2016/01/29

隅田学・和田敬行・坂本定生・今林義勝・石田靖弘・大橋淳史(2015)「21世紀型探求・発見学習による理科授業の開発1」『日本科学教育学会研究会研究報告』29(6),19-22


  • 探求型教授・学習の特徴(川原 1986)(20世紀型の特徴)
    • 探求授業は注意深く計画される。
    • 探求授業は一般的なパターンに従う。
    • 探求学習は高度にプロセス思考である。
    • 教授・学習は疑問中心である。
    • 教師は学習の指導者である。
    • 子供は前もって答えを知らない。
    • 時間は最も重要なものではない。
  • 21世紀型(知識基盤社会)
    • 一般的なパターン化された学習,子供は前もって答えを知らない,時間的な制約は優先でないは修正すべき。

2016/01/26

中央教育審議会大学分科会大学教育部会(2016)「「学位授与の方針」(ディプロマ・ポリシー),「教育課程編成・実施の方針」 (カリキュラム・ポリシー)及び「入学者受入れの方針」(アドミッション・ ポリシー)の策定及び運用に関するガイドライン」


  • 3Pの問題:文言が抽象的,相互の関連がない。
  • H28から知識・技能+思考力・判断力・表現力+主体的学習態度の指導を受けた高校生が入学。
  • 留意事項
    • 策定のための組織と体制:学長中心,策定単位,IR。
    • 策定単位は学位ごと。
    • 社会が理解できる表現で示す。
    • 学生が身につける能力の目標を明確化する,学士力,参照基準を踏まえる,進路先ニーズを踏まえる。
    • 学習方法,学習成果の評価のあり方を具体的に示す+初年時,教養,専門,キャリアなどの観点から検討する。
    • 3学力を念頭に入学前に身につける能力を具体的に示す+APを具現化する評価方法の活用・比重を具体的に示す。
    • 自己点検で3Pの適切性を点検する。できれば定量指標で評価する。


これがガイドライン。。

2016/01/25

中島弘至(2014)「偏差値による大学変数の分析」『東京大学大学院教育学研究科紀要』54,201-210

  • 偏差値の高い大学ほど一般入試比率は高い,偏差値の高い大学ほど退学率は低い,偏差値の高い大学ほど正規就職率は高い,というかなり直観的な仮説を検証する。
  • 大学の実力に掲載された,381大学875学部のデータを使用。文系・理工系,国公立・私立に分けて分析。
  • 一般入試比率,退学率,正規就職率の3つを従属変数に,偏差値,ST比,充足率,属性ダミー(国公立,東京,京阪神,女子大,宗教系)で回帰する。
  • 偏差値は,大学の重要な変数との相関が高く,大学選択の手段として信頼できる指標の1つである。

測定可能な変数だけを見ているので,このような結論になるのは当然。学生の成長を捉える変数を入れなければ,著者が指摘する問題にそもそも切り込めないはずなのに,なぜ相関が明白な変数だけに注目したのかが疑問。

2016/01/22

荒木淳子(2008)「職場を越境する社会人学習のための理論的基盤の検討 ―ワークプレイスラーニング研究の類型化と再考―」『経営行動科学』21(2),119-128


