進する。
- プロセスに関与できない構成員は,成果に関与しないことで抵抗する(転覆・妨害など)。
- 政治的均衡:信頼が高くなくとも,チェック&バランスのガバナンス参加 → 構成員はプロセス参加を求める。
- Tierney and Minor (2003):教員のガバナンスプロセス測定尺度による調査 → これに信頼に関する調査項目を加えた追加調査がありえる。
- 説明責任,予算削減,専門細分化など現代的課題が,共同参加の意思決定システムの効率性維持を困難にしている。
- 信頼性は組織文化の指標となりえる。他分野で蓄積されている知見を用いた研究が必要。