田中久直(1970)『考えさせる発問』明治図書新書60
- 発問の目的:
- 導入のための問いかけ:経験をたずねる
- 動機づけのための問いかけ:前の時間の学習内容をたずねる
- 学習意欲をさかんにする問いかけ:できない生徒にやさしいことをたずねて自身をつける
- 学習管理のための問いかけ:脇見をする生徒に話したばかりのことをたずねる
- 評価のための問いかけ:予備知識があるか,教えたことが理解されたかをつかむ
- 発問は,学習指導上の価値を持つ,文化的な価値を持つものを問う。
- 発問を通じて考えることが具体的に意識されている必要がある。
- 「今の発表についてどう思うか」
- 発表の形式,態度,内容のどれを問うかがわからない。
- どう思うかは,自分の考えと同じもの・違うもの,聞いて気づいたこと,全体を通して共通することなど多くのことを思うので重点がわからない。
- 指導の目的と内容が具体的に理解できていないと,発問できない。
- 発問を聞いて考えたくなるものである必要がある。それは,考える価値があると生徒が自覚できるような内容を持つ発問である。
- しかし,あるがままの興味や関心に迎合した発問は,学習の水準を維持しない。
- 相手が現に持っている興味・関心を認めて,それを望ましい方向に伸ばす発問とする。
- 教師が生徒の意識について深い洞察力を持ち,指導内容に行き届いた理解をしていることで発問が支えられる。
- その場で考えて応答するのではなく,引き続いて考えを深めていこうとさせる発問とする。
- 考えさせる発問には,次にどういう発問を加えなければならなかったか,連続的な発展関係を見ないとわからない。(生徒が賑やかに応答するだけではわからない。)
- 「何が書いてあるか」「どういうことがわかったか」「どこがちがっているか」など,何やどうの内容を明らかにしない発問が多い。→ つまりはこうだ,という思いもよらない解答を注入されて面喰らうのがおち。
- 発問内容を具体的に意識できるためには,授業の目標・内容が具体的に捉えれれていなければならない。
- かぐやひめ「幻想的な美しさを味わせる」→幻想的な美しさとは何か,それを味わうとどういう状態になるかに答えられない=適切な発問ができない
- つまり,目標だけでなく,教材内容の分析的・具体的な研究が必要。
- 考えるための基礎知識は発問にしない。
- 考えさせる発問は,考える手がかりを含んだものにする。
- 教える内容は,未熟な学ぶ側から見たときにどういうものであるかを十分検討する必要がある。
- 考える手がかりはそれまでの学習過程にあるため,発問の順序を大切にする。(中核的な発問と補助的な発問で構造化される)。
- 既習事項を能力の中以上の生徒に説明してもらう発問を取り入れる。
- 考え方の筋道を作る意図のもとで発問を用意する。
- 考える目当てをはっきりつかませる:何のために何を考えるのか。
- どこから考え始めたらよいかに気づかせる:はじめから助言して考え始める観点を与えてもよい,考え始め方の重要性に気づかせる。
- 正しい道筋のたどり方をわからせる。
- どういう資料を使うかを助言する。
- 前に経験した考え方を利用させる。
- 常に目当てを見通しながら考えさせる。