2009/01/27

EUA (2005) Lessons Learned from the Institutional Evaluation Programme

An audit is an externally driven peer review of internal quality-assurance, assessment, and improvement systems.
Unlike assessment, an audit does not evaluate quality: it focuses on the processes that are believed to produce quality and the methods by which academics assure themselves that quality has been attained. 
Unlike accreditation, it does not determine whether an institution or a programme meets threshold quality criteria and, therefore, certifies to the public the existence of minimum educational standards. 
Audits do not address academic standards, or determine the quality of teaching and learning outcomes, but evaluate how an institution satisfies itself that its chosen standards are being achieved.

丸山文裕(2008)「デンマーク高等教育の資金配分 タクシーメーター制の導入」アルカディア学報No.339

  • 現在の大学は8つ、再編統合を繰り返して現在の数字に至る、統合の理由は、財務経営の効率化というより、教育研究の国際競争力の強化
  • 自国学生およびEU出身学生は学費無料、それ以外の外国人学生に対しては、授業料を2006年から徴収
  • 高等教育進学率は約50%
  • デンマークでは各課程の退学率が、長い間問題で、2000年時に中期(学士)課程で40%以上、その他の課程でも30%以上の学生が退学する。そこで学士号が、修士課程退学者に何らかの資格を付与しようと便宜上の理由で設置される。しかし分野によっては、学士号を持った卒業生の就職が好調で、学士号を付与する中期課程の存在が大きい。また大学の意向に反して、そこでの学生数の伸びが最も高い。
  • 質保証に関する国立センターを1992年に設立し、高等教育システムの監視、最低基準の保証、教育課程の改善勧告を行ってきた。1999年からはデンマーク評価機構が、評価とともに、評価情報の管理、国内外の評価情報収集を行っている。
  • 教育についての評価は、教育改善が目的で、イギリスのように評価結果と資源配分の直接の関連はない。
  • 以前は、学長は教授の選挙で選ばれ、最高の議決機関は、学長、教職員、学生という学内者で構成される評議会であった。しかし大学の最高決定機関として、理事会が設置され、理事会には外部識者が中心となり、教職員学生代表も加わる。理事会は学長を任命し、学長は学部長を任命する。
  • 大学は政府に対して3~4年の戦略的目標を達成する契約を交わす。目標の内容は、教育、研究、社会貢献などである。大学は毎年、業績について政府に報告する。これは単なる資源の消費状況報告ではなく、目標と結果の管理を強調したものである。

2009/01/26

吉田香奈(2005)「高等教育機関の財政経営と管理:アイルランド」国立大学財務・経営センター『大学経営危機への対処』

  • アイルランドには14の技術インスティテュートと7つの大学がある
  • すべての大学は独立した理事会によって管理される
  • 大学は1969年に創設された高等教育庁を通じて資金の交付を受け、また、技術インスティテュートとその他のカレッジは教育科学省から直接に資金を交付されている
  • 高等教育庁は教育科学省や政府に対して高等教育全般に関する助言を行う独立法人(independent statutory body)であり、大学への国の資金交付と計画を策定する緩衝装置として機能
  • 高等教育の需要と必要性、高等教育の機会均等の促進、大学の戦略的計画の点検、大学の品質保証の手続きの点検、大学の機会均等策とその実施に関する点検を行う
  • 高等教育庁は毎年ブロックグラント方式で基盤的な経常費を配分しており、これは教育と基礎研究をカバー
  • 大学に対する基盤的な経常費の配分は算定式に基づくユニットコスト方式をとっており、算定式に用いられるデータは大学の監査済みの財務諸表と認定された在学者数である。

