2016/05/17

ハーマン,R.・ヘイモービックス,R.(堀田和宏・吉田忠彦訳)(1998)『非営利組織の経営者リーダーシップ』森山書店


  • 非営利組織を運営する資金の源泉:(1)政府の資金・助成金,(2)市場での財・サービスの販売,(3)寄付金。
  • 非営利組織は,透過性の高い境界を持ち,変化しやすい政治的・社会的・経済的環境に存在している。そこでのリーダーシップの主たる責任は,境界の外に働きかけて資金基盤に影響を及ぼす環境諸要素との関係に組織を位置づけること。(自己完結的な非営利組織は存在しない)。
  • 非営利組織は外部資金に依存するため,組織を一定不変に保つことができない。使命は,ニーズの変化や資金の利用可能性で変わる。組織という言葉は官僚制型の組織図を連想させるが,オープン組織では組織が絶えず再生されている現実を不明瞭にする。
  • 組織は決して完了することはないという現実に目を向け,組織ではなく組織化について考えるべき(ワイク)。変化する一連の関心を絶えず組織化することが必要。
  • 有能なCEOになるには,成功を収めた政府官吏と企業家的なビジネスマンの性質を結合させることが必要。つまり,多様なコミュニティの価値を支持し,公共の利益のために働きながら,最終損益に注意する。非営利組織のリーダーシップは,複雑で対立する期待に直面している。
  • 伝統的な階層モデルを特徴づけるための,管理されたシステム(Managed System)理論の主要命題(エルモア 1978):
    • 組織は目標・目的を持つ。
    • 組織は部分からなるが,統合された合理的行為者として運営されるものである。
    • 活動を合理的に統一するためのメカニズムとして,階層的なコントロールが行われる。
    • 目標達成を最大化するために組織の活動を管理するのは,階層のトップにいる集団の責任である。
    • 効率的な管理とは,目標達成に影響を及ぼしそうな事態や圧力に関する情報を収集し,最適水準の目標達成に到達するためにさまざまなタスクを配備し,タスク配備を調整するために継続的にパフォーマンスを監視することである。
  • CEOのリーダーシップ:(1)スタッフや理事会へのリーダーシップは,独自の行動技能が必要(両者に別の行動が必要),(2)効果的なCEOと非効果的なCEOの間で,スタッフへのリーダーシップの範囲について違いはない。しかし,効果的なCEOは理事会へのリーダーシップは気に責任を持っていた。
  • 効果的なCEOは,対外関係に時間を割く。そのためには,内部に割く時間を減らす必要があり,より分権化された内部管理体制の開発を進めて,スタッフに多くの権限と責任を移譲していた。
  • 理事会中心のCEOの6つの必須技能
    • 理事会の内部諸関係の相互作用を促進する。
      • 満場一致は合意でない。反対意見を出す立場・関心・利害に精通する。
    • 理事への配慮と敬意を示す。
      • うまく話を聞く。
    • 理事会と共に変化と革新の青写真を描く。
    • 理事会の業績達成と生産性を高める。
    • 理事会が機能するための機構を作り出し,維持する。
      • 資料・日程表・作業計画を作って提供する。理事会のルーチンを開発する。
    • 理事会に役立つ情報を提供する。