中村公一(2010)「専門組織と経営戦略 -戦略策定能力から戦略実行能力の向上へ-」『経営力創成研究』6,73-85
- 専門組織(専門部署):通常のライン部門ではなく,特定の課題に対応するために設置した,より専門性を高めたスタッフ部門
- 専門化の長所
- 複雑な仕事を比較的単純な仕事に分ける=熟練度の低い人でも実行可能
- 特定範囲の仕事に集中,責任の明確化,重複作業解消,能率向上
- 専門化の短所:仕事の単調化,人員の固定化,組織内の対立
- 専門化のプロセス:専門担当者の配置 → 専門チーム化(プロジェクトチーム・委員会) → 専門部署化(それが恒常的に必要と認識した時)
- 研究の焦点は,なぜ経営企画部が設置されるのか。
- (1)不確実性への対応能力の強化
- 組織が適切な行動を展開するには,意思決定の際に十分な情報処理を行う必要がある。
- 環境の不確実性に効果的に対処する際,各部署が特定の部分環境を専門的に対象にする=組織内で分化(部門間で組織メンバーの思考様式や価値観が異なり,部門内の構造や文化の相違が大きくなること)
- → 部門間の統合を専門の職能とする統合担当者や統合部門を設置
- (2)経営者層の意思決定負担の軽減
- 事業の多様化 → 事業部制・分権化 → 部署最適化 → 経営者の戦略策定サポート,全社的視点の調整作業を経営企画部が行う+経営者の負担軽減,より重要な経営課題に集中
- (3)知識・ノウハウの蓄積
- ナレッジマネジメント=戦略関連の暗黙知をミーティングやOJTで共有化
- M&A=頻繁に経験しない特殊な戦略=M&Aに関する知識が存在しない → 専門部署は経営者層・管理者層・一般従業員層へ異なる経営教育的アプローチが求められる。