Schein, E. (1990) "Organizational Culture," American Psychologist, 45(2), 109-119.
- 文化の理解や定義が難しい背景:社会科学の諸分野の交点にあるテーマだから。
- 文化を本気で研究するなら,臨床的でエスノグラフィによる研究が必要。
- 臨床研究:コンサルタントとして現場に入り,自分の関心でデータにアクセスし,観察でデータを補う。
- 組織文化:組織が,外部環境での生存と内部組織の統合を克服する中で学習したもの。この学習は,態度,認知,感情のプロセスでもある。
- 文化の定義:(1)前提認識のパターンである,(2)それはグループ内で開発,発展したものである,(3)それは適応と統合に対応するために学習されたものである,(4)それらは有効であると認識されて,実際に効果があったから学習された,(5)よって新人にも教えられる,(6)それは今後の問題を発見・考察して感じるための方法となる。
- 文化のレベル:人工物,価値観,前提認識
- 文化を理解するのに必要なプロセス:内部者の知識と観察者の質問を組み合わせるには,前提認識を表面化する必要がある。ただし,質問は双方向的に行われないといけない。そこでは観察者が,前提認識が確かに表面化し,双方がより理解したという感覚が得られるまで継続的に検証する必要がある。
- 組織文化の中に含まれる要素:
- 組織の環境における位置づけ(リーダー,フォロワー,ニッチ?)
- 人間活動(どう振る舞うのがよいか,支配者,先取り,受け身?)
- 現実と真実(どうやって正しいことを定義するか?実験,合意,規範,先人の知恵?)
- 時間(過去・現在・将来への志向性,どのような時間単位が最も適切か?)
- 人そのもの(人はどういう存在か,性善説,性悪説?)
- 人間関係(適切な関係性はどういうものか,支配と服従,競争と協力,個人と集団,自律と管理,同僚的と参加的?)
- 同質性・多様性(集団は多様な方がいいか同質な方がいいか?)
- 文化は学習されるものであるなら,学習モデルを理解することが重要。
- 集団は,どのように規範,信念,前提認識を学ぶのか?
- 文化は危機の中で学ばれる。
- ex. トップを批判→制裁を受ける→甘んじて受ける→トップは批判してはいけないという学習が起こる。
- 創設者が文化を創る → やがて各部門での学習も進む
- 主な学習手段:(1)リーダーが何を注視し,評価し,管理するか,(2)リーダーが危機にどう対応するか,(3)ロールモデリングとコーチング,(4)地位や褒賞を与える基準,(5)採用・選抜・昇任基準
- 副次的な手段:(1)組織デザイン・組織構造,(2)組織内のシステム・手続き,(3)物理的な環境・スペース,(4)逸話,伝説,象徴,(5)組織の哲学,信条,理念
- 新人を社会化するプロセスに注目するとよい
- 同じ学習をしても,個人は異なる反応をする。
- 完全順応:全ての前提認識を学ぶ
- 個性発揮:中心的な前提認識だけ学ぶ,
- 反乱分子:全ての前提認識を学ばない
- 完全順応を引き出す学習の組み合わせ:フォーマル,自己再構築,連続的,可変的,トーナメント型。
- 個性発揮を引き出す組み合わせ:インフォーマル,自己発展,ランダム,固定的,コンテスト型。
- 組織文化の発展
- 自然発展:部署がある限り,下位文化は生まれる。→ 全体の文化はその混合になる。
- 管理的発展:新しい前提認識を入れる変革をする。(合併統合でよくある)。