2009/01/25

北川文美(2005)「高等教育機関の財政経営と管理:イングランド」国立大学財務・経営センター『大学経営危機への対処』

  • イングランドには131の高等教育機関があり、そのうちわけは、大学が77、総合高等教育カレッジが14、専門的高等教育カレッジが40である。
  • 学部の年間授業料は、上限1100ポンドフルタイムの学生のうち43%は学費を全額免除、16%は部分的に学費を負担、41%が学費の上限額を納入(2001-2002年)、留学生に対しては学費を自由に設定可能
  • 政府は高等教育機関と直接の関係は有さず、中間的機関であるHEFCEに対し政策目標を設定し、資金を提供する。
  • HEFCEは政府から切り離された公的組織で、その役割は、(1)大臣やその他関係機関から提供された教育と研究の実施のための資金の管理、(2)イングランドの高等教育の資金的ニーズに関して大臣に助言を与える、(3)HEFCEから資金を受ける高等教育機関と継続教育カレッジにおける教育の質の評価のための対策を保証する
  • 質の評価はQAAが行う。2001年までに、科目レベルにおける総合的なレビュープログラムが行われ、イングランドのすべての高等教育機関におけるすべての主要な科目はカバーされた。今はより軽いアプローチに移行中。
管理と運営
  • 高等教育機関の長としての役職。名称は、歴史や伝統を反映し、各高等教育機関の間で異なる。呼び方はPrincipal, director, vice-chancellor, master, provost, rectorもしくは単に最高責任者(chief executive)であることもある。
  • 運営責任グループ 通常、高等教育機関の長と、学事・行政的機能に責任を持つシニア・マネジャーからなる。

2009/01/14

調査の心得

仮説を持たずに、単にデータを得るためだけに、質問紙調査を行ってはいけない。 残念ながら大型研究費でもそうしたただの調査と調査報告が行われている。

2009/01/13

天野郁夫「見直し論高まる大学設置基準「事後チェック」確立が重要、適正評価へ制度充実を」

設置基準の自由化は、一般教育過程の解体と教養教育衰弱、新名称学部の族生と安易な学部学科の新設再編、教員資格基準の緩和に伴う非アカデミック実務家教員の増加、単位認定・編入制など他の高等教育機関との曖昧化、などの教育研究の質低下を危惧させる変化をもたらし始めた。 しかし、設置基準緩和は、事前規制から事後チェックへの制作の大転換の一環であり、大学の活性化と開放化を目的に主体的に選択されたもの。想定外の事態も当然予測されていたはず。十分な資源投入をせずに大転換を拙速に進めた甘さを反省すべきである。 認証評価制度などの事後チェックシステムは、まだ慣らし運転期間であり、質保証装置として適切に機能するにはまだ課題が多い。その一つに、変革の主要アクターである大学と大学人による、大学と大学人を超えた組織や団体によるネットワークである。

2009/01/10

藤本隆宏他(2005)『経営学研究法』

尺度と統計処理
  • 名義尺度(nominal scale):Yes/Noの2項目選択回答、多項目選択回答(単一、複数回答)のこと、度数と最頻値はOK、加減乗除はNG
  • 順序尺度(ordinal scale):リカート尺度(非常に好き、好き…に-2,-1が対応するもの)、強制順位付け(1位から順位を振る)、多段階カテゴリー尺度(非常に好き、好きを言葉で表したもの)、中央値、累積度数(パーセンタイル)、順位相関はOK、平均等はNG
  • 間隔尺度(interval scale):極カテゴリー尺度(両端のみに非常に賛成=5,非常に反対=1、その間は単に2,3,4)、等間隔の区分(月に0~4回、5~9回、10~14回、…、で具体的な数字をきく)、平均、標準偏差、相関、回帰、判別、因子がOK
  • 比率尺度(ratio scale):上に加えて、幾何平均もOK
相加平均(算術平均):(x1+…+xn)/n 相乗平均(幾何平均):^n√x1…xn 統計データ分析から言えること言えないこと
  1. 回帰分析が直接示すのは測定指標の間の相関関係で、真の因果関係ではない
  2. 回帰係数で相関関係が推定されてもX→Yという因果関係は保証されない。Y→X、両者に影響するZの存在を消していく必要がある
  3. 統計量の有意性についてなにかしらいうには、少なくとも30サンプルほしい
  4. 多重共線性の有無をチェックすること
  5. 回帰式の残差項を変数に対してプロットした散布図をよく眺め、推定式が改善できないか考えること
  6. 仮説なしに回帰分析の結果を事後解釈するのは邪道

