2016/11/23

松嶋登・高橋勅徳(2008)「制度的企業家の理論的射程」『神戸大学経営学研究科 Discussion paper』39


  • 企業家:制度の外部から既存の制度に変化をもたらす存在(DiMaggio and Powel)
    • = 制度を変革する役割概念 ← +補助的制度(企業家に正当性や資源を提供する)
    • 企業家に想起された新結合も,近代的な合理性の下で管理の対象となる。
    • 制度変化を説明する外的要因としての企業家概念は,概念の外延に頼っており,制度変化の具体的な説明図式になり得ていない。
  • 制度は組織論の課題は,制度を主体から独立した実体として分析的に想定し,その制度に適応していく主体の実践を積極的にとらえ返していたこと。
  • → 言説分析で克服:制度を言説体系に現れる主体間の権力関係として,制度化を主体間の対話的闘争としてとらえる。→ 他者に対して納得的な言説を生産し,自らの言説を普及させうるより強力な主体として制度的企業家を概念化する。
  • アクター・ネットワーク理論
    • 翻訳:ネットワークの作動原理
    • 環境を構成する利害を主体の立場から仮説的に構成されたものとみなすために翻訳という概念が必要。
    • 制度化プロセスは,主体によって見出されたさまざまな主体の利害を取り込んでいくプロセス。
  • 制度理解の反省
    • 新制度派:組織が従う技術的効率性と制度的正当性を対置(市場原理下の競争的理由と市場原理でとらえられない文化的な理由の対置)
    • 経済学=制度化されない主体の利害の注目,新制度派=利害で説明されない制度化された主体に注目