- 知的生産と知的消費は違う。知的生産とは、企画書・論文・書籍など文章の集積が出来上がること、知的消費とは本を読む、教養ある会話をする、ネットサーフィンをする。知的消費は人生を豊かにするが、知的アウトプットから遠ざかる。知的生産は理系が得意、知的消費は文系が得意。
- 完璧主義とは自己満足の世界。よりよくするために必要以上のデータを集めたり思索したりすることで自分は満足し安心するが、来るべきアウトプットから遠ざかるうえ、自分でそれに気づきにくい。
- 知的生産を行う前に、必要以上に資料・情報を集め、使わない情報を溜め込むのが、日本人に多いインプット偏重主義。どこが不足して何を埋めれば完成に近づくかを直観的に判断する構造主義が重要。
- できるところから書き始める。ある程度調べたらとにかく書き始める。調べるのはいくら調べても論文にならない。
- 大事なのは思いつき、発想で、それを書き留めておくことに価値がある。メモにしなければ思いつきはあっという間に蒸発してしまう。
- とりあえず最後まで完了する。できるところから完成させればよい。何をする上でも最大の目標となる。
- 本は読んだところに線を引くなど印をつけておく。
- パソコンを起動してメールを見る、ついでにブラウザでニュースを見る、ということは、仕事の開始から受け身の姿勢に陥っている。情報が垂れ流される結果、受け身でモニターを見る時間が長くなっている。
- 人はそれぞれ固定観念というフレームワークを持っており、対人関係はそのフレームワークのすりあわせである。相手に認識反射を出させるためには、相手が言ってほしいことを一言でまとめて返す、相手の良い点を見つけて言葉にする。相手の発する言葉に繰り返し出るフレーズを使ってキーワードを作る。
- ブレーンストーミングはWin-Winが大前提。そして、目標を明確化することが最も重要。そのためには、環境を設定することが大事。時間を区切る、メモを作る、マッピングする、対案なしに批判しない。
- 三脚法の手順。一つの論文に3つの性格の異なるキーコンセプトを出す。正反対の二つと中間に成り立つ一つが理想。それぞれを3つのサブメーッセージに分割。3章構成にしてそれぞれに3つの節を立てる。1節のメッセージは一つに絞る。全文で9章27節の文章ができる。
2009/06/25
鎌田浩毅(2006)『ラクして成果が上がる理系的仕事術』PHP新書
本書は、文書を書くような知的創出活動のためのノウハウをまとめたものである。書かれた内容は全て基本的なことであるが、初年次向けの学習リテラシー教材としても活用可能な文献である。