2009/01/09

荒井一博(2007)『学歴社会の法則』光文社新書

人的資本論とシグナリング理論の相対的重要性は教育タイプと雇用制度で異なる。
  • 基礎教育(義務教育)ほど人的資本論機能が有効
  • 理科的教育・職業ほど、人的資本論が有効(経済学の学習が生産能力を高めるかは疑問?)
  • 採用決定者が責任回避的なほどシグナルが有効
  • 採用後の企業内訓練が学歴によって明確に区分されているほどシグナルが有効
  • 経済や技術が高度化・複雑化するほど人的資本が有効
  • ネットワーク価値が高いほどシグナルが有効
女性教育の便益を議論するときは、子供に発生する便益も考慮すると、将来十分な収益となる。 学校選択制では、需用者側に自由意志があるが、供給者側に自由意志がないために、市場として機能しない。 よって、需要の増大はそれ以前の品質を維持することを困難にする。実際は、超過需要に対して抽選を行っている。これには合理性が全くないため、議論が不可能になる。 選択制で選ばれた学校により教員が配置されることで、組織として以前と同等の教育ができなくなる可能性がある。 バウチャー制度支持者は、私立校の生徒選抜機能温存を求める。すると、同制度は子供を有名私立に通わせる富裕層に有利となる。貧困家庭の子供が学力を高めることは容易でないから(?)。これで、公立校の生徒が被害者になる(公立校の雰囲気や教育力が落ちるから)。 バウチャーで完全な学校選択が可能になると、学校と地域の関係が希薄になる。 いじめの加害者の心理特性は、
  • 力に対する欲求が強い
  • 周囲に対するある種の敵意を持っていて、他社を傷付けることで感情や衝動を満足させる
  • 私利追求の程度が強い
いじめの防止法は
  • いじめネットワークに参加する便益を小さくする(断固たる態度を取ることをアナウンスする)
  • ネットワークに参加する費用を高くする(いじめが悪であることを明確に説く)
  • ネットワークを破壊する(参加者に個別に働きかける)
教育は教員の与える熱意と学生の示す尊敬があって成立し、一方が欠ければ成立しない。 不的確教員の排除も大事だが、自主・自律以外に、学校では勉学意欲や公共心に欠ける生徒がふさわしくないことを明確に教えることの方が重要。 高等教育の最大の便益は、専門分野における体系的思考を獲得すること。体系的思考ができれば、矛盾したことや的外れな発言や行動が少なくなる。

