2018/10/09

省庁再編組織の「使命」カギ 多様な任務、要因を下げる


  • 政府・官僚のインセンティブ問題:①政府の追及する目標が多様であること②政府のパフォーマンスは絶対評価のみならず相対評価も難しいこと③政府が異質な選好を持った国民に広く薄く「所有」されていること。
  • 複数の任務や複数の依頼人を持つ代理人の場合、パフォーマンスの計測が容易な仕事のみ専心したり、自分により目をかけてくれる依頼人になびいてしまったりして、他の任務や依頼人をおろそかにしてしまうというバイアス(ゆがみ)が発生することを強調した。したがって、それぞれの任務をバランスよく遂行することを官僚に求めようとすれば勢い彼らのインセンティブは低くならざるを得ない
  • 政府・官僚のパフォーマンスが絶対的・相対的双方の評価とも難しいということになれば、インセンティブ・システムは、やはりホルムストロム氏が理論化した「出世欲」、つまり、正確には測れない現在のパフォーマンスがそのまま金銭的な報酬に結びつくのではなく、「評判」が積み重なることで能力が評価され、将来の昇進や天下りに反映されるというメカニズムにならざるを得ない。
  • 複数の任務を持つ官僚のインセンティブの問題を考えると、担当している任務の数が大きくなればなるほど、その総和としての成果、ひいては能力評価の誤差が大きくなるため、それぞれの任務に対する努力水準の総和も低下してしまうことを理論的に示した。つまり、「出世欲」が大事ならば、多数の任務を与えることはますます官僚のやる気を失わせることになるのだ。
https://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/tsuru/40.html