2022/08/03

Thornton, P. and Ocasio, W. (2008) Institutional Logics, in Royston Greenwood, Christine Oliver, Roy Suddaby & Kerstin Sahlin, eds, The SAGE Handbook of Organizational Institutionalism, Chapter 3, 99-129

  • 制度ロジックを理解するには、制度理論の歴史を知る必要がある。
    • 転機は1970年代のMeyer& Rowan (1977)など:組織は外部環境(ルール)に従わね馬ならず、テクニカルコアを守るために構造がルースカップルになるという指摘。
    • DiMaggio & Powell (1983)はこれを発展させて、新制度論(=合理性より正当性)、すなわち、模倣的同型化を指摘する。
    • これを経て、Friedland & Alford (1991)の制度ロジック=制度の内容と意味につながる。
    • 新制度論の関心は同型化、制度ロジックの関心は制度と行為のつながりが関心。つまり、ミクロとマクロを接続する理論。
  • 近代西欧社会の制度に埋め込まれた慣習と信念:資本主義、国家官僚制、民主主義政治の3つが制度的秩序(社会の中心的制度)であり、個人がどう振る舞うかの慣習や信念に差を生むもの。
  • 制度ロジックの定義:社会的に構築されるもので、個人が現実社会に意味づけを行ったり、時間や空間を調整したり、生存のための活動を生産・再生産することで作られる、日常の実践、仮定・価値観・信念、ルールの歴史的パターン
  • 制度ロジックの基本的な前提=個人が持つ関心、アイデンティティ、価値、仮定は、個人を覆う制度ロジックの中に埋め込まれている。意思決定や成果は、個人が制度構造との相互作用の結果として生じるもの。個人や組織は、権威や地位を求めるものの、それも制度ロジックの制約の範囲内でしか得られない。社会は3つの主体で構成される:個人(競争と交渉をする)、組織(葛藤と調整を行う)、制度(矛盾と相互依存を扱う)。つまり、社会に単一の合理性は存在しない。例えば、病院は市場、民主主義国家、医療専門職のロジックで形成される。
  • 制度ロジック研究では、動機づけや行為が合理的か否かではなく、複数の制度ロジックの相対的な葛藤や調和が、個人や組織の行動にどう影響するかを重視する。
  • 研究においては、イベントヒストリー分析、解釈的手法、トライアンギュレーション、理念型が重要。データには、インタビュー、ドキュメント、演説、新聞などが使われ、分析方法には、系図分析、会話分析、内容分析などが使われる。トライアンギュレーションには、解釈と仮説検証のミックスが望ましい。
  • 複数の理念型は、意味と行動について、仮説と現実を比較する物差しとして機能する。
  • 理念型はルーブリックのようなもの、縦にカテゴリー、横に市場や専門職など。