2009/01/08

伊東乾(2008)『バカと東大は使いよう』朝日新書

ハーバード大学を卒業した西洋古典学の久保正彰教授は、寮生活で得られる最も重要な経験として「書かれざる法」が身につくことを挙げている。本当に重要なルールである書かれざる法は、共同生活をしない限り、なかなか身につけられないという。 現在の日本の大学で生活習慣や社会規範を学ぶのは、運動部かもしれないし、バイト先かもしれないが、生活全体を共有する場はない。 教養とは何かをハーバード内で議論したら、喋ることとと食べることだった。食べ方と喋り方を見れば、教養のほとんどがわかる。 官学の研究教育改革の政策立案を担当した最終結論は、精神構造の改革なき機構改革は無意味。 逆に、目に見える機構改革などなくとも、精神構造や意識の改革さえ徹底していれば、学術や教育は十分に建設的な未来を展望することができる。 教授会には全権が付与されている。近代国家の権力分散は、三権分立・議会民主制が基本。大学は今でも教授会という唯一の意志決定機関しか持たず、パワーバランスを調整する機構を欠いている。まさに、旧体制。 日本の大学よ、そしてあらゆる学校よ、あなたたちは最先端科学をはじめとする最先端の学術を教授すると称しているが、大学での教えが教師の意に反して、あるいは教師の知らぬ間に悪用された場合、どのように考えるのか?さぞ迷惑でもあろうが、その場合は教師が具体的に責任を負うのか?もし詭弁家ゴルギアスのように無責任を決め込むなら、あなた方にアカデミーを名乗る資格はない。ソフィスト詭弁塾とでも名乗るがよい。あるいは、そのようなことが起こらないように事前に十分な教育を施すのか? リベラルアーツが決定的に普及したのは、カロリング朝・西ローマ帝国のカール大帝が、現在のドイツ西部アーヘンに設立した宮廷学校で講じられた自由七科による。自由七科は、文法、修辞、弁論(語学系3学科)と算術、幾何、天文、音楽(理数系4学科)からなる。これは、官吏養成システムとして機能した。租税を徴収し、聖歌を強要し、統治のために演説を行った。算術は税の計算、幾何は耕地面積の測量、天文は日付と時間を定めるために必要だった。 8世紀の自由七科は、12世紀の中世大学の設立時には形骸化して、読み書きそろばんの役割になっていた。それより上位の、法学、医学、神学が上の学問となっていて、これは自由七科を学ばないと専門学部に進めない。上の過程ではマスターとドクターが授けられるが、これは大学の成立以前から有力な修道院で行われていたもの。ユニバーシティは、キリスト教的な単一の観点から、多様な宇宙論を統一するものとして成立した。ユニバーシティとは一種の宗教ギルドである。 ユニバーシティが中世スコラ学以来の神学的世界観に基づいた統一的な学問体系であるのに対し、宗教支配を離れ科学的世界観に基づいた多様な学問の集合がポリテクニークである。日本の官学(東京大学)はポリテクニークとして始まったと考えてもよい。冠を持たないポリテクニークは、個別専門の行き過ぎに待ったをかける倫理的な歯止めを持たない。日本の官学は、富国強兵・殖産興業市場の個別専門集団として出発してしまった。 近代大学は、自分自身で力の行使に価値判断が下せる倫理=戦略の頭を持たなければならない。 古代ギリシャから現代の学術誌を俯瞰すると、冠の脱着を繰り返してきた歴史であることがわかる。それには常に、戦争と地域世界の拡大再編成が関係している。 現代は質・量ともに膨大な知識と力を手にしている。わずか100年程度の日本の官学の歴史は、発展という甘い誘惑に負けて暴走しないためにも、自らを縛る戦略、倫理のくさびとなる憲法を持たなければならないだろう。力の自己制御が、現代の大学に課された課題である。

