2008/07/22

Dochy, F., Segers, M., Bossche, P. and Gijbels, D. (2003) "Effects of Problem-based Learning: A Meta-Analysis," Learning and Instruction, vol.13, pp.533-568.

 本稿は、これまでに行われてきたPBLの効果検証論文をサーベイし、全体としてPBL教育に効果があるか否かを検討したサーベイ論文である。本稿では、効果の対象としてみたい変容を知識と技能の2種類に特定する。43の先行研究を調査した結果は、知識に関しては負の効果、技能に関しては正の効果、全体としては負の効果という結果を得る。この点は医学教育を例に考えると納得のいく説明になるかもしれないが、先行研究が全て医学教育を対象にしたものか否かが不明であり、より詳細な検討が必要である。

 本稿の分析手法で興味深いのが、投票法と統計的メタ分析という2つの手法である。投票法は手法というほどのものではなく、単に先行研究の推計値の正・負を数え上げて集計するだけのものである。ポイントは統計的メタ分析であるが、比較可能な平均値を持つ推計値の有為差を測定するもの、分散まで考慮に入れるものなど、かなり複雑な操作を行う。この具体的手法は、Cooper (1989)にまとめられているということで、今後サーベイする。分析に用いる従属変数は、医師国家試験のような知識ベースの試験の得点を使用する。しかし、技能は、知識の応用をみる試験の得点ということで、両者の関係は完全に切り離せないもののようである。