  • ワークプレイスラーニング:主に仕事での活動と文脈において生じる人間の変化と成長。2つの立場
    • インフオーマルで偶発的な学習を強調する立場=自律的な学習,ネットワーキング,コーチング,メンタリング(⇔研修等のフォーマルな学習)
    • 業績との関係を強調する立場(フォーマル・インフォーマルを問わない)
  • WPL研究の依拠する4つの学習観:(1)学習転移モデル,(2)経験学習モデル,(3)批判的学習モデル,(4)正統的周辺参加モデル(長岡 2006)
    • 学習転移モデル:研修など教育プログラム内で習得した知識やスキルを,職場に転移し応用するモデル
    • 経験学習モデル:人が自らの経験から独自の知見(マイセオリー)を紡ぎだすことを学習と捉えるモデル
    • 批判的学習モデル:学習者自身が「あるべき姿」を描くプロセスを重視し,自分自身の状況を意識的に省察することを通じて,現状に対する問題意識を育むことを学習と捉えるモデル(=以上3つ,経験による内省学習観)
    • 正統的周辺参加モデル:学習を,個人の経験というより,ある社会的活動への参加と捉える(=参加学習観)
  • 経験からの内省学習観の基礎となるのは,Deweyの「反省的思考」概念
  • WPL研究の4類型
    • 職場経験アプローチ:経験による内省という学習観に基づき,個人の熟達化を促すための経験を,職場での仕事に着目して明らかにしようとする立場
    • 職場参加アプローチ:参加による学習という学習観に立ち,そのような学習を促す環境を,主に個人が所属する職場に着目して分析する研究
    • 越境参加アプローチ:参加による学習という学習観に立ち,そのような学習を促す環境を,職場やそれ以外の共同体への参加に着目して分析する
    • 越境経験アプローチ:経験による内省という学習観に立ち,そのような学習を促す環境を,職場やそれ以外の共同体への参加に着目して分析する
  • メンタリング・コーチング・仕事経験に関する研究:職場経験アプローチに分類される。
    • 職場を越境した学習や経験を含めて分析する研究はほとんどない。
  • 職場や職場を越境する学習の場についての研究蓄積=参加アプローチの研究
    • 職場や職場を越境する実践共同体への参加の実態を明らかにしようとするものであり,仕事のための学習を効果的に行うためには,どのような介入が望まれるかといった視点での研究は非常に少ない。
  • 今後「越境経験アプローチ」による実証的研究の進展が望まれる。

2016/01/21

矢澤雅(2008)「行動目標モデルのカリキュラム論とその批判」『名古屋学院大学論集 人文・自然科学篇』44(2),39-49


  • 現代イギリスのカリキュラム論争
    • カリキュラム構成(curriculum making)
    • 学習者の学びや教授法(pedagogy)の概念を前面に出す研究
    • 歴史は前者→後者
  • 行動目標カリキュラム開発の留意点
    • 評価者は,授業後における学習者の望ましい行動の変化について明確に記述できる目標の使用を促進するべき
      • 行動目標は学習者が達成できたかどうかを観察可能なように述べる
      • 明確に記述された目標の達成について教師は最も効果のあがる教授システムを工夫しなければならない
      • 教授目標が測定可能なように表現されることを意味し,それは数量的評価という形をとる=到達度評価(ブルーム),診断・形成・総括のサイクルを実行して行動目標を達成
    • 教育評価者は,教育上重要であるにもかかわらず行動目標として測定することができない領域の教育実践について教師たちの多くがかなりの努力をささげたいと願っていることを承知しておく必要がある。
    • 教育評価者は学習者の構成的反応を必要とする教授目標を利用する場合には適切な評価基準を確認しなければならない。=エッセイ・パフォーマンスで解答を構成する場合の評価形式は,容易に数値化できないが,一般的印象によって評価せず,判定のための適切な評価基準を設置し可能なかぎり数値化することが大切。
    • 教育評価者は,一般的な教育内容を含む測定可能な目標の活用を求めるべき。(〇〇の叙事詩の形式を特質づける3要素を確認する → 叙事詩を特質づける3要素を確認する)
    • 教育評価者は行動目標の最小限の熟達水準を設定するように努力すべき。(80点と90点どちらが水準に達したとするか)。
    • 教育評価者は,教授目標を記述する際にも新しい目標を設定する際にも,教育目標の分類学が有効であるということを銘記する必要がある。
    • カリキュラム開発者は・教育評価者は,自分で目標を構成するよりも教授目標をプールしてある専門機関が蓄積した目標の中から測定可能な目標を選択する方が効率的である。
  • 行動目標カリキュラム批判(スコット)
    • 目標以外の多くの行動の評価を排除する+生徒の内面的状態(理解する・価値を認める・学習する)を排除する
    • 目標項目間に何らかの形の論理的配列を設定することが,生徒の最適で自然な学習過程を無視する危険性を持っている(文脈の中に組み込まれた知識や技術の学習を無視する)。
    • 生徒との相互作用の過程で,目標の意味や価値について自ら問い直すことを求めない(=学習者は事前に決定された目標をいかに効率よく達成するかということに取り組む技術者になる)。
      • 指導後の評価で,生徒が何を学んだかや目標の妥当性よりも,指導技術の効率がよかったかどうかのみに焦点があてられる。
      • 知識内容の分類学に支えられた行動目標モデルは,教師が指導過程における教授学知識や生徒の学習スタイルについて何も考慮しない(?)
    • 教育目的・教育内容と教育方法との分離問題=事前に設定された目標が達成されれば,方法は問わずにすべて適切。
  • 行動目標カリキュラム批判(ステンハウス)
    • 浅薄な行動目標を優先する傾向があり,重要な教育成果を犠牲にしてしまうのではないか。(→ ランキング重視へ)
    • 事前設定の行動目標に拘束されると,教室内の指導過程において偶然に起こる出来事を活用することができない。
    • 学校外における教育活動との関係を見逃してはならない(親・地域)。
    • 測定を非人間化し,多くの人間的行為の複雑さを,数値で評価することに対する批判。
    • 行動目標を外部機関が設定することは,生徒や教師の人格を無視するものであり非民主的なものである。
    • カリキュラム研究は教室内で起きる出来事の研究に焦点を当てることが最優先されるべきであり,道理にかなったカリキュラム計画は教室状況の現実を教師が熟慮して経験的に作りあげるべき。
    • 行動目標に依存することなく効果的な授業を組織してきた実績を注意深く研究する必要がある。
    • おおざっぱな一般的な目標の方が,教育の自由が確保されるのでやりがいを感じられる。