2009/01/07

酒井穣(2008)『あたらしい戦略の教科書』ディスカヴァートェンティワン

 戦略を解説した本としては、初学者でもわかりやすく、本質的な知識が得られる本。カーナビに例える説明がわかりやすい。
  • 全ての問題の原因は、必ず過去にある。将来の問題は、今の自分の判断にあるという視点を持たないと、いつまでも同じ問題に悩まされる。
  • 戦略とは現在地と目的地を結ぶルートである。そして、(1)現在地は常に変化し、(2)目的地は現在地ほど頻繁に変化せず、(3)ルートは現在地に応じて変化する
  • 現在地は客観的な事実でできており、目的地は、現在地に依拠した不確実な未来であり、幅のある未来である。
  • 目的地はイベントによって思いがけず変化することがあり、目的地によって確認すべき現在地の内容や優先順位が変わるため、目的地によって戦略を考える難易度は変わる。
  • 戦略は時間とともに成長し、立ったばかりの戦略は頼りなく見えて当然。新しく得られた現在地情報によって戦略は成長する。
  • 議論を尽くすことは不可能と思うこと。
  • 危機感を希望を失わない態度を持った人材を、戦略策定メンバーに選ぶ。
  • 将来の読みにくさが高まるほど、戦略を立てることが難しくなる。そこで、(1)なるべく近い未来を予想する(3年)、(2)未来を自らの手で作り出す(新製品投入=シェアNo1)、(3)現状から未来を予測する(現在の赤ちゃん数=将来の労働力人口)
  • ライバルとの勝負は、情報力の格差を持つことが重要で、これが戦略の難易度の格差となる。
  • (1)顧客が求めること、(2)競合にできること、(3)自社にできることのうち、1と3の和集合から3つの和集合を引いた部分がスイートスポット(=顧客に対して自社にしか提供できない価値)、戦略は、SSをいかに活用するか(攻める戦略)、いかに維持するか(守る戦略)、いかに広げるか(成長戦略)の3つに絞って議論する。
  • 顧客の情報こそ集める情報、競合情報を集めても戦略につながらない、競合と競うのはどちらがより顧客を理解しているかを競うこと。
  • 情報は商品であり、同僚であっても無料で手に入るものではない。そこで、(1)ドライ情報をできる限りたくさん集める、(2)ドライ情報をベースにしたインタビューで相手にとっての重要な問題や気づきを引き出す、(3)自らウェット情報を発信する。
  • 情報分析の基本は、(1)情報の異常値に注目する(標準的な値を知っておく)、(2)ドライ情報とウェット情報の食い違いに注目する(ドライが間違い=貴重な情報、ウェットが間違い=自社の危険)、(3)複数の情報源に当たって情報の信頼性を常に疑う、(4)人間を観察する(顧客自身が気づいていない欲求を観察で見つけ出す)、(5)1:29:300の法則(大きなトラブルは突然起こらない、悪い情報は早く入手する)、(6)6収集したら4分析する、タイミングを逃さない、(7)定性情報を忘れない
  • 優れた目標とは、第1にそこにいる人々のモチベーションを有効に高めることができる
  • 優れた目標の条件は、(1)リーダーが設定した目標であること、(2)3年程度の期間で達成したい目標であること、(3)背伸びをすればぎりぎり届く高さの目標であること、(4)測定できる目標であること、(5)利他性のスパイスが入っていること
  • 戦略とはコミュニケーションを活性化させるための道具
  • 戦略の立案を密室で行うことはタブー
  • ブレイクスルーとは、それまでトレードオフと思われていたことを、これまでにないアイディアで一発で解消する行為。
  • 戦略では、まずクイックウィンのテストケースを走らせてチェックする。
  • やめるべきことを常に探すことが、戦略の基本
  • バックアップシナリオを用意しておく
  • 戦略を関係者に売り込むキャッチコピーが必要、(1)組織の部門を超えて集中すべきポイントが明確になっている、(2)構成員が自分の行動が正しいものであるかを判断する基準になっている、(3)具体的な方向性を示しながら、そこから先の判断を現場に任せるものになっている、がポイント。
  • 組織には、自己主張が強い⇔弱い、感情が表に出る⇔出ないを掛けて、自由奔放タイプ(プロモーター)、専制君主タイプ(コントローラー)、縁の下の力持ちタイプ(サポーター)、求道者タイプ(アナライザー)の4タイプを考えるとわかりやすい、タイプに合わせて戦略を伝える(説得する)
  • 臆病なトップには、今、○○、これから○○するつもり、と簡素に報告だけする、ワンマンなトップには、トップの口から戦略やアイディアを発言させる。誰がトップかわからない時は、有力者へ根回しをする。
  • 人間の正義感とは、自らが十分に世間に認められていないという不遇感を埋め合わせるために発露することが多い。情熱は、実際の行動や態度で示すこと(イルカの調教の例)。
  • 優しい空気をつくるには、笑う、ほんわかした雰囲気の人を取り入れる、傾聴する
  • 戦略で対立したときは、反対派を決して遠ざけないこと、反対派の中の最も声の大きい人を個別に説得するか、それ以外の取り巻きを個別に説得してその人を孤立させること
  • 戦略実行中のアドバイスは最小限、たとえて企画でもアドバイスはまず採用されない、そのために、非公式のブリーフィングを行うこと、また、割り振りは立候補で行い、進行状況をマラソンに例えて何キロ地点かを聞く

