森博嗣(2010)『小説家という職業』集英社新書
- 文章を書く上で、プレッシャは少ない方がよい。リラックスした方が頭が働く。重要なのは集中力。締め切りとか成功しなければとか、無関係なプレッシャが役立つ道理はない。
- 人間の行為は、自分の価値観と周囲の要求のせめぎ合いに常にさらされ、こうしたときの1つ1つの細かい判断で道筋が少しずつ決まっていく。本人の望まない方向には決して進まない。人間は自分が望む未来像以上のものには絶対にならない。
- 人間は自分の弱い部分を相手に向かったときに攻める傾向がある。悪口を言わない人間は悪口を言われても腹が立たない。
- 人は同じものを見ても、同じようには捉えない。相手にどう伝わるかを考えずに書くことは、ほとんど意味がない行為である。自分に対するメモも、将来の自分がどう読むかを想像する。
- いかなるノウハウ本も人を自由にしてくれない。ノウハウ自体が不自由を導くものだからだ。現役の人間が語っているノウハウは必然的に信用できない。既に通用しなくなったから書かれている。
- ああ、こんなものが書きたいという憧れは、既に他者の視点にとらわれていてクローン作品を生み出す可能性が高い。
- アウトプットするほど上達する。インプットでは太るばかりで身が重くなり、動きが鈍くなる。
- メモをとると発想がそこで終わる。頭の中に入れたままにした方が育つ。
- 多読を誇りにする人がいるが、重要なのは読んでいるときに思い描くイメージの情報量であって、目でなぞった文字数ではない。