2014/03/31

ウィリアム・エレット(2010)『入門ケース・メソッド学習法』ダイヤモンド社



  • 議論において重要なのは,結論とその論拠との関係(わかった。だが,どうやってそれが正しいと証明するのか?)。聞き手に結論を真剣に受け止めてもらうには,なぜそうすべきかを示す必要がある。
  • ケースメソッドで最も重要なスキルは,推論する能力である。ケースの読み手は,(1)文中の情報から結論を組み立てる,(2)無関係・価値の低いものを取り除く,(3)欠けている情報を推論で補う,(4)ケースのいろいろな部分から論拠をつなぎ合わせて結論にまとめる,の4つをする必要がある。
  • ケースに取り組む際は,読むのではなく考える。読む前に考え始める。ケースが示す状況には,問題,意思決定,評価,ルールの4つの分析課題が繰り返し出てくる。
    • 問題は,重大な結果や業績に関連した状況で,それらに対する明確な説明が着かない状況(何か重大なことが起こったが,なぜそうなったかわからない)。よって,問題の分析は問題の定義から始まる。
    • 意思決定の分析には,意思決定の選択肢,意思決定の基準,関連の論拠の分析が必要。特に基準を決めることが必須。なお,客観的に正しい意思決定は存在しない。
    • 評価は,業績・行動・結果についての,価値・重要性・効果を判断するもの,その単位は個人・グループ・部署・組織・国家など。これも適切な基準を要する。
    • ルールの分析は,定量的な分析を指す。割引現在価値の計算など。
  • ケースに取り組むプロセスには,状況把握,質問,仮説,証明と行動,代替案と未解決の問題の5フェースがある。
    • 状況把握(5分):最初と最後のセクションを読めばだいたいわかる。ここだけ読んでわかったことを考え,問題を扱うか,意思決定をするか,評価を求められているかなどを考える。
    • 質問(15分):状況について何を知る必要があるか?を問う。問題の対象は誰か,問題は何か,意思決定の選択肢は何か,それによってどのような利害関係が生じるか,誰が・何を評価されようとしているか。
    • 仮説(45分):最も重要な段階。どのような仮説を立てればよいかに答える。
      • 問題:分析すべき問題は何かを理解する,最も適切と思われるフレームワークを考える,各原因の論拠をケースから探す,議論を裏付ける数字をつくる
      • 意思決定:選択肢を見直す,最善と思う意思決定を精査する,議論を裏付ける数字があればどの評価基準に関連するかを考える,意見が分かれているならその理由を考える
      • 評価:最も自信を持てる評価基準を決める,それを使って最高・最低の評価をしたものを精査する
    • 証明と行動(40分):集めた情報から仮説を裏付ける論拠を見つける
    • 代替案と未解決の問題(15分):自分の立てた仮説に質問し,それに対する代替案を示す。
  • 問題分析の要素は,問題を定義する(原因と結果の因果の分析),分析,原因とその影響の分析,コンセプトとフレームワークを用いて因果関係を分析する,行動計画を立てるの5つの要素がある。
  • 意思決定分析の要素は,選択肢を探す,判断基準を選択する,選択肢を分析する,(最善の選択肢を)提案する,行動計画を立てるの5つの要素がある。
  • 評価分析の要素は,評価基準を明確にする,評価を示す適切な表現方法を決める,基準と論拠の重要性を比較をする,最終的な判断を行う,評価に重大な影響を与える要因を但し書きする,行動計画を立てるの6つの要素がある。