2016/01/20

神田眞人(2016)「超有識者場外ヒアリングシリーズ 大学改革編 : 天野郁夫東京大学名誉教授(元東京大学教育学部長)」『ファイナンス』」平成28年1月


  • エリート・マス・ユニバーサル段階移行:エリート段階はそのまま存続,マス段階になるとそれに対応する新しいタイプの大学が加わる,ユニバーサル段階になるとそれに適応する高等教育機関が加わ=三層構造的になると見ていた。
  • カリキュラムの問題(何を教えるべきかという点)で日本は遅れている。⇔日本の教育財産:文系の学部段階のゼミ・卒論,理系の実験・実習・研究室制度。
  • アメリカの学長権限が強いのは,教育機関であるカレッジから出発しており,学長は校長として学生を徹底的に教育・訓練する責任を負い,教員達も自治など認められず,教師(Teacher)として雇われていたため。しかも強力な理事会があって理事会が学長を任命していた。
    • そのあとで大学院が入った=教員が20世紀頃から力を増し,自治や自由を獲得するようになった。→ 理事会・ 学長を中心とする執行部・教授会という三者の力関係を中心に運営されるようになる。
  • 昭和22年にアクレディテーションのための大学基準協会が創設 → 全く育たない。
    • アメリカ占領軍=文部省の解体・弱体化をはかった
    • 大学設置認可の権限を文部省が握り,大学設置審議会で設置審査をすることになる
    • ボランタリーに大学が集まった大学基準協会が大学基準を作成しても,国家の設置基準の方が権威になり,大学基準協会の基準による評価をもう一度受ける必要はないという考え方が強かった。
    • アメリカは国家による設置認可制度がない=届出制に近く,自由に大学を設置できる=その質を維持するアクレディテーション制度を大学が集まって作った。
    • 日本はその経緯を理解せず,旧制大学中心のエリート大学団体になってしまった。
    • 大学基準を通ったらメンバーにしてあげるという意識が強かった → 新制大学側が設置認可を受けているんだから余計なお世話と拒否反応 → メリットも義務もない中,定着に到らず。
  • コミュニティ・カレッジ的=専修学校・ 各種学校:18歳人口の20%前後が進学(>短大=4%)
    • 文科省が国際比較の際に入れない=コミュニティ・カレッジを入れているアメリカ,生涯教育的な機関を入れる欧州と比べて高等教育進学率が低く見える。
  • 戦前期の国立大学の特徴は学力主義:
    • 必修主体のカリキュラムを全科目履修させる,厳格な科目主義を取り,教育も進級制度が厳しく,入口も入学者選抜が厳しかった
    • 平均点60点以上取らないと進級させず,一科目でも50点以下があれば落第,留年は一年しか認めない,二年で即退学,
    • 出口も最初は帝大で卒業試験をやっていた,法科大学は一科目でも落とせば進級できず,卒業試験があり,その後に高等文官試験もあった
    • 学生が試験漬けになっているという批判が強くなり,卒業試験は明治末に撤廃。
  • 戦後は履修主義:
    • 単位制度が導入,124単位をとれば卒業できる,選択制度が大幅に入る,評価は点数主義ではなくなる,卒業試験もなくなる。
  • 卒業試験の再導入は難しい(これだけ緩くなったので)→ カリキュラムを強化して教育プロセスでの評価システムをきちんとする必要がある。
    • 学位が多様化=何を学んできたかの証明にならない → 学位の種類を整理・統合すべき
    • 大学の種別化よりも学位の種別化の方が効果的ではないか=一般的な能力を高めるためのカリキュラム改革を進め,専門性の高い部分については大学院なり生涯学習の部分を強化していく方が望まく,生涯学習型のカリキュラムの開発が急がれる。
  • 毎年同じだとランキングを載せた雑誌が売れないので,変化させるために評価の指標を変える。
  • テストで捕らえられないものを評価する=文化資本や社会資本といった,人間関係・社会関係の中で培われてくるものを評価する。文化・社会資本にめぐまれた豊かな階層とそうでない階層があるところでエグザマンを強化していけば,弱者を排除して強者をすくい上げるシステムになりかねない。

