2016/04/13

「国立大学法人第3期を考える」『IDE現代の大学教育』No.574,2015.10

佐々木毅「大学と政治の時間軸」

  • 組織を考える時に鍵になるのは時間軸,あらゆる組織に時間軸が同居しており,その整理が組織運営上の第一の仕事。政府や政治は単年度予算や解散のために短期志向。大学は長期の時間軸で成り立つ組織。


山極壽一「国立大学の将来を考える」

  • 世界の大学の3つの異なる設立歴史:(1)欧州=教養ある貴族・市民を育てる目的(職業訓練は大学と別),(2)北米は個人の能力を高める目的(市民や企業の資金を集めて作り,職業教育もする),(3)アジアは王国に仕える官僚養成が目的(高い教養を求め,大学は狭き門,受験競争あり)。
  • 国立大が5教科7科目を課すのは,一定水準以上の学力を持つ学生を総合的に選別し,その能力を高めて洗練された市民として送り出すことを共通の使命としているから。 
  • 国立大は,欧州のような共通テストで学生負担を減らして受け入れる方向も,米国のような私立主体で自己資金を大きく増やす方向にも進めない。



北山禎介「国立大学改革に期待すること」

  • PDCAサイクルを環境変化に対応できるスピードで回すことが重要
  • (PDCAを語る際には,技術の曖昧さに注目する必要あり,Doが遅いのは技術確率に試行錯誤が必要なためでは。)


(学内研究者に限定した基盤A・B科研を作ったらおもしろいはず。)

金子元久「国立大学の活路」

  • これまでの国立大学の存在意義:(1)先端的な研究・教育,(2)教育機会の均等化,(3)社会の要求の実現(戦後の教員養成,高度成長期の理工系拡大,福祉国家化における地方医大拡充)
  • これらは今批判されている:私大との歳が相対化している,国立大の学術的権威の相対化


有川節夫「第3期中期目標機関におけるいくつかの課題」

  • 国際共著論文を増やすために,海外のパートナーを訪問する際に大学院生を帯同させ,教員が帰っても院生を残す仕組みができないか。