本稿は、これまで多数行われてきた高等教育機関の費用関数推定を拡張し、費用最小化に関する対数尤度関数を用いた分析を行う。
従来の研究は、CES型、二次形式型、トランスログ型などの関数型から最も当てはまるものを選んで結果を示していた。理論的に導出される費用曲線は技術効率的な状況化を反映したものだが、実証的に推定される曲線には様々な非効率性を含んでいる。フロンティア分析においても同様なため、確率的フロンティア分析か非線形モデルの定式化が代替的な手法となる。こうした分析は過去になく、ここでは94,95年の英国の大学99機関のデータを用いて、確率フロンティア手法によるCES型費用関数推定を行う。誤差項については、正規分布と片側正規分布の2つの要素から成る項を仮定する。先行研究では、パラメータが少ない場合はCES型費用関数をOLSかNLSで推定するものが多い。その中には、大学院の学費に関して規模に関する収穫逓増の結果を得た研究もある。しかし、範囲の経済性については研究によって結果は多様である。
フロンティア推定では、xを説明変数、θをパラメータとし、誤差項についてはε= v + uで、v~N(0,σ2)とu~|N(0,σ2)|を仮定した次式を最尤法で推定する。
yi = f(xi, θ) + εi
本稿の分析では、次式のCES型費用関数を非線形最尤法と確率フロンティアで推定して結果を比較する。
y = α+(β1x1^γ1 + β2x2^γ2 + β3x3^γ3 + β4x4^γ4 )^ρ+ε
それぞれ、総支出、文系学部学生数、理系学部学生数、大学院生数、研究費のデータを使う。この結果から規模と範囲の経済性を計測して技術効率性も各機関ごとに算出する。結果的には確率フロンティアの方が、優れた推定値が得られる。
本稿には、具体的な計算方法が書かれていないので、別の文献で確認する必要がある。