2011/03/29

ウィリアム・エレット(斎藤聖美訳)(2010)『入門ケース・メソッド学習法』 ダイヤモンド社


  • ケース・スタディは,課題や困難に直面したときに,自分がどう臨んでいくかのAttitudeを形成するもの。それは,問題を直視して逃げない,不確実な中で複数の選択肢から解決策を選ぶ意志決定をすること,実行の過程を冷静に観察し感情に流されないこと。
  • 四年制大学の卒業生は,1年生必修の作文コース後,ほとんど書く訓練をしていない。しかし,質の高いMBAコースは,学生に書くことを要求する。世界中に分散している社員に連絡を取る最も実践的な方法は,文章であり,よく書かれた文章は隠れた競争優位性となる。
  • 権威や正式に認められた真実が与えてくれる安心感から離れて,学生個人が議論の結果に責任を持って教室を後にすることは,曖昧で何通りにも解釈できることに対する不安を経験することになる。
  • ケースは,(1)ビジネス上の重要な問題がある,(2)結論を導くのに十分なだけの情報が記述されている,(3)結論は記述されていない,の3つの特徴を持つ。
  • 学生は,ケースが論理的な順序で書かれていると仮定してケースを読むが,混乱をきたす枠組みでケースが書かれているためにまごつく。ケースは主体的に読まなければならない。ケースは,(1)受け止める,(2)見つける,(3)つくり出すという3つの読み方がある。ケースは意図的に何を意味しているのかを伝えないようにできており,自分で意味をなすように構築していかなくてはならない。
  • ケースには,(1)問題,(2)意志決定,(3)評価,(4)ルールの分析課題が繰り返し出てくる。
    • 問題は,重大な結果に関連した状況で,その結果に対する明確な説明がつかない状況をいう。何か重大なことが起こったが,なぜそうなったのかわからない状況。問題の分析は,問題を定義するところから始まり,次に原因と結びつけて説明する作業をする。その際に,ツールや専門手法が必要になる。
    • ケースでは意志決定の場面が出てくるが,たいてい明確でなくその他の状況に左右される。これを,選択肢,基準,論拠の3つの視点で分析する。最重要は基準を決めることで,ケースの中に記述されることはあまりなく,専門的手法でケースの中から拾い出す。なお,客観的に正しい意志決定は存在せず,相対的なもの。
  • 学生はケースの解釈基準は科学的なものと暗黙に想定するが,それは達成不可能。論を展開する際は,科学的に確実でなくても論理的で行動に移せるものであることが重要。わからないことに焦点を合わせず,わかっていることに焦点を合わせて知識を積み上げる努力をする。
  • 議論では,自分の見方に責任を持つ,それに対する議論を展開する,議論を説明する準備をする,自分の意見に賛同しない人の意見を聞くという慣れないことを行う必要があり,当初は落ち着かないもの。
  • すばらしいコメントを謝ったタイミングで発言するのは最悪だ。
  • 議論でリスクを軽減するには,早いうちに発言する,ケースに書かれた情報を熟知する。