2008/07/27

治部眞里・安髙志穂(2008)「国立大学法人等の財務分析(調査資料—150)」科学技術政策研究所政策研ニュース No.231

 各国立大学法人が、教育・研究・社会貢献の機能を如何に自律的に分化させているかを、以下の9つの指標から分析する。
 各指標は、平均50、標準偏差10となるように規格化し、教育・研究に関しては、それぞれを構成する指標の平均を求め、9つを組み合わせてクラスター分析を行う。
  • 教育: 教育経費率、教員あたり学生数、学生あたり教育経費 
  • 研究: 研究経費率、教員あたり博士課程学生数、教員あたり研究経費、論文数、特許公開件数 
  • 社会貢献: 国等以外の受託事業費及び寄付金収益 
結果として、10のクラスターに分けられた。
  • 研究の偏差値が60以上である2グループと3グループは、基盤的資金に対する外部資金等の割合が非常に高い=研究を強く推進するためには、外部資金の取得が不可欠
  • 社会貢献の偏差値が高い大学あるいは教育の偏差値が高い大学は、総じて基盤的資金に対する外部資金等の割合が低い
  • 次に、教育、研究、社会貢献、それぞれの偏差値が50前後でバランスを取っているグループは、基盤的資金に対する外部資金等の割合が、0.2-0.4前後
結論としては、
  1. 国立大学法人が、歴史的経緯・学部構成・専門領域に着目して作られた類型化「国立大学法人の財務分析上の分類」の同一類型内であっても、さらにサブグループ化が必要なこと 
  2. 国立大学法人が同一の機能や特性を持つものではなく、多様化していること
  3. 基盤的資金に対する外部資金等の割合が高い大学は、研究にその機能を特化させ、反対に基盤的資金に対する外部資金等の割合が低い大学は、研究以外の機能を特化させていること