2014/09/12

水田健輔(2010)「国立大学法人化の評価と環境変化に対する対応」『国立大学法人化後の経営・財務の実態に関する研究』国立大学財務・経営センター研究報告第12号,第2部第5章,43-55


  • 環境が組織に影響を及ぼす一般普遍の原理の1つ:実証主義
    • 個体群生態学理論:適者生存の自然界の仕組みを当てはめる
    • コンティンジェンシー理論:環境変化の度合いに応じて組織は最適な特徴を持つ
    • 資源依存理論:組織は特定の外部主体への資源依存を避けて,自己決定能力を守る
    • 不規則変換モデル:合理的な説明ができない組織の変化が起きる
  • 新制度理論:制度理論における制度的環境を組織から独立した所与と受け止めず,組織と組織の構成員自体が逆に制度の源泉になっている
    • 制度理論:競争的環境下で経済合理性を追うだけでなく,人間が作り出した社会的・文化的枠組みに順応して自身の正当性を組織の構成員や外部に主張する考え方
    • 要するに組織と環境の相互作用
  • 新制度理論の例:地方政府の改革導入状況と他の変数の関係
    • 1914前=移民の割合と共変関係=自分たちの問題を解決するために改革の導入を合理的と判断
    • 1915以降=有意な共変なし=改革が普及して制度化した→先行導入例と同調することが正当性を示す道と判断して改革を導入
    • 制度は(先行)組織によって作られる
  • 横軸に環境の決定力,縦軸に組織の決定力を取ると,1=新制度理論(相互作用モデル)・コンティンジェンシー理論(受動的反応モデル),2=資源依存理論(能動的対応モデル),3=不規則変換モデル,4=個体群生態学理論(環境受容モデル)。
  • 法人化前の国立大学は4であったが,法人化後に1の必要性が生じ,最終的に2へ向かう。
  • 2008年学長調査の所感「法人化による最良の拡大」「大学運営を取り巻く義務や制約の強さ」をマップすると,1から4象限についてそれぞれ,69,7,1,8大学という数。→ 多くの国立大学は外部環境依存から抜け出した。
  • 2005年から2008年までに自校有利度が全体的にプラスへ変化したことは,国立大学が自己決定能力に自信をつけたから。(特に,組織・管理・財政面で伸びた=技術的・制度的環境への適応が内部体制の整備を通して進んだ。)
  • 外部資源に過度に頼らず,資源依存理論の論理にそって積極的な行動をした大学が新たな制度を作っている。(総合大学がリーダー,単科大学がフォロワー。)

http://www.zam.go.jp/n00/pdf/ni006100.pdf