2014/04/18

孫福弘(2003)「大学組織論の前提 組織特性の基礎的考察を中心に」金子郁容『総合政策学の最先端2』第11章,慶應義塾出版会


  • バーナード:組織を,2人以上の人々の,意識的に調整された諸活動,諸力の体系と定義する
  • 大学組織は,近代的経営理論を適用する立場と,大学特有の組織運営原理に従って運営されるべきという立場の対立の歴史がある。
  • 大学組織の特性(江原 1999)
    • 知識を扱う:知識の発見,保存,伝達,応用が大学組織にとって基本で固有
    • 専門分野が大学組織の基礎的要素であるため,大学組織の特徴は断片化であり,専門化された下位組織の組織形成の原理はルース・カップリングになる
    • 意思決定権限の拡散:組織の断片化=権限の拡散が促進され,大学組織は連邦制になりやすい
    • 下位組織の草の根的革新は頻繁に行われるが,大学組織全体が再編成されることは少ない
    • 大学管理者の権限が,他の近代組織と比べて強くない→伝統的には正しいが,現在の妥当性は低い?
  • 20世紀のアメリカの大学は,ドイツの研究大学の理念を大学院という形で継承し,アングロサクソン社会の伝統であるリベラルアーツ教育に加え,アメリカ独自の社会サービス機能(プロフェッショナルスクール,エクステンション)を生み出し,3つの機能を中核とする新しい大学像を開発した。19世紀の学問の中心のドイツは,20世紀にアメリカに移行し,この大学像は世界に普及している。
  • 大学組織の特性を測定するための基準:発生の歴史(ウニベルシタス,フンボルト,マルチバーシティ,国家目的),エリートからマス,設置主体,法的位置づけ,財政的側面
  • 大学ガバナンスのプレーヤー:教授団=アカデミック・フリーダムの論理,経営者=マネジメントの論理,国家=マクロ政策の論理,社会構成員=アカウンタビリティーの論理