2016/01/19

学習する組織


  • 学習=肉体的・ハードウェア的変化がないにもかかわらず,行動や挙動が変化したとき,内部で学習されたと考える(かな漢字変換など)。
  • 個人の学習の3つのタイプ
    • パブロフ型条件付け
    • 道具的条件付け(成功経験から左は電気ショック右は食べ物を学ぶ)
    • 観察学習(上の状況を見て学習する)
  • 組織が学習する=組織が持っている暗黙の了解を塗り替えること。
  • ダブルループ学習の確率を上げていくには,日常的なシングルループ学習が重要。(ダブルループ学習は確率的なプロセスである=暗黙の了解の変化は狙ってできるものではない。)

2016/01/18

Bikas C. Sanyal (1995) The use of computerized information systems to increase efficiency in university management, UNESCO: International Institute for Educational Planning, IIEP Contributions No.20


  • 大学の情報システムの発展段階
    1. the use of central mainframes for administrative purpose
    2. non-integrated systems except for the use of some key or reference file
      1. shift of the emphasis of computer support from mass data processing to user-friendliness providing middle management staff with necessary information direct
      2. installation of departmental computers
      3. increasing number of 'marginal' administrative areas supported by computer
      4. extension of administrative computing support to decentralized organizational units
    3. 'partial support' for clerical work to facilitate handling huge amounts of data
      1. focus on providing support for integrated administration tasks, i.e. transfer of data/documents from one system to another, from one department to another etc.
      2. provision of integration between central administration and decentralized units which were supported separately in the previous phase
      3. establishment of links between office automation (e.g. word processing) and administrative computing systems
      4. integration of the administrative computing systems of the various administrative departments for use by institutional managers
    4. focus of management support on the mandated delivery of statistical data to outside agencies rather than on the institution itself

2016/01/15

Arnold, K. (2010). Signals: Applying academic analytics. EDUCAUSE Quarterly, 33(1).


