- 組織文化には4つのタイプがある
- 官僚文化:明確な意思決定権限,標準化された規律や手続き,管理と説明責任のメカニズムが重要。有能なリーダーとは,組織をうまく調整し,組織全体をまとめ上げること。明確な規則と方針が組織を結束させる。
- マーケット文化:組織の有効性の重要な基礎は取引費用。競争上の優位を作るために,他の組織と取引(=交換・販売・契約)することが重要で,優先目的はニッチなマーケットでの強さ,確実な顧客獲得,チャレンジングな目標達成。
- 家族文化:組織環境はチームワークと個人の能力開発を通して最もうまく管理されるのが基本的な前提。マネジメントの役割は,権限を委譲してやる気を持たせ,メンバーの組織への参加・コミットメント・ロイヤルティを促進すること。意思決定が不確実である時,組織活動の調整に,メンバーの同じ価値観・信念・目標の共有がとても有効。
- イノベーション文化:不確実性が高く,情報が多すぎる時に,適応性・柔軟性・創造性を促進すること。権力や権威を特定の人に集中させず,個人やチームの間を権力が移っていく。各メンバーに,リスクを恐れず,未来を予想することが求められる。
- 競合価値観フレームワークは,縦軸に「柔軟性・裁量権・独立性」⇔「安定性・統制」,横軸に「組織内部に注目する傾向と調和」⇔「組織外部に注目する傾向と差別化」を取り,1,2,3,4象限にそれぞれ,イノベーション,家族,官僚,マーケットを取ったもの。
- 各文化で重要なマネジメントスキルは,家族=チーム,人間関係,他者の育成を管理する能力,官僚=組織への順応,統制システム,調整・協調を管理する能力,マーケット=競争力,顧客サービスを管理する能力,社員に活力を与える能力,イノベーション=革新,将来,継続的改善を管理する能力。
- 組織変化のステップは次の通り。
- (診断)
- 組織文化診断ツールを完成させ,現状を診断。診断対象のユニットが組織文化変革のターゲットユニット。
- チームのメンバーも,自ら診断ツールを完成させる。
- 各メンバーが,診断ツールから現在の組織文化診断スコアを計算する。
- チームで会議を持ち,現在の組織文化について話し合う。(単にスコアの平均を出すのではなく)
- 診断ツールを,将来のあるべき姿を想定して完成させる。
- メンバーも,将来の組織の望ましい文化を想定して完成させる。
- 各メンバーは,将来の望ましい組織文化診断スコアを計算する。
- チームで会議を持ち,将来の組織文化について話し合い,合意する。
- 現在と望ましい組織文化の図を比べ,差を見つける。
- (解釈)
- 診断ツールの各質問に対するスコアを図上にプロットし,組織文化のタイプ,整合性,強さについて確認する。これを他の組織の組織文化と比較する。
- どの組織文化変革を起こす必要があるかを定める。あるいは,どの組織文化を弱めるかを定める。
- 提案された組織文化変革の意味するものを明確にする(フォームに書き込んで完成させる)。
- 将来の組織文化に浸透させたい価値観を表す事例を3つ出す。事例をストーリーとして語る。
- 組織文化変革に向けて,どの行動を取り,どの行動を止めるかについてチームで合意する。
- (実行・導入)
- (1)小さな成功を見つける,(2)協力者を募る,(3)フォローアップと報告の体制を整える,(4)積極的に情報提供する,(5)変革の効果を測定する,(6)変革への抵抗を減らし,変革への心の準備を整える,(7)なぜ変革が必要なのかを説明する,(8)過去を批判せずに葬り去る,(9)シンボル的で目につく変革を導入する,(10)業務プロセスにも注目する,の一般原則に従う。
- 各ステップですぐに導入できるものを複数見つける。
- 組織内の情報伝達に関する戦略を立て,双方向で対話できる情報経路を確保し,誰でも変革活動の十分な情報を得られるようにする。
- Structure, Symbol, System, Staff, Strategy, Style of Leadership, Skill of Manager の7Sを考慮して,変革局面を見つけ出す。
- 組織文化の変革を個人の変革に落とし込む。=どの行動・能力を開発・改善するかを明確にする。
- 各メンバーは診断ツールを使って,個人のマネジメント能力と組織文化が合致しているかを確認する。
どの組織も4つの文化の側面を同時に持ち,ある文化を強くしてある文化を弱くするアプローチで組織を変革するというアイディアだが,教養がコンテクストと独立して教えられないのと同様,組織文化も戦略目標なしには変革できず,アクションにおいては戦略計画の方が重要である。