- 自尊感情は過去の自己経験を踏まえたものであるのに対し、仮想的有能感は過去の自己経験に基づかず、自分の将来の適応のために自動的・無意識的に発生する。
- 他者評価と自己評価は相反する方向に作用する。人間は本来常に自分を高く評価したいので、人は自分よりも優れた人物よりも劣る人物に関する情報を求める。この傾向が下方比較。
- 真の自己肯定感は、親しい人間関係にある周りの人たちから、承認されて賞賛される経験を通じて形成されることが多い。人間関係が希薄化することで、他者軽視行動が多くなる。
- 対人スキルの劣る者ほど、メールに頼るコミュニケーションを図ろうとする。
- 仮想的有能感を持つ人の特徴は、(1)共感性が低い、(2)友人関係が狭い、友人が少ない、(3)友人関係あるいは家族関係に不満がある、という傾向がある。
- 自尊感情は、自分を非常によいと感じることではなく、これでよいと感じること。ありのままの自分を価値あるものとして尊敬できると、自尊感情は高い。
- 青年は高い理想を尺度として他人や一般社会を眺め、それと比べて現実の他人の能力や社会があまりに低級で汚れているのを感じ、それらを軽視する。
- 昔の子供に比べて今の子供は、怒りやすく、悲しみにくく、喜びにくい、感情を表面に出さなすぎる、しかし文章にはできる。子供が不快感を感じなくなった、あるいは親が不快感を感じさせなくなった。
- 一度自分の非を認めると、その後一貫して弱者の立場に立たねばならないと考えて、謝れない子供も親も多い。
- 高校・大学進学で最近の生徒は自分の現実の学力とはかけなはれた水準の大学を志望する場合が多い。
- 高校中退者は、これまでの学習経験から、他の人と違った才能を仮定する。現代は、誰もが自己肯定感を求めている。
2009/06/18
速水敏彦(2006)『他人を見下す若者たち』講談社現代新書
本書は、心理学者による現代の若者の行動に関する考察をまとめたものである。速水先生がベストセラーを書いていると知って、読むことにした。