木村達也(2007)『インターナル・マーケティング 内部組織へのマーケティング・アプローチ』中央経済社
- 統合的なマーケティングの実現には,(1)マーケティング部門内の諸機能の統合,(2)マーケティング部門以外の部門がマーケティング発想で考えることの必要性,(3)マーケティング部門とそれ以外の部門の間の良好な連携が必要。ここにインターナル・マーケティングの必要性がある。
- ここではIMを,組織がその目標を中長期的に達成することを目的として実施する,内部組織の協働のための一連のプロセスあるいはコミュニケーションの活動である,と定義する。
- IMでは,マーケット調査(フォーカスグループ),セグメンテーション(年齢,志向,役割,機能,能力でグループ分け),ターゲティング(職務に適した能力保持者に狙いを定めた採用),プロモーション(組織内広報)のツールがある。
- 取引コストの発生要因には,環境的要因(将来の不確実性,取引の複雑性)と人間的要因(限定合理性,機会主義)がある。取引コストは,市場を介するよりも組織内部の資源配分で調整する方が,(1)不確実性が減少するまで決定を遅らせられる,(2)継続的関係が続くことで機械主義的行動がとりにくくなる,(3)長期的関係のもとでは情報が偏在しにくいために,有利になる。不確実性と複雑性が高く,限定合理性による制約が大きいほど,ヒエラルキー型組織の方が選択される。
- 組織内の取引コストは,(1)目標の不一致・不整合があるほど,(2)成果測定が曖昧であるほど,高くなる。
- 成果測定の曖昧性が高く,目標の一致・整合が重要な仕事ほど(財務,コンサルティングなど),IMが必要な組織と言える。
- IMは,(1)従業員の動機付けと満足度向上,(2)顧客志向の実現,(3)部門間の統合と戦略の実行と,目的を拡張しながら発展してきた。
- 組織には,常にコーディネーション問題とインセンティブ問題がつきまとう。前者は,システムを中央集権化/分権化するか,つまり,専門性を保ちながらどう全体を統合するかにある。後者は,組織の目標を犠牲にして個人の目標を優先させる個人レベルと,全体の利益を犠牲にして自部門の目標を優先する部門レベルの問題がある。
- この問題を解決するために,ARCがある。Architectureは,コーディネーション問題から組織を論じ,社員をグループの分けた上で,グループの縦・横の連結性を強化(人脈,リエゾン,タスクフォースやチーム,インテグレータにより)する。Routineは,部門間コミュニケーションを最小化してコーディネーション問題を解決する。
- IMを実施する際は,メッセージ,メディア,マーケット,メジャーメントの4つのフレームワークでプログラムを作成する。