本稿は、日米の大学教員の個票データを使用して、昇進確率と所得を属性等の変数へ回帰する分析を行う実証研究である。本稿の分析のカギとなるのが、1992年に行われたカーネギー調査という調査から得られた国立大学7校963人、私立大学12校880人の教員のデータである。
教授を1、助教授を0とするロジット回帰で、勤続、外部勤続、女性D、研究大学D、単著数、編著数、論文数、研究評価Dへ回帰すると、日本では勤続年数の効果が大きく、国立は勤続、私立は外部勤続の効果が大きい。研究大学では昇進が遅くなる。
大学からの総収入/17を、勤続と2乗項、外部勤続と2乗項、移動回数、研究大学D、教授D、助教授D、女性D、医学分野D、著書数、編著書数、論文数へ回帰すると、やはり日本は勤続の効果が大きく、国立より私立の方がその効果は大きい。また、国立の研究大学では博士課程手当分の収入上昇がみられる。
同様に、大学以外の学術活動からの収入+学術活動以外の仕事からの収入を回帰した結果では、日本では単著数が多いほど大きく、また国立では医学分野であることが高い収入につながっている。