松下佳代(2021)「日本の大学における能力ベース教育の展開と課題」『京都大学高等教育研究』27, 109-116
- Newton(2000)のアメリカ一般教育モデル
- グレートブックスモデル:古典読み+議論→人間存在の永遠の問いとそれへの応答に出会う
- ディシプリンモデル:専門の入門科目で構成
- 有能な市民モデル:21世紀世界に参加する知識・スキル・価値観の育成
- デューイ型:社会をよりよく変えるために必要な探究の習慣や態度を身につけた人を育成
- 有能人材型(コンピテンシー型):生産的に活動するのに必要な特定のコンピテンシーを獲得する(=目標を明確にし、成果を評価することを重視)
- 日本の大学教育の捉え方
- 専門職・職業教育モデル:医療者・教員養成
- 伝統的リベラルアーツモデル:ごく少数(グレートブックスモデル的?)
- ディシプリンモデル:研究大学によくある
- 有能人材型:教育重点大学によくある
- 戦後の一貫した課題=専門主体の大学教育にいかに一般教育を根付かせ統合するか
- 学士力の土台=AACUのEssential Learning Outcomes
- 知識、スキル、態度、統合的学習の4領域で構成(=リベラル教育に取って不可欠な学習成果)
- 統合的学習=一般教育・専門教育の枠を超えた学習=キャップストーンプロジェクトなど
- ELOは専門教育を射程に入れていないが、全分野で経済的機会の入り口になることを目指したので、学士力に齟齬なく援用できた。
- 3ポリシーはCBEを促す推進力になった。←DPをコンピテンシーで作成するため←なのになぜCBEが根付かないのか?→有能人材モデルへの偏りと他のモデルとの葛藤があるため
- なぜDPは有能人材モデルに偏るのか?→グランドデザイン答申で人材=経済活動の場で有能な人材が強調→ディシプリンモデルにとっては受け入れがたい葛藤→カリキュラムマップで教員の意識をDPに差し向ける→DP記述は抽象度が高すぎて解釈多用になる→ペーパーワーク化
- もともとコンピテンシーは、物質的な生活条件と生活の質が含まれている←ELOは統合があるから現実世界の課題に取り組むための行為にむずびつけることを重視した⇔日本の資質能力は経済発展のための人材養成を強調しすぎ
- ミネルヴァ大学で身につける4つのコア・コンピテンシー:批判的思考、創造的思考、効果的なコミュニケーション、効果的なインタラクション(=4Cs)
- →これらを具体的なHCsにした:当初117個→79個
- 79の細分化は統合機会が何段階も設けられている
- ユニット(数コマ分)の終わりに統合(synthesis)の時間があり、複数のHCsを組み合わせて重大な重大な問い(Big questions)に取り組む(どうすれば世界の人々に食料を供給することができるのか?戦争は回避することができるか?など)。