ケン・ベイン(2014)『世界を変えるエリートは何をどう学んできたのか?』日本実業出版社
- 最も成功する人,最も面白い人,人生を心ゆくまで味わえる人というのは,総合的なバランスがとれた人だ。学校で習う1つひとつの科目を互いに関連づけ,重なり合う部分を見つけることだ。
- 真のエリートたちの主な目標となったのは,「思考の力を高め,伸ばすこと」であり,勉強で褒められることでも落第を免れることでもない。
- 1700年代後期のオックスブリッジで,最優秀者にA,その次にBという方式を思いついた。1800年代のイギリス・アメリカの学校には,Pass/Failの2種類の評価しかなかった。1800年代末期にはA〜F,1〜10ができ,20世紀に入るとこれに+や−がつくようになる。
- 創造性を発揮するには,強さも弱さも含めて自分自身をよく知らねばならない。自分のそれぞれの能力を統合することを学び,それぞれの能力が互いを支えられるようにトレーニングしなくてはならない。そのためには自己の内面と対話する必要がある。
- 成長するにはたゆまぬ努力が必要。人は習慣的な考え方や行動から抜け出せない。学びとは,思考にこびりついたそうした習慣をはぎ取ることだ。そのためには,自分を駆り立て,何度も考えを組み立て,疑問を投げかけ,奮闘し,探究し続けなければならない。
- 批判的思考は,困難な問題に取り組み,それを意味あるものと捉え,臨機応変に処理できるようになる。
- 深く学ぶ者は,成績にある程度興味はあるかもしれないが,それは自分の学習や能力が実用的に評価され,今後の改善に活かせる場合に限り,そもそもの学ぶ目的を見失うことはない。
- そういう人はどのように外的報酬をかわしたのか。1つは,子ども時代の好奇心を取り戻した。第2に,思考力を高める方法を実践し,楽しみながら創造力を手にする方法を学んだ。第3に,成長して創造力を活かし,何らかの問題に取り組んだり,自分にとって大切な目標を達成したりした。
- 内発的動機づけ後からに気づくには,自分の過去を持ち上げたり拒絶したりすることなく,適切に活かす。自省の重要な点は,外部の力が自分の人生に及ぶことを意識し,それらを建設的なものに変えることにある。自分には成長が必要だと認め,同時に他者の働きに感謝する。それによって自信はあるが謙虚という姿勢が育まれ,それが創造力豊かな人間としての成功を決める。
- 何かを考えている時,その自分の思考を把握するにはどうするか。自分がどう考え動くかをつかめば,自分の思考の働きを知り,能力が上がる。自分との率直な会話を交わすことで,自分の思考と行動をマネジメントし,向上させられる。
- ろうそく問題を解ける人は国外に順応した経験がある=大学入学前に国外に行けか,違う。何を知るより先に,多くの予期せぬ失敗と考える機会を経験することが必要。
- マインドフルな姿勢を取る人は,新しいカテゴリーを常に作り出し,新しい情報に対して開かれた心を持ち,ものの見方は1つとは限らないことを意識している。
- 課題をやるとゲームをやるでは,後者の方が活動を楽しめる。マインドフルになれると,喜びと学びを結びつけている。
- 知能は不変ではなく,努力と共に知能は伸びると信じている方が,失敗しても楽しんで続けられる。努力こそが最も大事。
- 努力をたたえる言葉よりも,人を褒める言葉(すごく賢いね)を掛けられる子どもは,知能に対して固まった見方をするようになる。
- 誰でも伸びるし,努力なしでは能力を失うと信じると,成長型マインドセットを持てる。
- 自信と能力の有力な組み合わせを自己効力感と呼ぶ。失敗を克服する人には強い自己効力感がある。
- 真のエリートたちは比較という考えを捨てて花開いた。自分を見つめ,自分に訴えるものを知り,どの位置にいてどう見られたいかではなく,何をしたいかに注目した。負けず嫌いなのは人に対してではなく自分に対して。他者との競争に勝つことではなく,自分のベストを尽くすことが人生の全て。深く学ぶ姿勢は,内発的興味から生まれると同時に,内発的動機づけをしながら学びの本質を明確にし,成長型マインドセットをもたらす。失敗は,自分を判定するもんではなく,何かを学ぶすばらしい機会と受け止めた。
- 頭の良さは努力の度合いで決まる。
- 人は経験から学ぶのではなく,経験について考えることで学ぶ(デューイ)。
- 構造化されていない問題に対しては,適切な問いというプロセスが必要。今ある証拠から最も適切で確からしい結論を出し,新たな証拠やより優れたデータの見方,斬新な観点や今までにない問いの手段が得られれば評価をし直す。
- 人生の難しい判断を下すのは,深い理解である。どう決断するかでどんな人間になるかが決まる。
- 大事なのは何を知っているかではなく,新たな問題をどう提起し,その領域理解を深めるデータをどう集めるかということ。
- 関心や思考を制御するポイントが意思の力にあると気づけば,その力は伸ばせる。
- 真のエリートは,仕事に打ち込むために,誘惑に乗らないよう気をつけている。楽しみを先延ばしできる子どもと似ている。目標を持ち,その達成は自分の責任によると知っており,手を出しかねないもの(ネットサーフィンなど)から目をそらした。この決意は,高い道徳観,共感,思いやり,このがんばりがより高い目標につながるかもしれないという気持ちから生まれる。よって,目標全体の重要性を見出し,やるべき目の前の課題に注目できる。
- どういう教師を選べばよいか
- 授業が追求すべき明確な問題,習得すべき能力を中心に据えている。その問題や能力の重要性,魅力,奥深さを学生に理解させている。
- そうした問題や能力獲得のために,高度で多様な活動の機会を学生に与えている。全てを1,2回のテストやレポートで決めず,成績評価の前に再挑戦ができる。
- 学生が協力して同じ問題や能力獲得に取り組める。
- 思索することを奨励し,その分野を熟知しないうちから新たな能力を磨く機会がある。
- 真のエリートは,誰かに教えるようなつもりで読む。