2018/10/24

伊藤精男(2016)「組織ルーティン変容プロセスにおける「組織アンラーニング」の位置づけ」『九州産業大学経営学会経営学論集』27(1),1-16


  • 組織アンラーニング:時代遅れになったり人を誤った方向へ導く知識を、組織が主体的に捨て去るプロセス。
    • 知識に加え、共有された価値観、組織の認知構造、組織ルーチンを含む。
    • 従来の研究=理論的・概念的でメカニズムがブラックボックス。→ 安藤・杉原(2011)プロセスが段階的に進行する様子を示す。
    • アンラーニング=置き換えではない(Tsang and Zahra 2008)。アンラーニングと新しいもののラーニングは独立。これらの相補性の検討が必要。
    • さらに、組織アンラーニングを当事者視点ではなく分析者視点で見ている。
  • 組織ルーチンの変化要因(大月 2007):(1)タスク特性、(2)担当者特性(ルーチンを作動させる要因)、(3)環境要因(ルーチン結果を特徴づける)で構成される。
  • ルーチン構造(明示的側面)・ルーチン遂行(遂行的側面)モデル:実践で繰り返し行われ、継続的に使用され、必要があれば修正され、フィードバックされることでルーチン構造が変化する(creation→maintenance→modification→feedback)。
    • 修正は、意識的(反省的)と前意識的がある。
    • この修正が、置き換え(アンラーニングと新ラーニング)にあたる。
    • このプロセスは十分に説明されていない。
  • 置き換えはアンラーニングがなければ新ラーニングがないと暗黙に仮定されている。
    • ただし、解答・移行・再凍結モデル(レヴィンの変化モデル)では、解凍が不完全なら、再凍結(置き換え)は失敗する。
    • 完全な解凍をしなければ置き換えは成功しないという前提(認知主義的前提)。
  • 伊藤(2012):正式なプロセスを経た組織意思決定が、成員の日常的タスク特性に適さず、違和感があり面倒であったために失敗した(ルーチン構造におけるアーキテクチャ不全を原因とする失敗)。
    • ポイントは、違和感の把握(非認知主義的視点)の重要性。
    • アンラーニングと新ラーニングが独立でないことの示唆でもある。
    • 完全なアンラーニングができても、新ラーニングに妥当性がなければ置き換えは失敗する可能性がある。