2016/11/21

桑田耕太郎(2015)「制度的起業研究と経営学」『経営と制度』13,1-24


  • 制度理論における制度:組織から独立した安定的な客体として仮定,技術的合理性や経済的合理性では説明できない,組織の同型化をもたらす「非合理的」で安定的な強制力を持つもの
    • → この仮定は,パラドックスを生む。
    • 埋め込まれたエージェンシーのパラドックス:制度に埋め込まれた企業が、い かにして制度を変えることができるのか?
    • → 制度とは独立に存在する制度の外部にある企業家なるものを仮定する必要が生じる→そのような企業家を仮定すると,何の制度からも独立した超越的合理性を持った企業家など存在しうるのかという論理的問題に陥る。
  • 制度的起業研究の制度観:制度は,それが価値あるものとして実践において参照されることを通じてのみ存在する。制度を維持しようとする実践も,制度を変えるような実践も,基本的に制度を参照するという点では変わりはない。
  • 協働体系において人々が活き活きと活動するには,その根幹に道徳的制度たる公式組織の構築と維持が不可欠である(バーナード)。
    • 経営学の根幹に組織概念を置く(脚本)→メンバーが協働する(演技)
  • 企業が社会における正当性を獲得しなければならない:
    • 交換手段の貨幣を、,貨幣そのものの増殖を目的とした資本として利用して利潤を獲得することの正当性,
    • そのために産業経営体という自由な個人を制約する組織形態を採用し,人々の行動を意識的に調整するという経営実践の正当性の2つの獲得。
  • 利潤の類型を 3 つに分類し,イノベーションへの対価としての利潤が正当性を獲得できるという考え方(Dean)
    • イノベーション:既存の定常状態を創造的に破壊し,経済を動的に成長させるキー概念。イノベーションを担うのは企業者精神。
    • → 正統性をすでに獲得した事業から新たな事業を生み出し,その事業を正当化し,制度化していくという企業者精神を研究する必要性。