2009/01/06

酒井穣(2008)『はじめての課長の教科書』ディスカヴァートェンティワン

  • 課長の仕事で最も大事な仕事は、部下のモチベーションを管理すること。そのためには、部下一人一人を徹底的に熟知すること。
  • 会社組織の基本はピラミッド型で、経営者は戦略の策定と実施、中間管理職は例外の処理、末端社員はルーティンワークを行うのがそれぞれの担当。
  • 中間管理職は、現場からの重要な情報を引き上げ、経営者が描くビジョンにつなげるために知恵を絞る。これがミドルアップダウンの仕事。
  • 部下の失敗は課長の失敗。課長は、部下を守ることが仕事。
  • ほめるときは人前でほめる、しかるときは人陰でしかる。しかり方は、事実関係を確認する、問題に至った原因を究明させる、部下が気づかなければ直接原因を伝えてしかる、感情のフォローアップをする、の4フェーズで行う
  • 予算管理の数値目標はどううまくやっても形骸化する。経営層は企業の成長と人事評価がリンクしている、課長は予算達成と人事評価がリンクしている、両者の利害のポイントが違うので調整が必ず難航する。
  • 政治とは、権力に関係し、利害が対立する場所で自分に有利な結果を生み出すことを言う。政治力は課長が持つべき力。政治力を付けるには、(1)キーマンを知り、その権力範囲を知る、(2)自らがキーマンにとって有用な人材になる、(3)至る所で政敵をほめる、を行う。
  • 能力の低い社員でもできる仕事を見つけて与えることが課長の仕事、エースは自由にしておく方がよい。
  • 誰かに監視されていたら決してやらないことは、はじめからしない。
  • 昇進させる部下は本物を昇進させる。本物は、会社全体の利害を考えて会社を成長させることができる人物を言う。本物が生意気な場合は、協調性を教えるのも課長の仕事。
  • テレビより本を読むと伸びる理由は、他人が文章に圧縮した情報を脳内で解凍して再生する能力(想像力)が鍛えられるから。

2009/01/05

鹿島茂(2003)『勝つための論文の書き方』文春新書

本書は、フランス文学者が卒業論文レベルの論文作成指導を示したものである。冒頭は構成が明確でわかりやすいが、資料の収集から論文構成までは、文学の題材が中心で、必ずしも容易に理解できるものではない。
  • 論文に絶対になければならないものは、問い。自ら問いを立てるものが論文、教員が問いを立てて学生に書かせるものがレポート。論文には問いのオリジナリティーが求められる。
  • 独創的論文には、(1)いままで多くの人が問題を立てながら未解決の問題(宇宙のはじまりはいつか)、(2)いままで誰も立てたことのない問題の2つしかない。
  • 問いは、比較の対象がなければ生まれない。問題を立てるには、比較のフィールドを広げることが必要。論文指導は、それを支援すること。
  • 問いは、(1)時間軸で移動する比較(歴史的方法)と、(2)領域軸で移動する方法の2つか、その組み合わせで見つける。
  • 他分野からの類推から構造的な把握をする。
  • ホリプロの25%ルール:流行が去ったときのために、常に書けるテーマを4つくらい用意しておく
  • 論文を書くときは、紀要論文を当たると、同じようなテーマに取り組んだ論文がみつかりやすい。
  • つまらない論文を読むことは、それは違うだろう、という気持ちが高まって、逆に自分の考えがすっきりまとまるために使う。
  • 資料を集めるときは、コーパス(資料体)の大きさに気をつける。
  • 資料を一通り集めてまとめたら、図式化・公式化する。
  • 論文は序論、本論、結論を1:8.5:0.5で書く。
  • 序論では、読者を呼び込み、読者を驚かし、問いの正当化(根拠付け)を行い、プログラムと方法を説明する。
  • 本論は大クエスチョンを小クエスチョンに分割し、(1)連鎖的三章構成、(2)並列的三章構成、(3)弁証法的三章構成のどれかで書く。
  • 前提を崩すには、相手のファクトを観察する(?未消化)
  • 結論は短く単純に書く
詳細は読まなくとも、大まかな考え方を知るために、初年次生がざっと読むにはいい本だろう。

