金井壽弘(2006)『働くみんなのモチベーション論』NTT出版
- モチベーション論:アップダウンがあるのは当然で、それを自己調整できることが重要。← そのためには持論を持つことが重要。← メカニズムを知っていること自体が大きな復元力をもたらす。
- モチベーション論の3系統:緊張系(緊張やズレを回避するために人は動く)、希望系(ありたい姿に近づくために人は動く)、持論系(自分がどうやるか知っているままに人は動く)
- 生命は、自分が置かれている環境がどうなっているか知りたいちう根源的動機を持つ(世界を探索する気持ちを持てないと生き延びられない)。
- 動機づけの分類軸
- 内発的・外発的
- 内容理論・過程理論
- 内容理論:達成欲求、親和欲求、勢力欲求、安全欲求、経済的欲求などどのような欲求の組み合わせで人を描くか。
- 過程理論:どのようなメカニズムでモチベーションが喚起されるのか(矛盾、不協和などを解消したい)
- 緊張系:傾いた絵画はまっすぐに直したい、まっすぐになると安心して絵が目につかない(マズロー)。
- 持論アプローチの源流:自分についての理論、実践家の使用中の理論、素人の素朴理論、自己調整理論
- 学習動機の2要因モデル:学習内容の重要性(大・小)×学習の功利性(大・中・小)
- 実用志向(仕事や生活に生かす)(大・大)、報酬志向(報酬を得る手段として)(小・大)、訓練志向(知力を鍛えるため)(大・中)、自尊志向(プライドや競争心から)(小・中)、充実志向(学習自体が楽しい)(大・小)、関係志向(他社につられて)(小・小)
- マクレガーのX理論・Y理論
- 自分がX理論を前提にしていると、そのように振る舞ってしまう。自分の見方が職場のあり方を作る点について、マクレガーは注意を喚起した。
- オペラント条件付けのポイント=随伴性(随伴的結果):有機体側から環境へ積極的に働きかける
- 給与や昇進などの外発的報酬の効果は、それだけでは足りないが、無視できない。
- 外発的動機づけに依存する弊害
- 報酬が罰になる
- 報酬が人間関係を破壊する
- 報酬は行動の理由を無視する
- 報酬は冒険(危険負担)を阻害する
- 報酬はやっていることへの興味を損なう
- 報酬は使い使い出したら簡単に引けない
- 報酬はそれを得るための手抜きを選ばせる
- 達成の承認、有能感の確認、自己決定の機会とセットであれば、報酬のアンダーマイニング効果は大きく緩和される。
- 報酬には、制御的側面と情報的側面があり、前者が大きければ内発的動機づけを損ない、後者が大きければ有能感と自己決定の感情を高められる。
- 期待理論への批判
- モデルが複雑すぎて、人間モデルが計算高すぎる
- 基本は外発的報酬のモデル(当人は内発的なものを入れているというが)
- いくつかの変数は、実証研究で効果が検証されていない
- 報酬の価値は、主観的認知であり、実際の報酬の価値ではない
- 時価幅が不明確。モデルが想定するよりも、実際の報酬(昇任など)には長い時間がかかる
- 高みを目指す無垢な気持ちを説明できない
- 社会的な共同体が大きな成果を生み出せる ← 社会関係資本が注目される背景
- ロックの目標設定論:挑戦の基準と具体性の基準
- 目標の困難度:成功失敗確率が5割くらいが最もモチベーションが高まる
- 目標の具体性:ベストが曖昧では人はベストを尽くせない、具体的で裁量・工夫の余地があるものにする
- 目標へのコミットメントと目標の受容:促進要因(上司が喜ぶ・認めてくれる、面白くなる、競争が生まれる)、阻害要因(標準の引き上げをもたらす、未達が解雇理由になる)
- 経営学の人間モデルの変遷
- 経済人モデル:標準管理、プレミアムを標準に変えることで、組織的怠業(仕組みがおかしいから怠業する)が起こる
- 社会人モデル:ホーソン実験、報酬だけでなく集団に属する安心や喜びを得る。
- 自己実現人モデル:マズロー、マクレガー、アージリス、Y理論
- 複雑人モデル:3つのモデルの臨床的診断力が管理職に求められる
- モチベーション論とリーダーシップ論は表裏の問題