  • Signalsプロジェクト=Student Success Algorithmsを開発,学生に警告を送信,不振学生を見つける新しい戦略。
  • Actionable intelligenceを生み出すことが目標。
  • 11000学生,50教員が利用。要するにCMSの一種(?)。
  • AAに取り組む前から,CMS,学生情報システム,クリッカー,図書館システム,ストリーミングシステムなど,学習に関する情報を蓄積したものがあった。その利用を阻害していた要因は2つ。
    • データが別々に保管されていた,異なるシステムやフォーマットで保管されていた。
    • 教育に内在する問題=教員が変わると技術の使い方も変わる。ある教員が重視するツールは,他の教員は重視しない。
  • Signalsはリアルタイムで学生のパフォーマンスを確認して教員と学生にフィードバックするシステム。
  • 初期の目的は,不振学生の発見,ヘルプデスクから様々な教授サービスの提供,学生オリエンテーションプログラムの再構築の3つ。
  • Purdue Early Warning System:教員から中間試験の成績を集めて,学生に学習支援を提供する。
  • Siglanlsのポイント:Student Information System,CMS,成績表からデータを取り出し,比較可能な形に変換し,リスクレベルを生成するアルゴリズムにかけて判定する。学生のCMSページに信号機を表示する,メールでリマインドする,アカデミックアドバイザとアカデミックリソースセンターに紹介する,教員との面談を行うというアクションを教員は取る。
  • 大規模大学で特に重要な取り組み。不振学生は埋もれやすい。
  • 教員のポータルには学生のリストと信号機が一覧で並ぶ。(結局,頻繁にCMS上で試験をして,その結果を大学で共有するだけの仕組み?学生のプライバシーの問題になるのでは?)

2016/01/14

Campbell, J. P., DeBlois, P. B. and Oblinger, D. G. (2007) "Academic analytics: A new tool for a new era," EDUCAUSE Review, 42(4), 40-57.


  • 教育の質に関する説明責任の圧力が高まる中で,Academic Analyticsという形でITが貢献できる。
  • 経営判断に用いられる分析は,初年次教育の質から潜在的な寄付者の発掘まで。
  • IRerとAderが情報を分析して学生にアクセスすることから進んで,今では資金獲得にもITシステムを用いることができる。
  • 潜在学生の大規模データを用いて,入学者獲得戦略を立てる事例(1990〜,Baylor University)。最も有意な8変数は,プレミアイベントへの出席,キャンパスビジット,正課外カリキュラムへの関心,高校の出席率,Mail qualifying score,SATスコア,自主的なコンタクトの回数,オンライン相談のスコア
  • リテンションの予測変数(U of Alabama):累積GPA,英語コース,英語コース成績,自宅からの距離,人種,数学クラスの成績,合計修得単位,ACTスコア
  • 成功するAAプロジェクトが備える3つの特性:(1)リーダーがエビデンスベースの意思決定にコミットしていること,(2)幹部職員がデータ分析のスキルを有すること,データを自由に収集・利用・分析できるプラットフォームがあること。
  • AAプロジェクトをうまく回す留意点:監視者の存在(誰がデータを取る権限を有するのか),全体的視点,教員の参画,プロファイリング,プライバシー,データ管理,情報共有。要するに,AAは強力な道具だが,軋轢をもたらすこともある。

2016/01/13

Martin Olmos and Linda Corrin (2012) "Academic analytics in a medical curriculum: Enabling educational excellence," Australasian Journal of Educational Technology, 28(1), 1-15


  • Academic Analysis:教育の質向上に向けた戦略に影響を与える実用的な知見提供すること
  • これを革新的で統合的なカリキュラムを作ることに用いた事例。
    • AAの開発では,技術よりもトップのコミットメントとスタッフのスキルが決定的。
    • 情報収集と報告だけの文化から,実行可能な行動計画へ。
  • 学習成果の4領域:医科学,臨床技能,人的・専門職スキル,研究力
    • 93臨床事例を学ぶカリキュラム。
    • 12ヶ月の僻地実習あり。
    • 問題はこれらの特徴が,学習成果に結びつくか,大学と現場の学習が乖離しないかの2点。これをシステムで解決することを試みる。
  • 実際は様々な学習履歴データを可視化する試み。

2016/01/12

加藤直樹・日比光治・興戸律子・村松祐子・村瀬康一郎・山崎宣次・横山隆光・松原正也・伊藤宗親(2012)「教育経営情報システムの開発(1) -教育経営簿の機能-」『岐阜大学カリキュラム開発研究』29(1),65-70

