Yuzhuo Cai & Nicola Mountford, (2022) Institutional logics analysis in higher education research, Studies in Higher Education, 47:8, 1627-1651
- 制度ロジックの高等教育研究への応用は、いくつか誤解や混乱がある。
- 制度ロジックは、旧制度論、新制度論、制度的企業家、制度的実践等に並ぶ制度理論
- 現在確立した制度ロジックは8つ:国家、市場、家族、民主主義、宗教、+専門職、企業、+地域
- 制度ロジックの中心的価値
- 行為や葛藤に対して意味を付与する組織を超えたパターンを用いて、制度という抽象的な概念を具体的に描く
- 複雑な制度環境を観察するレンズを提供する(組織、社会の双方の変化や革新の動態に複数のロジックを提供できる
- 埋め込まれた主体の矛盾を説明できる。組織内の主体の行為が所与の制度に制約される時に、どのように・なぜ制度や組織の行為が引き出されるのか?
- 社会レベルで機能的に使われたロジックは、市場、専門職、国家権威の3つ=クラークの調整の三角形(3つの力の間の調整や力学の中で高等教育システムのあり方が決まる)と同じ
- 社会レベルの機能的アプローチ:多くは制度ロジックの理論と方法論に厳密に従う傾向にあるが、2つの問題がある。(1)社会ロジックの理念型が西欧社会に依拠し、非西欧の分析に限界がある、(2)高等教育研究では、西欧研究でも理念型の拡張がされる傾向にある(マネジリアルロジックとか組織ロジックとか、社会レベルのロジックではないのに事由に定義されてしまっている)。
- フィールドレベルで使われるロジック:アカデミック、市場、専門職、商業、マネジリアル、産業としての高等教育、社会としての高等教育、科学、ビジネス、学問的自律等←これらは十分に定義されていないし、トレースもできない。また、著者によりロジックの解釈が違ったり、別のロジックを同じ意味で使っている。
- フィールドレベルの演繹的アプローチは最も前途があるが問題が多い。高等教育分野の理念型を特定できる点で有望だが、先行研究のロジックの定義に従わずに事由にロジックを定義してしまうことは問題。
- これは難しい問題でもある。1つはロジックが少なすぎてもよくない。基本の8つで本当によいのか。一方で、ロジックが量産されてもいけない。ロジックはシンプルであるべき。
- 帰納的か演繹的かは、ミックスで考えるべき。データから見出せるロジックを整理することと、既存のロジックをデータで検証することはどちらも重要。