Hatch, M. (2013) "Organizational Culture," Organization Theory, Ch.6
- 文化:いろいろあるが共通点は,グループで共有されているものであり,意味,信念,仮定,理解,規範,価値観,知識の組み合わせに関するもの。
- ある集団のメンバーが獲得した知識,信念,技法,倫理,ルール,習慣,能力や傾向の複合体(Tylor 1871)。
- 人が生きていくために生み出した信念,行動,知識,拘束力,価値観,目標の全体(Herskowitz 1948)。
- 文化は,ある問題に対する共通性や合意をもたらすものだが,個別の違いに依拠するものでもある。
- 下位文化:組織内で共通性や親密性(専門性,性別,人種,職務,出身,国籍など)を持つ特定の集団が持っている文化
- そのため,下位文化はメンバーが頻繁に交流するほど発展する。= 組織内で特定の設備や場所を共有することが促進する。
- もう1つの下位文化の現れ方:トップの文化に対する態度でわかる:促進的,無差別的,反対的
- 下位文化はそれ自体が良いとか悪いではない。ただし,サイロになると組織統合を困難にする意味で課題になる。← Strogn Cultureと呼ばれる。
- 組織文化が注目される背景:構造研究だけでは,メンバーの感情的な要素を考慮できない。
- 初期の研究は規範の研究 = 文化は管理可能なものという認識 = 組織の競争力や有効性を高めるツール
- しかし文化は操作的な定義が難しい:エスノグラフィー(参与観察+非構造化面接)が主要な研究方法になる。
- 実証主義の組織文化理論
- 国別文化の組織への影響分析
- 個人の持つ国の文化が組織の持ち込まれる ⇔ 組織がその地域の文化に影響を与える(フランスディズニー:強い反対 → 現地文化採用 → 経営危機 → 地元が支援)
- IBMの国別分析:権力・富・威信の偏在受容度 × リスク回避志向度,個人主義・集団主義度数 × 性別役割主義・性別平等主義,長期志向 × 短期志向(ハードワークが長期的な見返りがあると信じる度合い)
- シャイン:組織文化論
- 人工物,価値観,前提認識
- 価値観は新人,達人,革新家によって揺さぶられる。
- 規範は明文化されないが期待される行動
- 文化的な人工物:対象物(ロゴ,什器,服装,設備,ポスター,標識),言語(専門用語,表現,伝説,噂,ジョーク,比喩,スローガン,スピーチ,言葉遣い),活動(儀式,会議,コミュニケーションのパターン,伝統,習慣,ルーチン,ジェスチャー,褒賞,懲戒)
- 象徴としての組織文化研究
- 象徴:多様な意味を持ったり,感情を抱いたり,行動を駆り立てるような,対象物,行為,関係性,言語のこと。
- Denotation:道具として象徴を使うこと,Connotation:象徴を表現として使うこと。
- グラウンデッドセオリー,エスノメソドロジー,分厚い記述,ストーリーテリング,ナラティブ,ドラマ化
- 勤続表彰などは象徴の1つ
- 組織文化の変革
- 管理者の関心:文化をどう変えるか。(ただし,トップは文化に大きな影響力がある。)
- 実証主義者:文化が規範や価値観を通して行動に影響するなら,管理可能なはず。→ 採用方法を変えて組織に望ましい規範や価値観を持った人を採用し,訓練と社会化を行い,トップに合う文化の人を褒賞する。
- クランコントロール:望ましい文化を身につけるよう新人を社会化する。
- シャイン:環境適応か内部統合の際に組織文化を変えるメリットがある。
- 象徴としての文化:組織文化や下位文化は,メンバーと交流しない限り理解できない。
- 戦略の採用が文化を変える。文化の変化が起こるのは,既存の仮定や価値観と整合的でない戦略がとられる時。
- → 既存の価値観や仮定が壊されたり覆される = 戦略は実行されない。
- → 既存の価値観と整合的であれば,戦略は次第に実行される。
- 組織文化変化のダイナミクス(Hatch)
- 人工物→(象徴化)→象徴→(解釈)→前提認識→(表明)→価値観→(現実化)→人工物
- マネジャーがこのプロセスに参加するなら,変革可能。現実化か象徴化から着手が可能。