  • 教育経営情報化モデルを検討するフレーム:(1)判断系,(2)計画系,(3)実務支援系,(4)実績把握系,(5)分析系。うち,校務情報化の主な対象は(3)実務支援系。
  • 週案簿システムを開発,既存校務支援システムにもあるが時間の集計が重点,内容や教材の扱いが不十分。
  • 作業と情報に着目した関係者マップ
    • 同学年同僚:生徒状況,学級づくりノウハウ,学校行事情報,授業進捗状況
    • 同教科同僚:指導計画・指導内容への意見
    • 管理職:指導アドバイス,各種書類
    • 他校教員:授業実践方法
    • 保護者:授業実践例,授業アドバイス
    • 保険・図書同僚:生徒状況,イベント情報,教育方針
    • 地域:生徒の状況
    • 業者:教材

2016/01/11

渡邊俊輔(2001)「組織学習における情報システムの役割:組織記憶の手段としての適用業務システム」『経済研究』(明治学院大学)121,91-102


  • ITの役割を情報の共有に限る見方は狭すぎる。すでに組織の価値連鎖を構成する様々な業務に深く浸透していて,多くの業務が情報システムなしでは遂行できない。知識の獲得・蓄積とITの関係はより多面的に検討されるべきである。
  • 組織学習論から見ると,情報システムは組織記憶の手段としての役割が大きい。
  • 組織の行動能力は組織ルーチンに依存する。よって,組織学習は組織ルーチンの変化と定義される。
  • ルーチンを機械に埋め込むことの利点は,強制力が高まること。教育やマニュアルで伝達されても,忘れられたり無視されたりする。
  • 組織学習の観点からは,自社で情報システムを開発することが有利。(自社の業務手続きやノウハウが優れていることが条件,パッケージの想定する手続きの方が優れているならパッケージ導入がよい。)
  • システム開発には,業務に豊富は経験と知識を持つユーザが参加することが望ましい。その場合は,プロトタイピングが有効(⇔ ウォーターフォール=開発を構造化して一段階ずつ終了していく)。
  • システム開発のアプローチ
    • データ中心アプローチ:対象業務で扱われる実体の種類と属性を分析してデータモデルを構築した後に,データを加工するものとしてプログラムを記述する。
    • プロセス中心アプローチ:システムの機能を定義した上で,機能を実現するためのプロセスを検討して,システムを設計する(従来型アプローチ)。

2016/01/08

Mampilo, P. and Ray, K. (2014) "Management Informations Systems Use in Higher Education Environments," Association for Information Systems 2014 Proceedings, Paper 29.


  • 大学のMIS活用を考察する視点
    • Unified theory of acceptance and use of technology
    • contingency theory
    • 質的・量的のミックス法
  • UTAUTモデルを実証分析
    • 成果期待,努力期待,社会的影響,促進条件 → 使用意図 → 使用行動
    • ↑ 性別,年齢,経験,自発性
  • 高等教育機関に調査票配布,5件法で評価。その後,半構造化面接法による質的調査。
  • 実際の回帰モデル
    • ユーザ特性,フィット特性,システム特性,マネジメント特性,組織特性
    • → MISパフォーマンス期待 → MIS努力期待
    • → 行動意図
    • → MIS完全利用

2016/01/07

首藤聡一朗(2010)「経営情報システム構築プロセスから生じる組織学習」『麗澤大学紀要』91,89-109


  • 経営情報システム構築プロセスそれ自体が組織に対してどのような効果を持ち、その効果をどのようにマネジメントするかという観点からシステム構築のプロセスを整理した議論はまだない。
  • 経営情報システム構築を考える際には,そのプロセスが重視されるようになった。
    • プロセスを考える際、システムと組織が相互作用を起こしながら進む,事前には予期できない創発的なものとして捉える考え方が出ている。=組織学習を視野にいれる必要性を強調。
    • 構築する情報システムと組織の間の整合が重要,その整合のためには組織学習が必要。
  • そこで本稿は,経営情報システムが創発的なプロセスに与える影響と,組織学習がもたらす効果の2つに注目して事例分析を行う。
    • システム仕様を作る → 現場の暗黙知が記述される → 現場でシステムを作る・知識が横に広がる
    • システム仕様を作る → プロセス思考の価値観が広がる。一般論に陥りやすい価値観に比べて,ビジネスプロセスの形で表現された具体的な考え方が伝わりやすい。

