Kezar, A. (2005) "What Campuses Need to Know About Organizational Learning and the Learning Organization," New Directions for Higher Education, 131, 7-22.
- 組織学習は,効果をもたらさない流行ではないのか。
- 戦略経営などの流行は,数値化,中央集権化などの負の側面を残す一方で,データの重要性,交流のないグループ間の交流促進などのプラス面ももたらした。
- 流行を意義あるものにする3段階:探索,実践,評価
- 探索段階:負の効果を見極めるよう,コアとなる知見の理解に努める。他大学の様子見戦略は効果的。大学内での取り入れも,一部の実験運用が効果的。
- 実践段階:成果を期待しすぎない。うまくいかない場合に,それを隠さずに示す。
- 評価段階:実験的運用をサポートし続けて成果を評価する。
- 組織学習と学習する組織は混同されやすい。
- 組織が学習する条件・方法の研究,ベースは心理学。組織内の個人の学習とは別,学習の価値に中立的,行動変化がなければ学習は起こっていない。
- ダブルループとシングルループに概念は集約される。新しい考えが示され,既存の考えが疑われる時に学習が起こる。
- 学習を促す条件:分権化,上下間の信頼関係,新しい情報システム,インセンティブシステム,学習文化,オープンコミュニケーション,情報共有,能力開発。
- 90年代にセンゲの5つの能力で有名になる。
- 組織学習は,組織学習の阻害や限界に注目するが,学習する組織はそれらの阻害や限界を乗り越えるプロセスに注目する。(後者は流行)。
- 高等教育研究では,TQMのようなツールとして扱われてきた。学習を顧客満足やベンチマークを知るプロセスと考えてきた(=ダブルループでない学習)。
- 近年の傾向:
- (1)ナレッジマネジメントとしての組織学習:どのように学習を起こすか。特にIRとの関連で,学内にデータベースの議論を起こす必要性(IRerの役割は,データから意味ある情報を取り出すこと)。
- (2)生涯学習・人的資源管理:FDの役割は,学習プランを示して実行すること。特に戦略計画に沿った学習プランとする。リテンションが戦略なら,大学が学生に与える効果を学ぶ機会をつくる。
- (3)社会構成主義教授法:異なる職層間での学習を促す。組織学習には本来社会構成主義学習の考えが埋め込まれている。
- (学生も受け身学習を手放すのは進まないもの。)