2018/10/16

塩野宏(2014)「日本の行政過程の特色」『日本學士院紀要』68(2),113-137

  • 申請に基づく行政処分(許可・認可・指定など)では、処分する側の依るべき判断基準・要件を定めた明文の条項が置かれるのが通例。
    • 学校教育法には、大学の設置認可にあたっての基準を明示した条項がない。
  • 大学不認可問題の行政法上の問題
    • 大学設置認可の法的性質―講学上の認可、料金認可、認可法人の認可、病院許可等との異同
    • 内示・内定の法的性質―情報の提供と行政指導の混合的行為
    • 学設置基準の法的意義―認可基準と維持基準の異同
    • 規参入規制政策の手法
    • 大臣の(不)認可権と設置審議会答申議決の関係―審議会議決の拘束力とその範囲
    • 不認可措置(認可留保・不認可決定)に対する訴訟の方法―行政訴訟・国家賠償訴訟の可能性
  • 以下では、参入規制事務における設置審及び大臣の権限を検討する。
  • 大学の設置に公的規制を課すことには異論ない→具体的規制の内容、方法的合理性が問題。
  • 抑制政策の根拠は多様。財政(私学助成)、国土(首都圏整備)、経済(規制緩和)などがあり、大学政策自体よりも政府全体の政策への対応によることが多い。また抑制の対象は主に私学(の質の維持)。
  • 設置審:一貫して認可を決定してきたが、権限の範囲は明確でない。(諮問・答申自体は通常のプロセスだが。)
    • この背景には、戦後アメリカによる、CharteringとAccreditationの導入がある。
    • もともと設置審は、抑制措置の立案過程、基準設定、個別認可課程のすべてに権限を有していたが次第に縮小され、文部省中心主義へ移行した。
    • 設置審の機能は、Charteringに収斂した(認証評価期間は別に設置された)。
  • 設置審には総量規制に関する定めなし。抑制措置につながる固有の基準設定権限もなし。
  • 大臣にも、答申に重大な誤りがあるなど以外には抑制措置はとれない。