2016/01/06

竹安数博・石井康夫・樋口友紀(2013)『現代経営情報システム』中央経済社


  • 経営情報システム:企業グループの経営課題の解決や経営管理の効率化のために関連する情報を,必要に応じて迅速,正確かつ適切に収集・分析・貯蔵し,有効に活用できるように構成した仕組みである。
  • 対応するICTツール
    • 全社戦略:Business Intelligence tool, Corporate Performance Management, Knowledge Management System
    • 事業戦略:事業管理ソフト,CAD, POS
    • 機能戦略:経理システム,人事システム,グループウェア
  • 経営情報システムの発展
    • 60年代=給与計算,会計処理,売上集計などのシステム
    • 70年代=それらを統合した大規模集中処理システム
    • 80年代=意思決定支援システム(経営者が直接操作する対話型,非定型な意思決定に必要な情報提供支援)
    • 90年代=経営の効率化・業務改善を図る業務横断型ソフト
    • 00年代=必要な時に必要な経営情報を抽出・蓄積できる意思決定活用システム
  • 経営情報システムの役割=業務品質向上,効率化による費用削減,意思決定の迅速化 

2016/01/05

宮川公男・上田泰(2014)『経営情報システム』第4版,中央経済社


  • 産業の情報化=生産要素としての情報の投入量が増えること(軽薄短小化はインプットが情報で代替されている,Just-in-Timeは情報による在庫の減少)。
  • 稟議制度=稟議書に書かれた決定事項に関わる構成員に情報伝達を行う,日本独自の情報システム。
  • 情報化に寄って実現する戦略的目的
    • 業務の効率性・生産性の向上:他部署との相互関連(ビジネスプロセス)を,正確・迅速に行うため。(ex. POSシステム)
    • 新製品・サービスの開発・製造:新製品の設計や製造管理を正確・効率的に行うため。(ex. CAD,音楽のネット販売)
    • 取引業者との密接な関係の構築:複数の業者がネットワークで結ばれ,材料や製品の流れを正確に調整するため。
    • 意思決定支援:組織内外の多くの情報を集計・分析することによる,意思決定の向上・迅速化。
  • 意思決定の3段階モデル(IDCモデル):インテリジェンス→代替案の設計→代替案の選択
    • インテリジェンス=問題発見。望ましい状態を抽象的ではなく,現状との比較を可能にして目的と現実のギャップを発見すること。
    • 代替案の設計=問題解決の可能性のある行動案の探索と立案。
    • 代替案の選択=何らかの基準に基づく行動案の選択。
  • 組織における分業と調整の仕組みのことを組織構造と呼ぶ。
  • 調整の3つの方法:(1)相互調整:調整を必要とする当事者同士が調整,(2)直接管理:当事者間に管理者を置いて調整,(3)標準化:超世の必要がないよう,行動・行動の結果・行動に必要なインプットを規定する(Mintzberg 1979)。
  • 大組織の管理階層:オペレーショナルコントロール,マネジメントコントロール,ストラテジックコントロール
  • ナレッジマネジメントの2つの意味:知識管理(経営資源となる知識を管理していく方法=資源ベース視点),知識経営(地の共有・創造・活用・蓄積などの知識関連プロセスを管理する方法=Dyanmic Capability View)。
    • 経営情報システムは,知識管理の部分で活躍してきた。
    • ここでの経営情報システム=ICTを用いて企業組織の価値創造活動を支援するシステム。
  • SECI各モードの経営情報システム
    • 共同化:携帯センサーで個人の行動履歴を記録し,対面交流を促すシステム。24時間型テレビ会議システム。
    • 表出化:顔を見ながらチャットするシステム。ホワイトボードを保存する。
    • 連結化:天気や気温などの過去の情報から発注するシステム。組織内の文書のアクセスするシステム。
    • 内面化:体験者のレポートを蓄積して,追体験したり教訓が伝わるシステム。現場画像を蓄積・共有するシステム。
  • IT投資効果測定項目:人員,原材料,運転資金,情報資源利用,設備,製品・サービス,マネジメント,外部関係,既存システム(p.117)
  • 活動をプロセスとしてみる=活動をある構造を持った一連のまとまりとして捉える,≠ いくつかの活動の集まり