2009/01/04

館昭(2007)「大学の評価と質の保証」『改めて「大学制度とは何か」を問う』東信堂

  • 国際的な評価組織の連合体、International Network for Quality Assurance Agencies in Higher Education、高等教育品質保証機関国際ネットワーク
  • ここでは、評価の焦点は質の保証、それも教育面の保証。
  • 研究は教育とは別に資金配分の文脈で行われており、適格認定とは別の評価法を開発する必要がある。
  • 日本の認証評価は、大学の活動全てを適格認定するような、無理のある理解がされている。
  • アメリカの地域協会の適格認定は、大学の運営の正直さの確認、職業系は分野別の適格認定評価の結果を活用。

2009/01/03

苅谷剛彦・山口二郎(2008)『格差社会と教育改革』岩波ブックレットNo.726

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  • 格差:英語ではInequality=不平等、格差の問題には社会正義の問題ともかかわる。
  • 政策議論を読むときに医療に例える:診断と処方は適切か、ふさわしい処方か、医者の腕前は確かか?
  • 再生会議の議論は、ポジティブリストを並べる一方で、資源配分の議論をせずに、競争と評価を導入するもの
  • ポジティブリストの弊害は、自分たちがコストを負担するということを考えていないこと
  • PISA数学学力:平均点が落ちたことよりも、学力の低い層が一層落ちたことの方が深刻
教育改革の議論は、ここまでできていればいい、という発想の転換が必要と述べている。

2009/01/02

本間正人・松瀬理保(2006)『コーチング入門』日経文庫

コーチングとは、信、認、任に集約される。
  • 信とは、人間の無限の可能性を信じることと、上司部下の間に信頼関係を築くこと
  • 認とは、相手の良いところをみて心にとめること、
  • 任とは、適材適所の役割を割り振り、実力のあった目標を設定して任せること
コーチングに必要なスキルは、傾聴、質問、承認。 傾聴のポイントは、環境を整える(座り方)、受け止める言葉を使う、繰り返し・あいづち・うなずきを行う、結論を急がない、心を込める。 質問のポイントは、答えはクライアントが持っている、7つの質問をする、ヒーローインタビューをする。 7つの質問は、
  • Yes/Noで尋ねる質問(事実の確認、意志を明らかにする)
  • Yesを引き出す、念押し・確認の質問(最後に合意事項を確認する、責任の自覚を促す、許可を取る)
  • Noを引き出す質問(極端な質問で自尊心やプライドに働きかける)
  • 自由回答で意見を尋ねる質問(アイディアを引き出す、リストスリー)
  • 自由回答で事実を尋ねる質問(5W1H)
  • 選択肢を選ぶ質問(考えやすくする・助け船を出す)
  • 数字で答える質問(程度の違いを数字で表す)
承認のポイントは、プラスリストを作る(美点凝視) コーチングでは、Goals(目標の明確化)、Reality(現状の把握)、Resource(資源の発見)、Options(選択肢の創造)、Will(意思の確認、計画の策定)のアプローチがある。

2009/01/01

2009年の目標

2008年は、だいぶインプットを怠ってしまった。インプットを怠らず、インプットを自らの血肉とするために、インプットの記録を行いたいと思う。
今年は、
  • 時間を小さく区切って作業に集中する
  • ゆっくり話をする
  • 体を鍛える
  • 笑顔で過ごす
を忘れない。