2016/01/04

島田達巳・高原康彦(2007)『経営情報システム』日科技連出版社


  • 情報の重要性が認識されるにつれ,情報という視点から経営を捉える主張(サイモン)→ 組織と情報システムに関する状況適応理論(ガルブレイス)=組織を情報システムとして捉える組織設計
    • 不確実性 → 情報処理必要量 → 組織成果
    • 組織形態 → 情報処理能力 → 組織成果 (ガルブレイス・モデル)
    • 不確実性が大きくなると意思決定者と実行部門の間で交換される情報量が増える。これに対処するのは情報処理能力で,それはどのような組織形態をとるかによって決まり,組織成果に影響を与える。
  • 組織とは,特定の目標を持った社会的存在であり,意図的に構造化された活動のシステムで内と外とを識別できる境界を持っている(Daft and Steers 1986)。
  • 組織の構成:人,構造,タスク,技術の4変数
    • コンピュターなどの技術を入れると,構造や人に変化を引き起こしたり,タスクの成果に影響を与える。
  • 組織ダイナミクス:組織の構成要素=組織環境,組織戦略・目標,情報システム,組織構造,組織文化。うち後者3つは内部組織特性。
  • 意思決定は,情報処理プロセスである。:意思決定が求められる問題に関連する情報を処理し,決定という別の情報に変換し,さらに行動へ変換される(宮川 1975)。意思決定に情報が欠かせず,決定は情報の良否に依存するが,優れた意思決定を行うだけでは成果は達成されず,決定を行動に変換するプロセスが十分に機能することが前提。
  • 情報を知識に変換する方法:比較,含意を探る,他との関連を探る,他人の意見を聞く(Davenport 1999)。
  • 情報システムと問題解決プロセス:制限合理性下で,境界を拡大し,決定プロセスの合理性を増大させることが情報システムの役割。
    • 情報収集:DBからの検索・分析
    • 代替案の探索:アイディアの取りまとめ
    • 代替案の選択:統計パッケージ,表計算プログラム,財務管理プログラム
    • 解決策の実行:プロジェクトマネジメントプログラム
    • 状況と結果のモニタ:オンラインDBの利用
    • 5つを通じて,コミュニケーションを提供する。

2016/01/01

Ouellett, M. L. (2015) "An Institution-wide Approach to Pedagogical Change," Nagoya Journal of Higher Education, 15


  • 高等教育における組織イノベーションモデル:(1)Rogerのイノベーション拡散モデル,(2)HendersonのSTEM教育変革モデル
  • Roger (2003):どんなに普及していてもアイディアが「新しい」とメンバーが認識しない限りイノベーションにつながらない。
  • アーリーアダプタ=イノベータ+アーリーアダプタ+アーリーマジョリティアダプタ
  • レイトアダプタ=レイトマジョリティ+後発者
  • よって変革にはクリティカルマスが重要。
  • Henderson, Beach and Finkelstein (2011):そのための4要素:教員,部局リーダー,全学的な教育文化改革の創出者,政策的・専門分野内のイニシアティブとのリンク。
  • 前の2要素は,カリキュラムと教授法の開発ポリシーといえる。←トップダウンで示される
  • 後ろの2要素は,ボトムアップで構築される。(本当?)
  • 教育改革において部局は重要であるが,部局長に知識と優秀教師の評価方法がない。
  • 特に入門科目大規模クラスを非常勤にやらせてしまうなど。
  • よくある改革手法=テストケースを開発して他の教員に利用してもらう+トップダウンの政策決定 → 機能しない。(教員は2つのアイデンティティがあるので。)
  • いくつかの専門分野別教育改革では,教員の教育コンセプトが変わることが最も重要と指摘している。→ 授業の相互見学。
  • Rogersのイノベーション適用の5段階:知る,説得される,受け入れを決める,試す,認める
  • とはいえ確立された授業設計法などはまだまだ広く活用されていない。